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11.農地を守る

 

 さて、これまで「農という資源をつくる」ための様々な手法を述べてきました。しかし、「つくる」だけではなく、この資源を「守る」ことも大切な役割です。

 現在、日本の水利施設の総資産は、約25兆円と試算されています(同じ物を現在価格で造り直した場合の試算)。これらの歴史的遺産や近代的施設を現在も守り継承しているのが「水土里ネット(土地改良区)」という組織であり、一定のまとまりを持つ農家で運営されています。同じ水路の水を使う農家が集まり、比較的小さな共同体で分散管理がなされている場合が多くなっています。その数は全国で約6,500。

 今日では、その水利資源を生かして、農業用水路を使った小規模水力発電を行なったり、環境用水として整備したり、農村の公園を創出するなど、さまざまな活動を行なっています。環境への対策を熱心に行なっている水土里ネットも数多くあります。保安林を所有して、山林と用水の一体管理を行なったり、景観に配慮した水路や池の工事を行なったりして、周辺地域の美観改善につとめるなど、事例は挙げればきりがありません。

 日本に40万km(地球10周分)あるという水路は、この水土里ネットが管理しています。この広大かつ精緻なネットワークが、日本の国土を創り、日本の水を創り続けているのです。
 


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