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1. 農業水利施設のストックマネジメント

はじめに

 農業水利施設の「ストックマネジメント」が平成19年度からスタートしました。

 国営土地改良事業等によって造成された基幹的な農業水利施設は、ダム頭首工、用排水機場等が約7,000箇所、用排水路等が約45,000kmで、これらの基幹的な施設とその他の施設を合わせた資産価値は、再建設費ベースで約25兆円にものぼる社会資本ストックとなっています。

 

※農業水利施設の再建設費ベースによる評価算定。基幹水利施設は、100ha以上の農業水利施設である。

 

 これらの基幹的な農業水利施設の多くは、今後、更新時期を迎えることとなり、従来の一括更新を行うのではなく、補修・補強などにより施設の長寿命化を図り、ライフサイクルコスト(建設・維持管理等にかかる全てのコスト)を低減し、既存ストックの有効活用をすることが求められています。

 

注:土地改良事業の経済効果算定に用いる標準耐用年数により、耐用年数に達したものは更新されるものとして作成。

資料:「基幹水利施設に関する実態調査(平成15年3月土地改良企画課調べ)」による推計(平成17年10月作成)


老朽化が著しく破裂したパイプライン

継目損壊による漏水状況

 

 利根川水系土地改良調査管理事務所では、平成16年度より保全技術センターを設置し、農業水利施設の予防保全対策のためのストックマネジメントについて、現場で効率的に運用するための具体的かつ実務的な手順や手法を取りまとめた「農業水利施設ストックマネジメントマニュアル」の作成やストックマネジメントの実施・普及において、技術面でのサポートなどの各種の支援をしております。

 

ストックマネジメントの概要と進め方

 既存の農業水利施設を出来るだけ長期間にわたって使い続けるためには、施設の劣化状況を把握し、その劣化の進行が致命的になる前に予防的な工事を行うなど、適切な時期に対策を施すことによって施設の寿命を延ばす必要があります。

 このための維持管理のあり方から補修・補強工事の計画の策定をすることを「農業水利施設のストックマネジメント」と言います。

 農業水利施設のストックマネジメントは、図のような「基本フレーム」に沿って進めていきます。

 これは、農業水利施設の状態や評価、将来の予測などをできる限り定量的な数値で把握しようとするものです。このデータの蓄積を行い、数値分析を行うため、「農業水利ストック情報データベースシステム」を開発し、平成19年度からインターネットを介して、運用を開始しています。

 


 

農業水利施設のストックマネジメント実施

 「農業水利施設のストックマネジメント」の流れは図のように、施設の日常管理から始まり、(1)基幹的な農業水利施設の状態を定量的(一部定性的)かつ定期的に把握(機能診断)し、(2)施設状態の劣化進行の予測を行い、(3)予防保全対策の実施時期の検討及び工法の検討及び選定を行います。この過程において、(4)「農業水利施設のライフサイクルコスト」の縮減を考慮して、工事費及び維持管理費等に要する全ての費用が年効果額からみて経済的になるシナリオを選定し、(5)農業水利ストック有効活用に資する施設の最適運用計画を作成、という順に進められ、この流れを繰り返し行っていくことで、適期に適切な対策を講じ、施設の長寿命化を図り、維持管理費を含めたトータルコストを低減するものです。

 

取組方向

 このストックマネジメントの核となる「農業水利ストック情報データベースシステム」には全国で実施される機能診断の結果や事業実施時の補修・補強工法の結果等の情報が一元的に蓄積されます。これらの情報は、今後の機能診断実施時に必要な初期値情報、劣化要因の特定、将来の劣化予測等の精度向上のための情報として分析・評価され、その成果を現場にフィードバックさせ、ストックマネジメント技術の確立や総合的に支援する情報として、有効活用していくこととなります。

 

 

「農業水利ストック情報データベースシステム」のページへ

 

 

 なお、関東農政局整備部のページでも「ストックマネジメント」の概念を紹介したコンテンツを設けていますので、あわせてご覧ください。

「農業水利施設のストックマネジメント」のページへ


 

 

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