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近畿農政局

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「近畿地域食育実践者等の交流会」概要

平成28年2月26日に京都テルサ(京都市)において、「近畿地域食育実践者等の交流会」を開催しました。交流会では、近畿の各地域で食育を実践する方々をはじめ121名の皆様にご参加いただき、龍谷大学教授の宮崎氏の基調講演、食育実践者の活動事例の報告、パネルディスカッション等を行いました。

 以下に交流会の概要をご紹介します。 

 
基調講演

  『食と農への理解と健全な食生活』

 宮崎 由子 氏 (龍谷大学 農学部 食品栄養学科 教授)

 
 食育実践者による取組事例 

 紙森 美保 氏(市民生活協同組合ならコ-プ 常任理事)

 下田和 敬二 氏(紀の里農業協同組合 営農部 部長)

 齋藤 優子 氏(生活協同組合コ-プこうべ  教育学習センタ- 担当係長)

   齊藤 典加 氏(NORICA STYLE株式会社 代表取締役)
 

パネルディスカッション 

会場の様子

  基調講演

宮崎 由子 氏(龍谷大学 農学部 食品栄養学科 教授)

食と農への理解と健全な食生活  宮崎先生

  • 食と農の問題点として、食料の安定的な確保の問題、国内農業の弱体化、農業従事者の高齢化、農村社会の崩壊、カロリ-べ-スで約39%となっている食料自給率の低下、食料の偽装問題等、農に関する問題点がある。一方、食に関する問題点としては、食生活の変化と健康問題、技術革新と食品安全性の問題、食習慣の乱れや平均寿命と健康寿命の乖離、また、伝統的食文化の喪失といったことが掲げられている。
  • 健やかに成長していくためには、適切な運動、バランスのとれた食事、十分な睡眠と休養、規則正しい生活習慣を身につけることが重要である。この中で特に生活習慣の乱れが学童期や中高生に起きており、学習意欲の低下や体力・気力の低下の原因となっている。また、生活習慣の乱れにより就寝時刻が遅くなり睡眠時間も短くなっていることが、朝食の欠食や午前中の不調に結びつき、その結果、成績にも悪影響を与えている。このことから、朝食はきちんと食べる、そのためには早く寝て、規則正しい生活習慣を身につけることが重要となっている。
○第3次食育推進基本計画が策定される
〈若い世代を中心とした食育の推進〉
  • 子供達の基本的な生活習慣を形成するため、早寝早起き朝ごはん、生活習慣を育成して生活のリズムを向上させましょう。また、望ましい食生活や知識の習得をするため、子供が自分で料理をする体験や、親子での料理教室、食を楽しむ機会を提供しましょう。子供・若者の育成支援における共食等の食育推進ということで、家庭で食卓を囲んで共に食事をとりながら、コミュニケ-ションを図りましょうと目標が掲げられている。
〈多様な暮らしに対応した食育推進と健康寿命の延伸に繋がる食育の推進〉
  • 勤労者は、仕事・人間関係など様々なストレスを感じている。そのため、仕事上の負担は身体的なものばかりでなく、むしろ精神的な負担がストレスになり深刻化している。ストレスは、ストレッサ-(ストレス因子)により、ストレス反応が起こって、それにどう対処するか(コーピング)によって、人それぞれ異なる。実際にこの3点から調査をした結果、ストレスを感じている人が相当数いることが見えてきており、ストレスの内容には、仕事問題、人間関係の問題が上位となっている。ストレス反応とストレスの原因になっているものを因子分析すると、仕事の興味がなくなる、過度の圧迫感、人と上手くやるのに疲れる、能力不足が因子として出てきた。このことにより、抑うつ感だったり疲労感、循環器系の不調、腹が立つという怒りや不安感というストレス反応がおこり、これらを重回帰分析した結果、人とうまくやれなければうつ状態になる。能力不足を認識すれば抑うつ感が増し疲れてくるというようなことが見えてきた。
  • 一方、食生活とストレスの関係については、食事を一人でとる方は、圧倒的にうつ状態の方が多くなり、朝ごはんを食べないグル-プの方は抑うつ感が強くなる。また、睡眠不足だと抑うつ感になるということが見えてきた。睡眠時間が足りないと循環器系の不調も関わってくる、さらに、食べものの好き嫌いが多いと循環器系の不調もあるという相関関係がでている。和食を好まない人、洋食が多い人は、意外とうつが多いという結果がでている。このことにより和食が良いということが言え、睡眠時間はちゃんと取らないとこのようなストレス反応が起こってくることが分かってきた。
〈食の循環や環境を意識した食育の推進〉
  • 私の勤務する龍谷大学農学部においても、農学の分野で食べる立場に立った学問、作る立場に立った学問に着目し、全員が農業を体験することとし、田植えから収穫、食べることも含めた「食の循環実習」に取り組んでいる。作ったもち米で餅つきをしたり、米粉からクッキ-を作ったり、米糠を活用して漬物にしたりと食の循環をどのようにして食育に繋げていくのかを学んでいる。
〈食文化の継承に向けた食育の推進〉
  • 食文化はとても大切なもので、食文化を高める条件として料理の色彩は、食欲を引き出す上で大切である。赤、緑、白、黒それぞれに該当する食材を組み合わせることにより、食文化は繋がっていく。また、味付け、盛り付け、香り、これらも食文化を高めていくための大切なものである。食文化を繋げていくものとして、私は小学生を対象にいわしの手開きを教えている。魚は学校給食で嫌いな食べもののひとつであるが、なぜ嫌いかと言えば骨があるからである。この手開きで骨は簡単に取れるということを食育することで、子供達は魚を食べ始めてくれる。また、つみれにして味噌汁に入れて食べる方法も活用している。このことにより、子供達は魚を食べられるようになり、偏食を改善する実践につなげている。
○まとめ
  • まず一番大切なことは、食事バランスガイドを活用し、何をどれだけ食べたら良いのかを知ること。和食を食べているとストレス解消になるとともに、伝統食の効能を知ることや香味野菜を取り入れ減塩することが、生活習慣病の予防につながる。3世代を交えた食事の実施や簡単な調理方法を普及させる等、健康な食事を普及させることが、食育の中でも重要であると考えている。
 

 食育実践者による取組事例 

紙森 美保 氏(市民生活協同組合ならコ-プ 常任理事) 

 紙森

  • 生活協同組合の立場から、食育活動は商品活動を通じてということになる。より良いものをより安くを合言葉に、商品学習や商品開発、商品普及などに取り組んでおり、生産者や取引先、消費者のみなさんとコミュニケ-ションを取りながらの活動ということになる。利用する私たちが、どんな人達がどのように作ったものを利用しているのかということを実際に目で見て、学習しながら自分たちの商品を選んでいるということになる。
  • 商品がどのようにして作られているのか、どんな人達が作っているのか、また商品の内容成分はどうなっているのか、しっかりした材料が使われているのか。こういったことについて体験し学習するための取組を実施している。親子体験型の生協牛乳のふるさと体験ツア-では、牧場に出向き、牛がどんな風に飼われていてどんなものを食べて、どのようにして工場の中で製品になっていくかということを親子で体験してもらっている。また、成分表示の学習や循環型酪農について学ぶなど、様々な体験をしていただいている。
  • 一方では、お米の体験としてバケツ稲栽培にも取組んでいる。また、奈良県にダムが出来、その「分水」からどのように水が流れ米ができているかを学ぶ「分水ツア-」も実施している。さつまいも掘り体験では、実際に畑に出向いて行っているが、瞬く間に参加者の顔が笑顔になって交流も進み、楽しい時間を過ごしていただいている。
  • 食の安心・安全の仕組みの学習のために、産地交流を実施し、実際に農家からお話を伺い、商品の出来る過程での苦労話や工夫していること等を聞かせていただいている。また、産地点検として、契約栽培等をしている農家等に出向き、その商品の仕様が守られているのか、道具等の管理は適切にされているかについて、農家からお話を伺うことにより、商品がどのように出来るのか、理解を深めていただいている。
  • 商品活用術として、奈良県が作成した「ゲンエモン」というキャラクタ-が登場する紙芝居を展示した減塩の啓発活動や、奈良の伝統野菜を紹介している。もちろん調理実習も実施しており、親子型、ダイエット型、減塩型、季節にあった料理等、様々なテ-マを設けて実施している。
  • 様々な情報があふれている中で、自分たちがどのように商品を使って、食卓にのせていくのか、自分たちの食をどのようにコ-ディネートしていくのか、消費者の私たち自らがわかるような学習会や取組を実感できるようなものにして、取組を進めている。これからも、そのこと自体を楽しみながら活動していきたいと思っている。
  

下田和 敬二 氏(紀の里農業協同組合 営農部 部長) 

 下田和

  • 農協という立場から一番大切にしている農業、それが生み出す食というものを、ただ単に作ってお届けするのではなく、その農産物の持つ魅力、重要性、命の源、そういうことも一生懸命伝えていこうと、多く のみなさんの協力を頂きながら活動を進めている。
  • 和歌山県という気象条件に恵まれた周年供給産地で、果樹を中心に野菜、花、米等があり、また、大消費地である大阪に接しているという特徴を生かすため、農産物直売所「めっけもん広場」を交流拠点として活動している。
  • 食育を伝えていくための手法として体験農業に取り組み、農家を主役に、一般消費者の方、地域の子供達、都市部の方々に、農業の持つ魅力を伝える。年間で3,195人の方々と交流をしている。さらに、平成27年度には国の補助事業、「消費者ニ-ズ対応型食育活動モデル事業」に取り組み、様々な消費者ニ-ズを的確に捉えたモデル的な食育を効果的、効率的に伝える活動を行っており、その一部を紹介する。
  • 農家の方々を主役に立て、我々農協職員はコーディネ-ト役として企画・マッチングをし、様々な業種とも連携し体験ツア-を企画している。JR大阪駅構内で桃の販売促進をした際には、同時に産地を訪ねていただくツア-を仕掛け、実際にバス1台分、多くの方に和歌山まで日帰りツア-にご参加いただいた。
  • 秋には親子を対象にしたみかん狩りをメインに、JAの選果場や施設を訪問していただき、流通の勉強も一緒にしていただく企画も今年初めて実現した。また、近い将来、子供達に食育を伝える立場にある学生、食のプロを目指している方々等に地域の実態、産地の実態を感じとっていただくため、大学や各種教育関係機関とも連携し食と農の体験ツア-を企画、収穫体験や関連施設の見学等、座学も交えて実施した。
  • 「めっけもん広場」のイベント広場では、米を使った和食に関する催しを実施した。店内において、昔ながらの薪と羽釜で炊いた炊き込みご飯をふるまうと共に、近隣の子供達におにぎりを握って食べてもらい、ご飯の感触などを楽しんでいただいた。環境保全活動と健康増進活動を交流イベントとして融合した「れんげDEウォーキング」では、ウォ-キングして地域を散策した後に、めっけもん広場の周辺の田んぼにれんげの種を蒔いていただき、そして、翌春には周り一面がれんげ色になるという、こんなイベントを今年初めて実施した。参加者からは、来春、もう一度集まろうという話が持ち上がり、大変好評であった。
  • こうした体験活動が様々な気付きに繋がるのではないか。農業を一生懸命頑張って、農産物を届ける産地として、食育を伝える活動も推進して参りたい。
  

齋藤 優子 氏(生活協同組合コ-プこうべ  教育学習センタ- 担当係長) 

齋藤優子

  • 社会活動家の賀川豊彦氏の指導により、貧しくなった人にいくら手を差し伸べても根本的な解決にならない。そうではなく貧しくならない仕組みを作ることが大事だということで推し進めたことの一つが、この生活協同組合の運動である。大正13年に家庭会という組合員の主婦による自主組織が立ち上がり、冷蔵庫の無かった時代の瓶詰めの講習会や正月の重詰の料理講習会といった食生活の活動など、古くから組合員の興味、関心に基づいて展開されてきたという歴史がある。
  • 食育の歴史も長く、基本の姿勢は安全・安心の食品を組合員に提供する、組合員はその食材を使ってどのように食べるかを考えていく、という2つを基本として取り組んできた。組織が大きくなる中で、1985年からキャンペ-ン型の食育活動を展開し、2001年までは、赤、緑、黄3色揃えてバランス良く食べましょうということで、専業主婦の世帯が多かった時代を反映して、「主婦は家庭の栄養士」ということで推進していたが、時代の変化の中で2006年以降は子供から大人まで家族一人一人が、自分の食に対して、どんな食を選べばいいのか、健康のためにはどうすればいいのか、ということを考えるような取組を進めてきた。
  • 現在の具体的な活動は、各店舗において子供達の料理会、旬の食材の料理会、メタボリックシンドロ-ムなど健康をテ-マとした料理会等を開催している。また、コ-プ商品の産地見学として、麦踏み体験、田んぼの田植えから田んぼの多面的機能の学習として生き物調査、稲刈りの3回シリ-ズのあと、かまどでご飯を炊くなどの取り組みをしている。
  • これまで、別々の部署において活動をしていた食と環境の活動を一体化させ、暮らしとそれを支えているものとの繋がりを考え、自分たちがどんな暮らしをしていくかを考えていこうといった取組に2013年度から着手している。2014年度には、農林水産省の補助事業「フ-ドチェ-ンを通じた兵庫の漁業・魚・漁食に関する食育活動の実践」に取り組んだ。店舗での実演講習会や現地見学を通して豊かな海・漁場を再生させるために漁業関係者が努力されていることを学び、そのような努力に支えられている漁業が、消費者が魚を食べないことで産業を持続することも出来なくなってしまうこと、産業が持続できないと受け継いできた食文化を次の世代に伝えることも出来なくなることについて学び、考えることを重視し、漁業を支えている人達、魚のこと、魚食についての学習に取り組んできた。その上で地元の魚を選ぶかどうかは消費者の自由であるが、知らないで選ばないのと、知って選択するかしないかの判断を委ねるのでは全く違うということが、この取組を通して分かった。こういった産地見学、料理会等に年間57,000人の方にご参加いただき、アンケ-ト結果から見ても大きな成果があった。今年度は農業や林業にも幅を広げ、一次産業のことを知っていただき、その上で私たちがどう暮らすかを考えるということを大切にした活動を今広げている。
 

齊藤 典加 氏(NORICA STYLE株式会社 代表取締役) 

齋藤典加

  • 「食養」という言葉で、京都府の綾部で活動をしている。阪神大震災で被災し綾部に引っ越したのがきっかけで、田舎暮らしを始めた。田舎には田舎の素晴らしいものがたくさんあり、それを都会の方に気付いていただきたいという思いから、地域が上林ということもあり、「きらり上林」として活動を始め、それが会社となり現在に至っている。
  • 食べ物には、役割があり、体を温めるもの冷やすもの、体の組織や内臓などを締めたり緩めたりするもの、血液を造るものもあれば壊すものもある。そして、血液を濃くするものと薄くするものがあるということを、みなさんに知っていただけたらと思う。
  • 日本人の食育は西洋化しているのではないか。本当に大切にしなければいけないのは日本人であることを忘れてはいけないということ。日本人がどんな食生活をしていたのかといえば、旬のものを食べており、旬のものほど薬になるものはない。そして身土不二、これは地産地消という言葉が馴染んでいると思うが、自分の土地と自分を掛け離してはいけないということ。そして、一物全体、皮も根もいただく。今はにんじんでも大根でも葉っぱの先端を捨ててしまうが、そういう部分も大事であって、野菜の皮を食べると皮膚も丈夫になる。また、主食と副食という文化があるのは日本だけである。主食はお米であり、このお米をしっかりと食べること。今「減塩」がすごく叫ばれているが、減塩しなくてもいい人まで減塩している状況にあり「適塩」をしないと、体の調子が優れないことがある。
  • 一汁一菜をすすめてはいるが、決しておかずを一品だけにするということではなく、目安を言っている。自分が食べておいしいと思うあんばいにしなさいということ。そして生食をしないこと。昔の日本人はサラダを食べていない。和え物にしても煮物にしても炒め物にしても味噌汁にしても全部火を通して料理をしている。生食で料理をしているのは、塩を使って漬物にしたり、塩で野菜をしめるなど。次にご飯は3分搗き米とか5分搗き米というように分搗き米にすれば、ビタミンやミネラル、食物繊維もある。体温36.5度をつくるのはお米である。ぜひお米をしっかり食べていただきたい。栄養が良いという事で栄養をたくさん摂るような時代になっているが、実は今の時代は、アレルギ-にしても癌にしても、心臓病にしても糖尿病にしても、栄養過多が原因である。これを直そうとしたら、やはり食事を一汁一菜にしていくことでかなり改善できるということを食養で伝えている。
  • 野草に関する農業体験を行っている。野草フィ-ルドでどのように野草があるのか、どんな野草が食べられるのか、どうやって食べたらよいのか等の活動を行っている。また、野菜は自家採種した自然の野菜を食べることが大切である。こうした活動を神戸と綾部で実践している。  

 

パネルディスカッション 

テ-マ                「食育を実践する上での工夫、課題等について」

コ-ディネ-タ-   宮崎 由子 氏

パネルディスカッションパネリスト            紙森 美保 氏

                           下田和 敬二 氏

                            齋藤 優子 氏

                            齊藤 典加 氏  


(コ-ディネ-タ-:宮崎氏)
  • 食育を実践する上で一番苦労したことをお聞きしたい
 (ならコープ:紙森氏)
  • 多様化する組合員のニ-ズや声に対し、何が求められているのか、どのような形で応えていくべきか苦労することが多いが、組織の中で工夫し、活動している組合員と話す場を設け、それぞれが意見を出し合って実践に繋げている。
(JA紀の里:下田和氏)
  • JAの職員は裏方であり、コーディネ-ト役に徹している。あくまでも主役となるのは農家であり、農家の方が一般の方と交流する。農家が普段考えていることや食に対する思いなどを、農家なりの言葉で伝えていただき、訪れていただいた方には、いろんな体験を通じてそれを感じ取っていただく。食は大切にしてください。農業をみんなで守っていきましょう。などと言うことも大切だが、実際に交流していただきそれぞれの方がそれぞれの立場で何らかの思いを汲み取っていただいて気付いていただく、そんな場を提供できるよう創意工夫し、また、苦労しながら取り組んでいる。 
(コープこうべ:齋藤氏)
  • コープこうべでは組合員が167万7千人おり、その中で主体的に活動に関わっているのが1万6千人くらい、食に関してはこの1万6千人に加え、産地見学の参加や、店頭での講習会などに参加した人は、2014年で7万人程度になる。参加する層が固定的になっており、食育に対し、関心の高い層とそうではない層の格差が出来てしまっていること、また、関心のない層に対してどう働きかけていくかということが課題になっている。 
(コーディネーター:宮崎氏)
  • 関心のない層というのは、若い層なのか。 
(コープこうべ:齋藤氏)
  • 食生活の調査の結果を見てみると、世代を問わず食育に関心のある層とない層、食の知識や技術を豊富に持っている方とそうでない方の格差が広がっていると思う。組合員の平均年齢が高いということもあり、新たに入って来ていただきたいということも含めて、特に若い世代に対象を広げていきたいと考えている。 
(NORICA STYLE:齊藤氏)
  • 自分たちがやりたくて始めたため、最初から何かにアプロ-チしようというものはなかった。料理教室を開催する中で、次々と興味を持ってくださる方が増えてきた。今は会社組織としているので、どんな風に広げていこうか考えているが、食養は普通の栄養学とは異なり、特別食事に関心のある方(病気等)が多いので、そういう方たちのサポ-トをすることが課題かなと思っている。 
(会場より)
  • 食べて痩せないといけないと思うがダイエットに関してどうか。 
(NORICA STYLE:齊藤氏)
  • ご飯中心の食事にし、おかずを減らすこと。また、ご飯は白米ではなく、玄米若しくは分搗き米にすれば、栄養価も高く効果的であると思う。また、同時に運動や睡眠、よく噛むことも大事だと思う。
 (コープこうべ:齋藤氏)
  • もともと健康と食という形で食育に取り組んできた。メタボリックシンドロ-ム予防とか食生活を見直しましょうということでは、何を食べるなとか、何を食べたら良いとかは一切言っていない。食事バランスガイドや、赤、緑、黄を揃えましょう、食事摂取基準に基いて食品を摂っていくことはお伝えしているが、あくまでも無理のないよう、運動や食事により体重の管理が出来ますよということをお伝えした上で、バランス良く食べましょうという取組をしている。
 (JA紀の里:下田和氏)
  • 直接ダイエットの取組は行っていないが、日本型食生活の健康等に対する素晴らしさを気付いていただく、かといってすべての食事を日本型食生活にしましょうということではなく、その良さをもう一度見直すことに気付いていただくような機会をイベントや直売所の活動を通じて伝えるようにしている。
 (ならコープ:紙森氏)
  • 組合員の中でも、ダイエットはよく話題になるし、併せて痩せすぎも話題に上る。バランスの良い食べ方、健康を維持する体の作り方を、医療生協と一緒になって取組を進めている。骨密度の測定や健康チェックなどを行い、自分の体を維持する食べ方、バランスの良い食事についての学習会を行うなど、色々な取組を進めている。
 (コーディネーター:宮崎氏)
  • 若い人に食に対する興味を持っていただくための取組とか、若い人をどう取り込んでいくかということについて、実際に工夫されていることはあるか。
 (ならコープ:紙森氏)
  • 若い人をどう取り込んでいくのかという話を進めている中で、商品の供給の中からも数値で見えてくることがあり、単純に若い人あるいは高齢者というくくりで良いのかということも話題に上っている。生活スタイルや食に対する関心度や関心事を見極めつつ進めていくことが大切ではないかと思う。 
(JA紀の里:下田和氏)
  • 若い人は食育に関心がないとよく言われており、第3次食育推進基本計画でも、若い層に力点を置いた計画になっている。私どもの取組の中でも、若い世代の方々に参加いただく場面は多々ある。体験を通じ「食」って大切だなとか、もう一回見直してみようかなと意識は確実に高まるので、そのきっかけを提供できるかというところが重要である。若い人が興味を持っておられるであろうダイエットのことや、美容のことや、趣味的なことを交えて、まずは気付いてもらう、関心を持ってもらう、そんなきっかけをづくりを工夫しながらやっていきたいと考えている。
 (コープこうべ:齋藤氏)
  •  ひとつは、取組の中身をライフスタイルに合わせて、忙しくてもできるとか、忙しくても参加できる形のものにしていくやり方、もうひとつは若い人達がいるところに出向いていくやり方がある。今までは募集のスタイルで、しかも情報誌を配って募集してというやり方だったが、本当に若い人にきちんと伝えようと思ったら、例えば幼稚園とか保育園と連携する、小学校や児童館と連携する、あるいは大学と連携するというような形で、学生や子育て層の方のいらっしゃる所に行って連携して取組を進めることが大事なのではないかと考えている。漁業の取組を一緒にさせていただいている兵庫県漁連さんでは、お魚講師という方を養成されて、各小学校へ行ってお魚の授業をしている。小さい頃にそれに触れて、それを家で子供が話せば保護者も関心が向くということもあると思うし、また、現在進めようとしている地産地消の取組で言えば、お魚とか野菜を産地で食べればおいしいので、まずはおいしいというところから体験して、入り口のハードルを下げて活動に入ってきていただくなど、取組み方の工夫が必要と考えている。
 (コーディネーター:宮崎氏)
  • NORICA STYLEさんは、綾部という土地で若い人を取り込むための地域的な問題とかはどうか。
 (NORICA STYLE:齊藤氏)
  • NORICA STYLEを始める前のきらり上林のときは、定住促進に力を入れていた。当時は若い人が少なく、移住してくる方がいないと、このまま村は消滅してしまうのではないかというぐらい高齢化が進んでいる所だった。廃校となった学校で料理教室を行ううちに、色々な方が全国から来てくださり、そして綾部に移住する方もあり、今では若い世代が増え、子供も増えてきている。また、その若い世代が引き継いで自分たちのエリアで料理教室を始めるなど活動が広がっている。
 (コーディネーター:宮崎氏)
  • 食品の廃棄・偽装問題等について、会場から意見があったがどうか
 (ならコープ:紙森氏)
  • 私自身が消費者でもあり、安全や安心をどのように担保しているのかを確認する立場でもあるので、今回の廃棄の問題についても、組合員の声に対し、どのように向き合っていくべきなのかを考え、消費者の目線でしっかり見ていかないといけないと考えている。実際に生産現場に行き、確かめることができる仕組みがあるということも大切だと思っている。
 (JA紀の里:下田和氏)
  • 私たちの食生活は、いつでも欲しい物が手に入る、大変豊かになったことはありがたい話であるが、食材の旬というものを今一度気付きましょうという話をよくさせていただく。旬の野菜の持つ新鮮さはもちろんであるが、その栄養価も高いと言われているので、地元にある食材を大切にした食生活を見直しましょうという話もさせていただいている。よく言われているフ-ドマイレ-ジなどの問題も含め、身近にあるものを見直し豊かな食生活を送りましょうという話をしている。
 (コープこうべ:齋藤氏)
  • 組合員に対し、安全・安心な商品を提供していくということが一番大切で根幹をなすものであると思う。賀川豊彦は、生産者対消費者、また、小売対消費者ではなく、生産者=消費者、生産者=小売=消費者の関係になることを生活協同組合で目指していた。生産から消費までが一体となって行われることにより、だましだまされるということが防げるということ。167万人の組合員で生産者=消費者と言えるのかという課題はあるが、生産者との信頼関係の中で、組合員と共に安全・安心なものとはどんなものか、何をもって安全・安心というのかという議論も含めて学びあっていくというスタンスが大事だと思っている。安全・安心なものが欲しいという組合員の願いに応えて、商品検査センタ-での検査や商品の点検を行い担保している。
 (NORICA STYLE:齊藤氏)
  • 自分自身がアンテナを立てて、何を選ぶのかということも自己責任において行うことが重要である。栄養問題についても、料理でどう生かすかが大事である。   

会場の様子 

「フ-ドチェ-ンde食育」に取り組む事業者等の一年間の活動をまとめたパネルの展示を行い、参加者同士で交流を深めました。

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お問合せ先

経営・事業支援部地域食品課
担当者:未来につなぐ食育倶楽部事務局
代表:075-451-9161(内線2739)
ダイヤルイン:075-414-9025
FAX:075-414-7345

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