日本全体で使われている物質やエネルギーの量から比べれば、「バイオマス」も決して大量にあるわけではありませんが、自分の地域にある”自前の資源”として、バイオマスの利用を考えてみてはいかがでしょうか。
「ごみ」も「資源」になるってご存じですか?
私たちが普段の生活で捨ててしまっている「ごみ」も、使い方次第では「資源」に生まれ変わります。例えば、
家庭から出る生ごみ→たい肥にして農産物生産を行います。
食品加工場からでる食品廃棄物→家畜のえさにしたり、たい肥にして農産物生産を行います。
家畜排せつ物→たい肥にして農産物生産を行います。
木くずや公園の木などを剪定したあとの枝→たい肥や、燃料、木材チップとしての利用を行います。
これらは、たい肥にするほか、メタン発酵などの技術を使うことで、エネルギーとして使うこともできます。
ただ「ごみ」が減るだけではありません。
今まで、ごみとして捨てていたものが有効利用されれば、環境にもやさしく、循環型の社会づくりにもつながりますが、この取組はそれだけで終わるものではないと考えています。
たとえば、地域で作られた農産物を食べ、その後家庭から出る生ごみをたい肥として使って地域の農産物を生産していくことで、生産者と消費者がお互いを理解し、信頼関係を築いていくきっかけになるのではないでしょうか。
また、地域に眠っている資源を見直すことで、住民が自分の地域のもっている価値を見直し、よりよい地域をつくっていくために関係者で話し合うきっかけになるのではないでしょうか。
これらのことは、ほんの一例にすぎませんが、バイオマスの利活用を通じて、地域が元気になれる取組を応援しています。
(事例1)リサイクルたい肥で町内の資源循環を実現(栃木県高根沢町)
栃木県高根沢町では、町内で発生した家庭生ごみと家畜排せつ物、もみ殻からたい肥をつくって、町内での農産物生産を行っています。
生ごみは、町内の2/3にあたる市街地域(約2万人)において、各家庭から専用の生分解性のごみ袋を利用して分別収集され、町内の酪農家から運び込まれる家畜排せつ物と、もみ殻とをあわせて、「土づくりセンター」においてたい肥化されます。
できたたい肥「たんたんくん」は、4,000円/tで農家に販売されるほか、1kg350円で販売されており、このたい肥を活用して農産物を生産する農家が増えてきています。
こうして地域循環に参加するなかで、町民の環境意識も高まってきています。
(事例2)手づくりのプラントでバイオガスと液肥を利用(埼玉県小川町)
埼玉県小川町では、有機農業を行う農家が中心となり、手づくりのプラントでバイオガスの利用が行われています。コンクリートやポリエチレン(簡易タイプ)を利用して手づくりでつくられた発酵槽に、原料となる家畜ふんや生ごみを投入すると、バイオガスと液肥が発生します。バイオガスは、家庭の調理用燃料などとして使われており、また液肥は施肥効果の高い肥料として、農産物生産に使われています。
小川町では、この取組を更に進め、町内の家庭からの生ごみを分別収集し、バイオガスを発生させる取組を試験的に行っています。生ごみをバイオガス利用した場合、焼却処理に比べて経費が安くなるため、この差額相当分として、生ごみを提供している家庭に地域通貨"FOODO(ふうど)"が支払われています。"FOODO"は、野菜と交換できるクーポンとして使用されています。