ホーム > 基本政策 > 豊かなむらづくり全国表彰事業 > 西浦江梨集落
沼津市江梨集落は、住民が約300人弱、この地域独特の地形である海岸まで迫る山裾の斜面を活かして栽培される日本を代表とする「西浦みかん」の産地である。みかんは、江梨集落全体の農業収入の約8割を占める基幹作物であり、沼津市の主要農産物となっている。
しかしながら、平成15年頃からイノシシ等の有害獣による農産物被害が地域に深刻な打撃を与えるようになり、農家は精神的なダメージを受け、耕作放棄寸前に追い込まれた農家がかなり出た。
そんな中、もともと団結意識の強かった江梨集落では、農家全員で話し合いを重ねた結果、みんなが恩恵を受ける「集落全体をひと続きに電気柵で囲む」アイデアが生まれ、この壮大な取り組みに向かって集落が一丸となり動き出したのである。
こうして、電気柵設置後、被害はほとんどなくなり集落全体に「やる気」が戻った。
日本一のブランドみかんを目指した栽培技術の向上、女性グループ「みかんの花」による加工品開発や直売活動、食育への取組みなど、地元で生まれた高品質の「寿太郎みかん」のPR活動等を通じ、生産拡大を意欲的に進めている。
また、活力ある集落を目指し、景観植物の植栽による観光客等への憩いの場の提供や、伝統文化の子どもたちへの伝承活動を通じて高齢者と若者との交流やふれあいを深めている。
特徴的取組事項 |
左記の具体的成果等 |
| ・市や県の補助制度や中山間地域等直接支払交付金を使い、イノシシ等からみかんを守るために電気柵の設置を行う。集落全体を囲む電気柵の設置ルートの総延長は、11kmにも及び困難を極めたが、最後には集落すべての力が集結し、わずか2日間という驚異的な速さで完成した。・電気柵設置後は、集落の組織を構成する江梨「部農会」により管理を行う。下草刈りや枝払いなどは毎日欠かせない作業であり、台風等により壊れた柵の補修作業は設置の何倍もの手間ひまが掛かる大変な作業となっている。 | ・コース選定から測量・下準備に至るまでの作業は、江梨部農会の正副会長他若手4名のわずか6名で行った。「むらを守ろう」という農民たちの熱意に他の住民も心を動かされて、集落すべての力が結集した。共通の価値観を持って取り組むことができた点が一番の収穫となった。
・「ひとつの目標に向かい集落がまとまりを維持する糧になっている。」との会長の言葉のとおり、電気柵設置までの苦難を乗り越えたことで、地域を守るための苦労を乗り越える術が培われた。 ・中山間地域直接支払制度は、この取組を進める上で大きな支援制度となった。地域住民との協働により電気柵が設置されたことは、集落の体制整備に向けた大きな力となった。 |
| ・日本一のブランドみかんを目指して、栽培技術の向上、地元産の「寿太郎みかん」の一層の品質向上と生産拡大に力を注いでいる。
・地元産みかんの知名度の低さや消費量の減少に危機感を感じた女性グループが立ち上がり、江梨集落の女性を含む「みかんの花」という女性グループが平成10年に結成された。「寿太郎みかん」を使ったジャムやサブレなどの加工品の開発や、イベント等による直売活動・消費者との交流活動を行っている。 ・高齢化が進む中、担い手育成にも力を注ぎ、江梨集落のベテラン農家が講師となり、毎年、女性を含め、江梨集落をはじめ西浦地域全体で30人程度の人を対象にみかん栽培講習会を開いている。 |
・平成16年度には、西浦みかんの平均販売単価(248円/kg)が日本一となり、さらに「寿太郎みかん」の栽培拡大に向けた意欲が高まった。
・約10年前の活動当初は、地元の人さえも「寿太郎みかん」を知らなかった。しかし、加工品による首都圏を中心としたPR活動を地道に行ったり、江梨のグループ員が地元の女性を対象に加工品の作り方教室や試食会を開くなどの活動により、ここ2、3年で地元住民をはじめ多くの人に知られるようになった。直売についても、JRの「キヨスク」から販売依頼が来るまでに知名度が高まった。 ・江梨集落では、今後一人の欠落者も出さず、後継者を育てて行きたいという結束力の強い集落ならではの思いがある。将来を見据えて、農事組合法人の設立も視野に入れている。 |
| ・美しい集落を作る取組みも積極的に行い、中山間地域等直接支払交付金を活用し景観保全活動に力を入れている。約4kmの県道沿いに水仙と桜の植栽を行っている。・地域の伝統文化を子どもたちや若者に伝えようという活動にも積極的に取り組んでいる。沼津市を代表する行事となった「大瀬まつり」で披露される「いさみ踊り」という伝統芸能を継承していこうという取組である。大正天皇を慰めるために披露したのが起源であるとされる厳粛な踊りは、踊りを覚えている高齢者が中心になり消防団や青年団と協力して保存してきた。一方、子ども達でも気軽に踊れるようにアレンジされた形が青年団を中心に考案され、伝承活動が始まった。 |
・水仙の植栽や清掃活動は、江梨集落が地元の老人会へお願いして行っており、地域への貢献を通じた高齢者の生きがい活動の場となっている。約4kmにも及ぶ桜並木の実現により、みかんとともに江梨集落の新たな観光資源になりつつある。 ・伝統を尊重しながら新しいことへの取組は、集落内での高齢者と若者との交流やふれあいが深まり、集落の活性化につながるとともに、若者に対してみかんを中心とした集落の産業や文化への理解を得る場となっている。 |
| ・江梨集落をモデルとした取組は、周辺の三浦地域全体にも波及し、集落全体を取り囲む「江梨方式」の電気柵は、平成19年度には総延長50kmにも及ぶ電気柵網となる。 |
・江梨モデルの成功は、周辺地域への大きな波及効果をもたらした。また、その波及効果は沼津市内にとどまらず、遠くは約100km離れた静岡県中部の川根町からも江梨集落へ視察に訪れるようになった。 |
|
【電気柵の設置】 |
【柵設置後の管理作業】 |
|
【水仙の植栽(景観保全活動)】 |
【大瀬まつり(みかん直売)】 |
|
【大瀬まつり(いさみ踊り)】 |
【マルチ栽培導入(技術革新)】 |
![]()
企画調整室
代表:048-600-0600(内線3109)
ダイヤルイン:048-740-0309
FAX:048-600-0602