1.近代までの開発
那珂川の沿岸では、温暖な気候と肥沃な土壌を活かし、古くから豊かな農業が営まれてきました。沿岸の開発が大きく発展したのは、水戸に城下町が築かれた江戸時代以降のことです。御三家として重要な立場を与えられた水戸藩の手により、那珂川沿岸では、現在の原型を形作るような大規模な開発が進められました。
1610年には、那珂川の豊かな水を引き、右岸の低地を潤す大用水「備前掘(びぜんぼり)」の開削が実現します。1656年には、左岸の河岸段丘上でも、一帯を潤す大用水「小場江(おばえ)用水」が開発され、これらの水利施設は、三百年以上が経った現在も利用され続けています。
戦後の昭和20年代以降には、洪水被害の頻発していた那珂川に治水整備の手が伸ばされました。昭和42年から47年にかけて行われた県営かんがい排水事業では、修築が繰り返されていた小場江堰(おばえぜき)の改築が実現し、小場江堰は、現在の近代的な可動堰、小場江頭首工として生まれ変わりました。
備前掘の風景
小場江頭首工
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那珂川沿岸農業水利事業所
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