ホーム > 大津地域センター、東近江地域センター > 再発見!滋賀の伝統野菜 > 滋賀の伝統野菜:小佐治もち
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甲賀市甲賀町は、県の南東部に位置し、鈴鹿山系を堺に三重県と接地しています。小佐治は甲賀町の北部、周囲を小高い山に囲まれ、その谷合と佐治川沿いに水田が続いていいます。 水口町から小さな峠を越え小佐治の集落に降りていくと、田んぼの色が違って見えます。田んぼの色が少し緑がかった灰色をしています。これは、この地域が、600万年前までは琵琶湖の湖底であったため水田が強い粘土質であるためだそうです。この粘土質の水田が良質のもち米を育てます。 小佐治のもち米はその品質の良さから、古くから「佐山もち」として有名で、大正時代から京都や大阪でも広く知られ、京都の歌舞伎座の鏡餅は昔から小佐治のもち米で作られていたそうです。戦後は、ここのもち米から作ったもちが毎年宮中に献上され、昭和天皇も食されたそうです。 |
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品種は、主に滋賀羽二重糯が作られています。この品種は、昭和13年に滋賀県農業試験場で開発された晩生のもち米で、餅に加工したときの評価は高く、滋賀農業試験場が戦前に生み出した傑作といわれています。佐治の土壌とこの品種の特性が相まって、小佐治のもちが生まれます。 |
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小佐治の水田は、現在では、ほ場整備がされ水はけも良くなりましたが、昔は、1年中田に水がたまる、農作業をするには大変厳しい水田でした。足がしずまないようにするため、前年に山からとってきた地元ではヌリと呼ばれる粘土が固まった岩を細かく砕き、水田に客土として入れます。このヌリには、昔の湖底の堆積物であったことから肥料分にも富んでいます。 この粘土質の土壌が小佐治の滋賀羽二重糯をそだてます。小佐治のもち米で作った餅は、粘りけがあって腰があり、歯ごたえもあります。また、羽二重の名の通り絹の織物のようにきめが細かいのが特徴です。 |
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小佐治では、この餅を特産品にするため、昭和62年に「小佐治餅加工グループ」が作られました。平成7年には、餅の加工や販売を行う「甲賀餅ふるさと館」がつくられ、ここで小佐治でとれた滋賀羽二重糯を加工し、鏡餅やまるもちなどを販売しています。ほかにも、独自に開発した、みかん、ごま、よもぎ、赤じそなどを入れ白い餅を含め5種類の餅が入った「五色もち」や、煮ても溶けにくい小佐治の餅の特性を生かし、鍋ものなどに入れて食べる「しゃぶしゃぶもち」など新しい餅の加工品も販売されています。また、変わったものでは子どもの1歳の誕生日を祝う「尻あて餅」と呼ばれる鏡餅なども販売しています。この地域では、子どもの1歳の誕生日に、1升の餅米で作った大きな餅の上に小豆を10粒ほ埋め込んだ鏡餅を作り、子どもに背負わせて、かまどで使う火ふき棒を杖代わりにして歩かせ、子どもが健康に育つことを願う風習があり、その時に使う鏡餅も注文があれば作っています。かきもちやおこわなども販売しています。小佐治のもち米は、味はよいのですが、かき餅にするにはきめが細かすぎて、乾燥する時に割れてしまい、かき餅には加工しにくいもち米だそうです。 |
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ふるさと館で販売されている、餅を食べてみると、ひとくちでその違いが分かります。噛んでみたときのなめらかさ、きめが細かくて、それでいて簡単には溶けてしまわない腰もあります。餅にそんなに違いがあるとは考えていませんでしたが、食べてみるとやはりスーパーなどで売っている大量生産の餅とはまったく違います。この餅を食べると、白く柔らかく、昔の人が感じたように、餅がハレの日を祝う特別の食べ物であることがわかるような気がします。水はけが悪く、米を作るには、本当に厳しい小佐治の田んぼから、それに報いるだけの白く柔らかなもちができる、自然のありがたさを感じるもち米です。 |
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