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国営かんがい排水事業「利根中央地区」の事後評価【第44号】

1.国営土地改良事業の事後評価

農林水産省では、国営土地改良事業の効率的な執行などの観点から、事業完了後概ね5年を経過した国営土地改良事業実施地区を対象として、当該事業実施による効用や施設等の利用状況についての評価(事後評価)を実施しています。

今回は、平成22年8月に事後価結果が公表された国営かんがい排水事業「利根中央地区」の評価概要について紹介します。

  

2.「利根中央地区」の概要 

  

 事業目的   

本地区では造成後20余年を経た農業水利施設の老朽化・機能低下が顕著となり、取水や適正な配水が困難な状態になっていた。また、都市部の水需要の急増に対し新規水資源開発が困難な中で、都市近郊における農地転用の状況から、農業用水の合理化によって生み出される水を都市用水に転用する農業用水合理化事業への要請が高まっていた。

このため、都市用水事業と共同して用水系統の再編成や水利施設の整備を行い、農業用水の安定供給、維持管理の適正化を図り、農業経営の安定化、近代化に寄与するとともに、本事業の実施によって生じる農業用水の余剰水を都市用水に転用することを目的として事業が実施された。
 関係市町  埼玉県加須市、春日部市、羽生市、草加市、越谷市、久喜市、八潮市、三郷市、幸手市、吉川市、南埼玉郡宮代町、北葛飾郡杉戸町、松伏町(10市3町)
 事業期間  平成4年度~平成15年度(完了公告:平成16年度)
 受益面積  11,306ha
 主要工事  水路改修119km、揚水機場2カ所 他
 関連事業  水資源機構営事業、県営ほ場整備事業2地区、水道水資源開発施設整備事業等

 【利根中央地区 位置図】

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※画像をクリックすると拡大表示されます。(PNG:101KB)

 【水田地帯と都市化の進展】

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3.「利根中央地区」の事後評価 

  

本地区において造成された農業水利施設は有効に活用され、適正に管理されているとともに、以下の(1)~(6)による事業効果が発現しているとの評価結果となりました。

(1)農業用水の安定供給と水管理の合理化

本事業の実施により、機能低下を来していた農業水利施設が改修され、農業用水の安定供給が図られているとともに、整備された施設を一元的に管理するための利根中央総合管理所が設置され、本地区全体の一元的な水管理体制が確立され、水管理の合理化が図られている。

 

 

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葛西用水路(加須市)

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金野井揚水機場(春日部市)

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利根中央総合管理所 監視室

(2)大規模水田農業地帯の形成と多様な営農の展開

本事業によって農業用水の安定供給が図られたことにより、優良かつ大規模な水田農業地帯が形成され、水稲と野菜との複合経営も進んでいる。また、関連事業としてほ場整備が行われた地区では、水稲作における作業時間の節減が図られている。

(3)農業経営基盤の強化

本事業実施後、認定農業者や男子生産年齢人口のいる専業農家が増加しており、また、大規模な水田農業経営や水稲と野菜との複合経営等先進的な経営事例もみられるなど、優良経営体は確実に増加している。

(4)農業用水合理化による水資源の有効活用

農業用水の合理化により生み出された余剰水を都市用水(埼玉県と東京都の上水道)に活用し、水資源の有効活用が図られている。

(5)農村景観及び環境の保全

本事業において環境との調和に配慮した施設整備が行われたことにより、景観や生態系の保全が図られているとともに、こうした施設は総合学習の場としても活用されている。

 

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あじさい水路(島中領幹線用水路)

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総合学習の様子(加須市)

(6)都市住民との交流の活性化

本事業実施後、農業体験、清掃活動、イベント等を通じた都市農村交流活動が活発化し、こうした活動は農業水利施設及び農業・農村・農業用水の持つ多面的な役割の理解に役立っている。

 

 

 

(平成23年3月受稿) 

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