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第11回地域リーダー有識者との意見交換会の議事概要

1.開催日

平成18年3月10日(金曜日)14時0分~15時30分

2.開催場所

さいたま新都心合同庁舎2号館5F共用中研修室5B
(埼玉県さいたま市中央区新都心2-1)

3.出席者

(1)講師NPO法人上田広域市民事業ネットワーク理事長畠中俊哉氏
(2)関東農政局局次長ほか局職員
(3)その他都県、市町村ほか

4.テーマ

「廃食用油の再燃料化事業等について」

5.NPO組織概要

上田地域において、産官学民を中心とした協働事業を展開。
構成会員数:30人(平成18年1月現在)。

【上田市の景観】

6.講演内容

(1)NPO活動事業の概要について

廃食用油の再燃料化事業

回収した廃食用油から軽油の代替燃料(BDFバイオディーゼル燃料)を精製し、その燃料を既存のディーゼル車に使用することで黒鉛の減量を図り環境の浄化を進める事業。

菜の花プロジェクト

上田市内近郊の遊休農地を利用して、搾油用の菜の花を栽培し収穫、製品化して販売する。
なお、販売後、使用済みの廃食用油はNPOで引き取り再利用する。平成15、16年度の2ヶ年間に長野県農村整備課と共にナタネシステム検討会議を開催した。

映画ロケフードサービス事業

NPO所有のフードサービスカーを使用し、上田市並びに近郊での映画やCM、ドラマ等のロケスタッフ、エキストラに食事を提供する事業。
なお、フードサービスカーはNPOが製造したBDFを使用。また、学校の環境授業にも取り組んでおり、平成16年は上田市内の中学校2カ所で実施。

雨水リサイクル事業

主に学校、事業所、公共施設等の屋根に溜まる水を収集し、周辺の植木、プランターの水やりに利用する。貯水タンクもリユース品を利用し電源のいらないお手軽ポンプ(特許取得済み)を使用するため経費の削減につながる。

気温測定事業

染谷の森の会中心市街地の2カ所にデジタル温度計を設置、測定比較し、ヒートアイランド現象に対して、森の果たす役割を研究中。炭酸ガスの吸収量も計算。

エコロジータクシー(輪タク)開発運行事業

環境に優しい交通システムの自転車タクシー(輪タク=3人乗)を開発し、池波記念館と上田城、市街地を中心に運行させる。
補助動力装置を備え坂道に対応。ソーラーパネルで充電可能(日本初)。

(2)廃食用油の再燃料化事業について

1)事業概要



2)事業化へのフロー図



3)BDFの利用先

上田市内の学校給食センター(第1、第2)の配送車
上田市土木課と廃棄物対策課の作業用トラック
BDF燃料走行車両登録計19台(平成18年3月現在)

4)軽油引取税対策

○通常、税制上の問題については、ディーゼル燃料に混合させると軽油引取税として32円/L発生する。
○本プラントで精製したBDF燃料が軽油引取税法上の課税対象となるか否かを検査し、課税客体を明確にするためBDF操作マニュアルを作成。
○実施主体が公益性の高い団体(NPO、上田市)であり、環境保全を促進する立場から、BDF100%で走行することを条件に非課税で承認。
○BDFの登録車両には、「BDF100%で走行」のステッカーを貼って走行。

5)今後の課題

原料となる廃食用油の安定的供給。
事業の採算性及び維持管理費の低減。
BDF燃料の通年利用(寒冷な気候条件による冬季の学校給食センター配送車のBDF利用休止)
一般廃棄物の処理業者としての届け出をしていないことから、NPO会員の回収で取り組んでいる。
軽油引取税法上の手続き。

(3)菜の花プロジェクトについて

1)

地域循環

地元で穫れたものを地元で消費(地産地消)することによって、農産物の地域循環を考え、地域特有の自立型社会の実現を目指すことを目的に事業化。

循環の仕組み

農業生産法人「信州うえだファーム」が搾油用の菜の花を栽培し、収穫、食用油に製品化して販売する。販売後、使用済みの廃食用油をNPOで引き取り燃料として再利用する。

菜の花栽培

市内近郊の遊休農地を活用して農業生産法人「信州うえだファーム」が菜の花を作付けしている。なお、菜種油の品質維持のために、3年に1回種子の更新に努めている。

食用油の精製

地元に菜種を精油する所がないため、埼玉県の寄居町にある「ヤマキ食品」に持ち込み精製している。

採算性

本事業に理解を示している消費者が購入可能な価格として設定しているものの、菜の花栽培事業としての採算性は、直接生産経費の3~4割程度にとまっている。
【販売単価(参考)】
平成16年600円(約500ml)
平成17年980円(600ml)

2)

今後の課題

りんごの開花期と菜の花の開花期が重複することから、りんご農家に配慮して農家とのトラブルを避けるため、樹園地の周囲2km四方で菜の花を栽培しないこととしている。今後は、相互理解のもとに菜の花の栽培面積の拡大が必要。

菜の花の生産量が少ないため、長野県外で搾油していることから、輸送等のコストが掛かり製品単価が割高となっている。

信州うえだファームとしては、地域の景観保全、棚田の保護などを図る主旨で、採算性を度外視して取り組んでいるものの、今後継続して活動していくためには、コストの問題をクリアする支援策が必要である。

7.意見交換、質疑

(問)取組上の課題等について全国的な他組織との情報交換を実施しているのでしょうか。また、全国的な組織連携等はされているのでしょうか。
(答)「菜の花サミット」が毎年全国で開催されており、そこで各地域の課題解決に向けた情報交換等が行われています。

 

(問)一般廃棄物処理業の免許を取得してないということですが、資格を取得することで一般家庭からも収集することが可能となり、まとまった量の廃食用油回収が可能となるのではないでしょうか。
(答)精製装置はバージンオイルを前提に作られています。実際に回収される廃食用油の性質は低品質の油であり、精製作業に数日間の期間を要して精製されるため理論値よりも低い処理能力となっています。したがって、若干の処理量の拡大は可能であると考えますが、現実的な処理能力の限界というハードルがあることも事実です。

 

(問)取組課題において事業の採算性及び維持管理費の低減をあげていますが、通常の収支状況はどのようになっているのでしょうか。
(答)経常的に係る経費としては、電気代、精製用触媒の費用があり、採算としてはプラスマイナスゼロといったところで損はしておりません。しかし、本来であれば人件費、機械の減価償却費、地代、家賃、その他事務費等が経費として計上していかなければならない訳ですが、私共の取組ではNPO会員、地域住民の方にそれらを負担・吸収していただいている状況です。したがって、本当の意味での採算性は赤字ということになります。
また、活動上なるべく県、市などの公的資金の補助を受けながらギリギリのところで事業運営しているような状況であります。

 

(問)BDF燃料を購入する側にとっては、二酸化炭素発生の削減に貢献している訳だが、購入者側に何らかのメリットを与えるような制度の要望等の意見が、関係者やサミット等の場では出ないのでしょうか。
(答)活動主体がNPO等であり組織自体の足固めがしっかりとできていないケースが多いことから、制度要求までには至っていないと感じます。本来であれば行政サイドに旗振り役をしていただき、それに対して民間団体等が支援していくような形が理想であると思います。

 

(問)遊休農地の有効活用という問題は、国としても重要な問題であるという認識があります。着実に遊休農地が増えている中、菜の花の作付は遊休農地を有効活用するという一つの手段として有効であろうと思います。菜の花プロジェクトについては、採算性を度外視して取り組んでいるということですが、コスト面の課題をクリアするための具体的な支援策についてどのようにお考えか教えていただけないでしょうか。
(答)菜の花プロジェクトにおいて、直接的な作業をしている「信州うえだファーム」の方が言うには、菜種の刈り取り作業に必要なコンバインの購入支援を行政サイドからいただきたいということです。当初は、会員の手作業による刈り取りを行っていたのですが、体を壊す人がでたため継続的な取組が困難と判断し、行政サイドに提案をした経緯があります。
また、菜種の搾油機がないために埼玉県寄居町のヤマキ食品に持ち込んで搾油していることから、同様の行政支援による導入を期待します。

 

(問)職業を持つ一般市民がNPO活動に参加する上で必要なことはあるのでしょうか。また、18年度より農水省で行う都市から農村への定住促進事業及び地域産業の連携事業等に関して、NPOとして関心をお持ちでしょうか。
(答)一般市民がNPOの活動に参加する中でこれが必要というものはなく、市民同士が知り合う場づくりをNPOが提供しており、NPOはその受け皿的なものを担っているに過ぎないと考えます。NPOとしての役割は、企業ではやらない、行政ではやらない、その中間部分をNPOが担っていくべきものであると考えています。
NPO活動の他にブティックを経営しており、商店街の振興組合にも携わっている関係から、中心市街地の活性化に向けた活動にも参画しております。商店街の衰退も進んでおり、八百屋さんがなくなる、肉屋さんがなくなる、魚屋さんがなくなることに伴い、地域の農業生産者との結びつきも必然的に少なくなっていってしまう。その状況を改善すべく、平成18年4月から商店街も合併するなどして対応していく予定です。また、今後も「まちづくり三法」の見直しを契機に、中心商店街の今後のあり方についても引き続き検討していくこととし、関係省庁の助成、補助についても検討していきながら、活力ある商店街の再生を図っていきたいと思っております。したがって、民間主導の補助金及び事業に対しては、積極的に取り組もうと考えております。

 

(問)輪タクについて、電力自転車を想像しているのですが、コスト、充電時間及び時間当たりの走行距離、太陽電池の充電時間補助動力装置について教えていただけないでしょうか。
(答)この輪タクですが単純にいうと、某メーカーの電動自転車を改造して走行させていることになります。某メーカーとの許可・契約等に約1年ほどの期間を要しましたが、総開発費として250万円、うち半分は長野県のコモンズ支援金の補助をいただき、残りの半分をNPOが資金調達して実施しております。なお、残り半分の当該資金については、そのほとんどを雨水リサイクル事業の装置販売金を資金充当しており、不足分をNPOの理事会で承認いただき、会員より出資していただく予定です。
充電時間等については、電動自転車のバッテリーと同様であり、フル充電状態で約1時間の走行が可能です。また、晴天下で充電しながら走行する場合、これに約プラス10分延長されますので、約1時間10分の走行時間が確保されることとなります。なお、予備バッテリーを3本持って走行することから、約1時間40分走行が可能となる計算となっています。

 

(問)菜の花プロジェクトにおいて、2.5haというある程度まとまった栽培農地の確保については、NPOで集約した経緯があるのか、もしくは生産者より自ずと提供していただいたのか教えていただけないでしょうか。(答)土地につきましては、先ほど言った農業法人の方が全部手配していただいているというか、私はちょっとそういうのはわからないので、全部お任せして探してきていただいています。

 

(問)廃食用油の処理量について、今後取扱量の増加見込みはあるのか教えていただけないでしょうか。
(答)実施主体としての実績に基づくノウハウも少しずつ蓄積されてきていることから、今後はBDF精製量を1~2割ぐらいは増やす予定です。機器の精製能力とのバランス関係もありますが、現状約2tの精製量を約2.5tぐらいまでは増やしていきたいと思っています。

 

 

                                      
【NPO畠中理事長】                                                                                                            【意見交換会の様子】

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