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私たちの将来の食を守るために!戸別所得補償モデル対策が4月からスタート

将来の日本の食を守るために、平成23年度の本格実施に向けて4月から「戸別所得補償モデル対策」がスタートします。
本モデル対策は、水田を余すことなく活用して自給率の低い作物の生産を増やす事業と、水田農業を担う農家の経営を安定させる事業をセットで行うことで食料自給率を向上させようという制度です。

(農林水産省広報誌aff 2010年4月号より)

水田を有効利用して食料自給率をアップ

今月から始まる「戸別所得補償モデル対策(以下、モデル対策)」。

どういう制度かという説明の前に、実施の背景にある我が国の食料自給率の話をしましょう。日本の食料自給率は現在41%(カロリーベース)、この数字は主要先進国の中でも最低の水準です。いま私たちが食べている食物の約6割は海外からの輸入に頼っています。

しかし世界的な人口の増加や、途上国の経済発展、気候の変動による農産物の不作など、世界の食料事情は不安定な状況が続いています。農産物の国際価格の高騰は、私たちの食にも大きな影響を与えます。

食料の供給が減少することによって、生産国が農作物の輸出規制をした場合、十分な食料を輸入できなくなってしまうことも、考えられるのです。また国内の農業人口の減少も大きな問題です。

平成2年に850万人いた就農者は、平成20年には490万人にまで落ち込んでいます。平均年齢は65歳と高齢化し、後継者が育っていないのも現実です。このままでは、食料自給率の向上はおろか、将来にわたって国民の皆さんに安定的に食料を提供することができなくなる恐れがあります。

モデル対策はこうした状況を改善するため、農地の5割を占める水田をめいっぱい活用し、余っている米の生産を抑え、麦、大豆、米粉用米、飼料用米といった自給率向上のポイントとなる作物の生産拡大を図っていく取り組みです。また、同時に次世代を担う後継者や新規就農者に、水田農業を担ってもらえる環境の整備を進めます。

2つの事業で食料の安定供給を実現!

モデル対策は2本の大きな柱からなります。

まずひとつは「自給率向上事業」です。水田に主食用米(私たちが毎日食べているお米)ではなく、大半を輸入に頼っている麦、大豆などや米粉用米、飼料用米といった自給率向上に貢献する作物の生産を行う農家に対して、主食用米を作った場合と同じ水準の所得が得られるよう、作物に応じた金額を直接支払により交付する政策です。これにより自給率の低い作物の生産を増やして、必要な食料は少しでも日本で作られた農産物で供給できるようにします。

もうひとつの柱は、主食用米を作っている農家に対して主食用米の作付け面積10アール(1000平方メートル)あたり1万5000円を直接支払により交付して、水田農業を担う農家の経営安定を図る「米のモデル事業」です。

米の生産には苗の費用のほか、肥料代、農薬代、農機具代や人件費などの経費がかかります。

ところが全国の標準的な農家の場合、米の販売価格からこれらの経費を差し引くと、慢性的に赤字になってしまいます。一方、農業には景観や国土の保全など、さまざまな役割がありますが、この役割に対する価値は価格には反映されません。このため米のモデル事業では、私たちの食料の供給を担う農家が安心して農業を続けられるように、その部分を補い、再生産を支援します。

制度の対象は、需給調整(注1)に参加している農家になります。

モデル対策は、この2本柱で農村を活性化し、食料の安定供給の確保につなげていくものです。

国内の農業の衰退は私たちの生活や食に直結する問題です。今回の制度は農業者や農村地域だけのためでなく、将来に向けての食料供給や自給率向上につながるものですし、環境保全などの多面的機能を維持するための投資とも言えるのです。

 

戸別所得補償モデル対策の疑問にお答えします。

Q どうして農家の所得だけ補償されるの?

A、 農業は人が生きていく上で、必要不可欠な食料を生産しています。農業の衰退は私たちの食や生活に深刻な影響を与えます。現状では食料の6割が輸入頼み。輸出国で不作などの事態が起こったときには、自国を優先し当然輸出を控える動きをします。食を自国で確保することは大切です。しかも生産に伴って国土や、水、緑を守り、その恩恵は私たちみんなが受けています。だから農業は私たちが守っていかなければならない「産業」なのです。しかし現在、米をはじめ農産物の価格の低迷により農家はコスト割れの生産を余儀なくされています。

モデル対策は生産コストと、販売価格の差額の赤字分を補てんする制度です。農家の方も生産を継続し、利益を出すためには経営努力をしなければなりません。

Q 所得を主に農業以外から得ているといういわゆる「サラリーマン農家」にも助成するのはなぜ?

米の生産を行う農家のうち、主業農家の生産割合(注2)は38%しかありません。野菜や酪農の主業農家の生産割合がそれぞれ82%、95%を占めていることと比較すると、かなり低い割合といえます。

サラリーマン農家といっても食料供給への貢献は大きいものがあります。また農業経営者を増やそうと思っても、急に増やせるものではありません。モデル対策はサラリーマン農家にも、いまよりも作物の生産量を増やして本人が望めば、農業の仕事の比重を多くできるような働きやすい環境を整えることを目的としています。

Q 農家への直接支払は日本だけのもの?

A、EU、アメリカなどの先進国では、自国の農家を直接支払により支援することが主流になっています。農家1戸あたりの直接支払額(注3)を比較するとEUが87万円、アメリカが89万円となっているのに対して日本は24万円です。日本での農家に対する直接支払はこれらの国に比べると少ないくらいで、各国とも自国の食料や農業を重視している現状がうかがえます。

 aff2010年4月号戸別所得補償制度記事

私たちの将来の食を守るために!戸別所得補償モデル対策が4月からスタート(aff平成22年4月号)(A3片面)(PDF:1,053KB)(農林水産省へリンク)

  

 

 

注1 需給調整 :需要の低下している米の生産を抑え、替わりに自給率の低い大豆や麦などの生産を奨励する制度

注2 主業農家 :農業所得が主で、1年間に60日以上農業に従事している65歳未満の者がいる農家

注3 直接支払額:2006年の各国WTO通報により試算

 

   

 

お問い合わせ先

戸別所得補償制度推進対策室
代表:075-451-9161(担当:内線2874,2877)
直通:075-366-0117
FAX:075-414-9030

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