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第9回地域リーダー・有識者との意見交換会の議事概要

1.開催日時

平成16年3月25日(木曜日)13時30分~15時0分

2.開催場所

さいたま新都心合同庁舎2号館5階共用中研修室5B
(埼玉県さいたま市中央区新都心2-1)

3.出席者

(1)講師 神奈川県環境農政部農地課副技幹白岩良雄
      中高年ホームファーマー東上正彦
(2)関東農政局局長、局次長ほか局職員
(3)都県都市農業総合支援対策事業担当者

4.テーマ

「中高年ホームファーマー制度について」
-農地保全と生きがい対策を結びつける新しい都市農業の支援策-

5.講師の紹介

○白岩良雄氏

神奈川県環境農政部農地課副技幹。中高年ホームファーマー制度の実現化検討から実施に至るまでを担当。

○東上正彦氏

平成12年企業を退職。平成14年5月から中高年ホームファーマー制度検討モニター及び体験研修を受講。15年4月から神奈川県秦野市においてホームファーマーとして実践農園で耕作を行っている。ホームファーマー農園を含め8㌃を市内で耕作。

6.議事概要

白岩氏からは、企業などを退職して時間に余裕のある中高年者などに農地を貸し出し、農地の保全を図り、利用者に健康や生きがいを提供する「中高年ホームファーマー制度」の創設から実践についての講演。
東上氏からは、ホームファーマーになった動機、営農状況、制度に対する要望等について講演いただき、制度等への意見交換を行った。

7.講演概要

(1)白岩氏

○中高年ホームファーマー制度の創設に向けて

平成7年から12年の5年間で県内農地面積が2,400㌶減少しているなか、耕作放棄地は231㌶増加しており、その理由として労働力の不足、高齢化等がある。人がポイントであるという認識を持った。
また、神奈川県では、高度経済成長期に人口が急増しそれらの方々がここ数年を境に退職期を迎える。
これらの方々は、幼少の頃、身近に農業があり農業体験をしている。そこで中高年者の農に対する意識を調査し、耕作者を失った農地と、耕作能力のある中高年者を結び付けるシステムを考えようということになった。
概要は、県が農家から耕作放棄地などを借り農園を整備し、県民の方々に貸し出すもので、これは一般の市民農園と同じだが貸し出す面積が従来のものより広い。貸出面積は最初の1年間が100㎡、次年度に継続して耕作を希望する方には別の農園で300~500㎡程度を貸し出す。広い面積での耕作となるため農業技術が必要となることから、県が実施する研修を受けながらの耕作となる。

○14年度の制度検討結果について

14年度には制度の実現を目指すための予算を県単独費で計上し、検討を行った。

1.モニター意向把握調査

中高年ホームファーマーに対する研修や耕作に必要な支援のあり方などを検討するため、実際に中高年者のモニター(43名)による農地の耕作を通じたモニタリング調査を行った。

2.制度検討委員会

関係機関、農家やモニターで構成する委員により農地の貸し借りの仕組みなど制度検討を行った。

3.農家意向等実態把握調査

市町村内の耕作放棄地などの所在地、面積、活用の可能性などの実態を調査した。

4.募集案内等作成

募集案内や農業研修のガイドラインなどを作成した。

○平成15年度「中高年ホームファーマー事業」について

15年度は、県下4カ所で体験研修生を100名を募集したところ140名を超える応募があった。体験研修生から研修などの実費相当分として1人1万5千円を徴収することで予算を編成した。
1年間の体験研修を終えた100名のうち、概ね8割程度が次年度の平成16年度により広い面積での耕作を希望し、現在、実践研修農園へ移り耕作を継続している。
中高年ホームファーマー事業は、先導的に県が5年間程度実施し、それ以降は市町村に取組を譲り、この制度を広めていきたいと考えている。
今まで耕作放棄地などを復旧して農園とした面積は平成15年度は2.5㌶。16年度は7.3㌶を予定し、最終の19年度までで約67㌶程度を見込んでいる。
ホームファーマーからは、広い面積での耕作となると種や苗、資材費などがかかるので、収穫したものをある程度売って投資した金額程度は回収できないか。また、ホームファーマーは農家でない素人でない中間の立場であり、準農家的な制度を創って社会に認めてもらうことも、制度を継続していくためには必要ではないかとの意見も出ている。
16年度は鎌倉市、藤沢市、愛川町、津久井町が新たに加わり、県下5町村7カ所で270名の募集に対し、現在400名を超える応募状況である。

(2)東上氏

○耕作面積

最初に土いじりを始めたのが32歳、農家の10坪程度の庭付き借家を借りて畑を初めたのがきっかけで、だんだん欲が出て農地が足りなくなった。
町田に住んでいた36~37歳のころは、農協の1区画6坪3千円の貸農園を10区画約2㌃をまとめて借りてやっていた。
その後、秦野市に引越して以来23年間、個人的に2~3㌃の農地を借りてやっている。一昨年からこの中高年ホームファーマー制度ができて、モニターに応募したのをきっかけに、昨年はホームファーマーとして「実践研修」を受けながら6㌃の農園を借りている。従来から借りている農地と併せて8㌃となった。
いずれの農地も自宅近くにあり、車で行っても3~6分、歩いて15分~30分ということで、ほとんど車では行かない。2つの農地を掛け持ちしながら毎日歩いて農園に通っている。

○栽培品種及び作業従事日数

基本的に自分のところの野菜は全部自分でつくる。しかし、季節はずれの物やキノコ類は作っていないので購入している。
ジャガイモなどは5~6種類ぐらい作っており、品種の多さでは同じホームファーマーがたくさんいるが負けないんじゃないかと思っている。
昨年度は、合計8㌃の畑をやるために農園に通った日数は月20日以上。定年退職して4年目になるが、晴れた日は農園に行っている。
集計だと年間252日、農園には1~2時間行って帰るときもあるが、夏場は朝の9時頃から行って、夕方の6時頃までずっと畑にいて夜帰ってくるということもある。
このような訳で、1日平均すると4時間ぐらい、年間1,008時間。昼間の稼動時間が2,000時間なので、人生の半分ぐらいをこのホームファーマーに費やしている。

○農園関係費用

昨年、ホームファーマー農園の6㌃が増えたことで8㌃となったため、備品類の購入で余計に費用が掛かっている。費用の合計は20万円で内訳は、種代が約32%、肥料類(無機と有機)が約23%、防鳥ネットなどの消耗品が約13%、雑費その他が約17%、農地の借賃が6㌃で3万円となっている。備品とか消耗品は一度購入すれば何年か使えるため、16年の支出は3万円程度減となる見込み。

○野菜の自給率

ほぼ年間を通じて自給しているものはジャガイモ、タマネギ等。6~8ヵ月自給できるというのがホウレンソウ、ゴボウ等。3~6ヵ月ぐらいはナス、ピーマン等。人参、結球レタス、トマトは難しくて安定した収穫が難しい。
今は地産地消という言葉が流行っているが、私は「自産自消」だと言っており、旬にとれたものを旬に消費している。

○栽培状況

区割りは農地としては6㌃で、畑は畝幅60㌢、長さ10㍍であっても、同じ作物で10㍍を作付けするのではなく2~3㍍ごとに作物を変えている。
物置を置いてはいけないということなので、ブルーシートを被せて肥料等を置いている。以前この付近は、結構、不法投棄があった場所だったが、私がやり出してからは1回だけゴミが捨てられているのを見たのみで、その後はない。

8.主な意見交換概要

○農家から無償で借りているのか。また、何年間か。

耕耘してすぐ使える農地は標準小作料程度。復旧しなければいけない農地については農業委員会の意向により標準小作料を下回る場合もある。期間は、会計年度が1年になっているので単年契約。

○1年間研修をしてやる気があればどのぐらいまでできるのか。機械は必要か。水田もやりたいか。

作物の引取手があれば20~30㌃はやれる。そうなると機械も要る。
県に対しては、レジャー農業で満足するだけではなく、セミプロとして認めてほしいということをお願いしている。
水田については栽培技術がない。米は基本的に余っていると聞いているので自分が今更やってもという気がする。

○トイレとか水の問題。農地は全部集積されたような状況なのか。

耕作放棄地などのあるところで、確保できる面積でやっているでトイレや水道はない。農家が畑に通うような感覚でやっていただいている。

○例えば長野とか山梨に行くとかという方はいないのか。

滞在をして云々という需要も確かにあるが、神奈川県内であれば通って耕作できるのではないかと思う。

○中高年と限定されているが、若い人からの問い合わせはどうか。

若い人からの問い合わせもある。14年度にモニターに参加した若い方がおられるが、その方は新規就農を目指して今調整していると聞いている。応募が多数の場合には中高年ホームファーマーの事業制度の趣旨から中高年者の方を優先することになっている。

―以上―

 

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