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伊吹だいこんが栽培されている米原市伊吹町上板並地区は、県の北東部、伊吹山のふもと姉川の川沿いの丘陵地帯です。伊吹だいこんは、この上板並地区、下板並地区、大久保地区などに伝えられてきた伝統野菜です。伊吹だいこんは、近年その独特の形や色と辛みのある味から「まぼろしの伊吹だいこん」として最も注目を浴びている滋賀県の伝統野菜です。 |
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伊吹だいこんは、伊吹町大久保地方に「峠のだいこん」として、自家採取により引き継がれてきたものです。15cmから25cmほどの小型のだいこんで、尻づまり型をしています。この最大の特徴は、だいこんの茎の部分が少し紫色を帯びた美しい色をしていることと、薬味などにも使える独特の辛みがあることです。 伊吹だいこんの栽培は、普通のだいこんと変わりません、8月下旬に種をまき、10月下旬から収穫を始めます。寒さには強く、厳寒期でも、肥大・生育します。また、病気や害虫に強く、ほとんど農薬などで防除を行うことなく作ることができます。 |
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| 地元では、このだいこんを煮物から漬物、大根おろしと何にでも利用します。少し前までは、この地域では、作りやすく、何にでも利用でき、味も良かったことからこのだいこん以外は作っていませんでした。収穫は、大きいものから順に収穫していきます。伊吹だいこんは、地元では「けっからしだいこん」とも呼び、これは、収穫のとき、蹴ってだいこんを掘り起こすことができるほど、根が浅く入っていることからこのように呼ばれたといわれています。 | ![]() |
| 独特の辛みは、おろしそばに最も適しており、伊吹だいこんのおろしをたっぷりとかけたおろしそばは、だいこんの辛みがそばの味を引き立てます。このあたりの石灰質の土質と山間の温度差が辛みを生むといわれており、この地域以外のところで作ってもこの辛みがでないといわれています。肉質は緻密でややでんぷん質で、貯蔵性がよいのも特徴です。漬物にしても、水分が少なく堅くしっかりしており、伊吹だいこんで作った漬物は、歯切れが良く甘味があります。また、煮物にしてもやわらかく煮えるうえに、くずれにくく、味も良くしみこみ、たいへんおいしく煮えます。最近の食べ方では、ポン酢とともに鍋物の薬味に利用するとしゃぶしゃぶなどでさっぱりとおいしく食べられます。 | ![]() |
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市場には出されておらず、ほとんどは、自家用に小規模に栽培されています。冬期スキー客が泊まる民宿むけの漬物などに利用されていたり、そばやなどでおろしそばとしてだされています。また、秋から冬の収穫期には、農産物直売所などでも販売されています。伊吹だいこんで作った漬物も直売所等で販売されています。伊吹だいこんは、同じ地域の伊吹そばの復活と同時に幻のだいこんとして多くのメディアで取り上げられ有名になりました。このことから、大手スーパーや京都の市場、大阪のそばやなどから扱いたいとの申し出があるそうです。 伊吹だいこんをおろしにして食べてみると、同じ辛さでも、甘味があり、いやな辛さではありません。一本の中でも普通の青首大根と同じように辛いところとそうでないところがあり、全体には辛いだいこんというよりは、むしろ味が濃く、しっかりした味がするだいこんといえます。 また、この辛みも、水っぽくなく、辛すぎず、甘味もあり、バランスが良くおろしそばにするには本当に適しただいこんといえます。 |
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伊吹だいこんというと、その辛みが注目されていますが、食べてみると辛さもさることながら、しっかりとした肉質とその甘味が特徴で煮物や漬物など幅広く利用できるだいこんといえます。幻のだいこんとして自家採取が中心に維持されてきた品種だけに地域や家ごとの違いも大きい品種でもあります。いろいろな良い特質を持っているだいこんだけに、固定した品種として守っていきたいものです。