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関東農政局

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さらに詳しく 満州帰りの技術者の活躍

  愛知用水の関係者に「日本の農業土木も大したものだ」と言わしめた両総用水。しかし、総延長78kmという大きな水路は、日本の技術者としても初めての経験でした。

  実は、この工事を可能にしたのは、満州帰りの技術者たちでした。戦争前の日本は、台湾、朝鮮半島、中国大陸(特に満州)と進出しており、外地の食料増産のために国内とは比較にならないくらいスケールの大きな農業土木事業が行われていたそうです。

  例えば、満州の吉林(きつりん)では10万haの水田造成事業、北満州における2つの巨大ダム、合計20万ha近い6地区の湿地開拓調査、遼河地区の約13万haにおよぶ土地改良調査、56万haの黒龍江省の日本人開拓地など。農業土木技術者(学会員)の約3分の1が、こうした未開の原野の開発に取り組んでいたそうです(資料はいずれも『両総土地改良区史・中巻』より)。

  敗戦後、彼らは日本に働き口があるのかどうか不安な思いで引き揚げてきましたが、この両総事業を知り、優秀な技術者たちが我先にと押し寄せ、多くの人が採用されたとのこと。

  余談ですが、ある技術者は「満州にも見ない荒野」と驚き、「これなら我々の生きる道も先が見えた」と語っています(『両総土地改良区史・中巻』)。

  当時の利根川(とねがわ)河畔や九十九里(くじゅうくり)平野の有様を雄弁に物語っています。


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