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近畿農政局

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「近畿地域食育実践者等の交流会」概要
つながる、広がる交流会!~食育でWA(わ)を深めよう~

平成26年2月25日にコープ.イン.京都(京都市中京区)において、「近畿地域食育実践者の交流会    ~食育でWA(わ)を深めよう~」を開催しました。

交流会では、近畿の各地域で体験型の食育を実践する方々をはじめとして、105名の皆様に参加いただき、平成25年度に行った活動事例の報告やそれぞれの活動に関する情報交換が行われました。

以下に交流会の概要をご紹介します。

  • 開会挨拶
  • 小学校と地域ボランティアが連携した取組事例
  • 大学と給食事業者が連携した取組事例
  • 給食事業者の取組事例
  • 食育仕事人の活動事例

開会挨拶 

近畿農政局長   中村 英男

中村局長
  •  昨年の12月に、安倍政権における今後の農政のグランドデザインとして、「農林水産業・地域の活力創造プラン」が策定され、その一つの大きな柱に、国内外の需要フロンティアを拡大がある。
  • 需要フロンティアの拡大に当たって重要な施策の一つに、食育の推進がある。
  • 和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、今後、和食をスタートラインとして、日本食文化を発信、定着させていくことが重要でありここでも食育が大きな役割を果たしていくものと考えている。
  • 農林水産省では、これまで関係省庁と連携して、食育の推進に取り組んでおり、近畿農政局では、「未来につなぐ食育プロジェクト」、戦略的取組の一つとして位置づけ、食育実践する方々の育成、活動の支援等のさまざまな取組を行っている。この交流会も、プロジェクトの一環として行っている。
  • 今回の交流会は、皆様の活動の参考となるよう、先進的で高い効果を上げられている取組の紹介を中心に企画している。それぞれの地域で食育に取り組む方々が、実際に顔を合わせて取組の紹介や意見交換を行っていただく貴重な機会であるので、有効にご活用いただきたい。

 

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小学校と地域ボランティアが連携した取組事例 

山本 善啓 氏(紀の川市立池田小学校校長(和歌山県))

五感に響く食・農体験

山本善啓氏
  • 「いけだ『食育』プロジェクト」を提案し、「つくる」、「育てる」、「食べる」という一連の農業体験を通して、農業に対する意識を高め、人が生きていくために必要な「食」と働くことの意味や生命の大切さなど、適切な思考力・判断力を育てる。そして、地域や関係機関と連携しながら、たくさんの人が関わることを通して、ふるさと「いけだ」を愛し豊かな心とすこやかな体を育むということで、子どもたちとともに私も取り組んでいる。
  • 活動内容は、野菜づくり・米づくりを中心に進めている。耕作作物は、1年生がサツマイモ、2年生がサツマイモと大根、3年生が大豆、4年生がナス、キュウリ、タマネギ、5年生がカボチャ、スイカ、米、6年生がスイカとなっている。
  • 工夫としては、地域との関係を深める教育の機会と、学校だより「いけだ」の発行をしている。地域や関係機関等との連携で、ありがとう集会というのがある。ありがとう集会というのは、地域の方々に、お世話になっている方への感謝の気持ちを込めありがとうというお礼を子どもたちがする集会で、収穫した野菜やお米を給食や調理実習に活用している。ファーマーズ・マーケット「めっけもん広場」との連携をしている。
  • 苦労としては、それぞれの田んぼが3カ所あるが、その距離が離れているため観察時間の確保が非常に難しい。職員が写真を撮ってきて子どもたちに見せるという工夫もしている。また、収穫の時期の見定めと時間の確保が非常に難しい。特に、キュウリ、ナスが難しかった。
  • 効果としては、地域の方や友達と一緒に作業することができ、互いに理解し認め合いながら活動を進めることができた。協力していただいた方々に感謝する心や地域を愛する心が育ちつつある。学校を取り巻く自然環境には、田んぼや畑がたくさんあるが、子どもたちの家での農業体験は少ない。学校での農業体験は非常に貴重な機会となっている。保護者や支援団体の方々による学習環境の整備ができた。
  • 課題は、農業体験や栽培体験を教育課程としてどう位置づけていくか、どう時間を確保するかが非常に難しかった。子どもたちの学ぶ意欲と興味・関心をより一層高めること、指導・協力していただける地域のボランティアと継続的な関係を築くこと、予算を確保することも課題となった。また、地域の方々のボランティアによって成り立っているが、時には自己負担となっている。こうした課題はあるが、豊かな心を育てるための活動として、これからも大切にしていきたいと思っている。

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大学と給食事業者が連携した取組事例 

福田 小百合 氏(京都文教短期大学食物栄養学科講師)

学生食堂での食育実践取組報告

福田小百合氏
  • 2013年12月12日、食育イベント「野菜を食べよう~食堂deイベント」を学生食堂で開催した。このイベントの目的は、大学生は一般に野菜不足であるため、その学生たちに野菜の摂取の必要性を意識してもらうこと、特に食堂で野菜の摂取量の向上を意識させること、栄養士を目指す学生に食育に興味を持たせる、体験させる、やる気にさせること。
  • 学生自らがこのイベントのプロデュースにかかわり、学生考案の野菜たっぷりの小鉢を販売するため試行錯誤の末4品目のメニューをつくり、給食業者さんにプレゼンで採用してもらった。家でもつくってもらいたいという意味も込めそのレシピを作って配布した。 他に、野菜のクイズや、野菜の摂取頻度アンケートや朝御飯メニューコンテストを実施した。
  •  食堂での食育の年間取組の目標は、学生自身が食生活に関心を持って、自己管理を自分でできるようになることとした。
     内容としては、メニューの成分表示をする、お昼のランチ(「文教ランチ」と名付けた)の開発、栄養成分のチェックなど。また、毎年、定期的に給食業者と情報交換を行い、学生考案メニューの提案や合同のイベントの開催、汁物の塩分を下げてもらったり、ランチの野菜の量を120グラム以上を保ってもらうなど連携をとりながら食育をすすめている。
  • 卓上メモや掲示板を利用した、食の情報の提供のほか、年に数回参加型のイベントも実施している。 
  • 1年間こうした取組を行った結果、栄養成分表示をよく見るという人は、34.5%から47.1%になった。よく食べる食堂のメニューで主食、主菜、副菜がそろったものをいつも食べるという人は、わずか11.8%であったものが、17.7%に増えた。まだまだ、しっかりと食べてほしいと思うが、大学生がこの時期、食生活の状況が悪くなるのが当たり前の中、少しでも表示を見たり、食事の組み合わせがよくなるという効果があったことは嬉しく思う。
  • 今後も手を変え品を変え、様々なイベントを組み込んでいくことにより、少しでも関心を持ってもらうことを目指す。イベント等を企画する側の、将来栄養士を目指す学生にとっても、貴重な体験を行える場として、引き続き取組を続けたい。 

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給食事業者の取組事例 

石井 純代 氏(富士通テンスタッフ株式会社管理栄養士)

ヘルシーメニューで全社へつなぐ健康づくり

石井純代氏
  • 富士通テンスタッフ(株)は、富士通テンの社員食堂を運営しており、私は管理栄養士とし て、健康管理センターと連携しながらヘルシーメニューづくりや健康セミナーなど、 社員の栄養教育に取り組んでいる。
  • 2011年から2013年までの当社の40歳以上の生活習慣病健診結果において多かった疾病は、高血圧、肝機能障害、高尿酸血症、糖尿病、脂質異常症の5つであり、その中でも年々減少しているが脂質異常症が最も多く、次いで高血圧が多かった。これらの生活習慣病を予防、改善するにはカロリーと塩分を控えるだけでなく、DHA、EPA、食物繊維、ビタミンA、C、E、カリウムが必要であることから、肉食より魚料理の割合を多くし、副菜には野菜をたっぷり使った小鉢料理、つまり日本型食生活のよさを取り入れたヘルシーメニューづくりに取り組んでいきたい。
  • 社員が、栄養バランスのよい組み合わせがイメージしやすいよう、「ヘルシーメニュー」のモデル例をパネルで掲示している。神戸だけでなく岐阜県にある中津川事業所にも見てもらえるよう社内ホームページに、「ヘルシーメニュー」をはじめ、その食材の栄養の話や行事食などを「食だより」として発信している。食と健康への関心が高まり、健康づくりが全社に拡がることを目的として取り組んでいる。
  • 当社では、40歳以上の生活習慣病健診前の若い世代、30、35歳を対象とした健康セミナーを毎年、保健師と一緒に行っている。野菜の大切さは、毎回セミナーで講演している。
  • 今後は、昼食のメニュー以外に、お菓子、清涼飲料水、アルコールなどの嗜好品の摂取、夜更かし、朝食抜きなどの生活リズムの改善についても、ヘルシーメニューの情報を通じて全社に呼びかけていき、健康づくりのわを広げていきたい。  

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食育仕事人の活動事例 

北島 誠一 氏(京都市中央卸売市場協会専務理事) 

食の拠点機能充実事業について

北島誠一氏
  • 京都市場は、正式には京都市中央卸売市場第一市場といい、東京の築地市場よりも早く、昭和2年に全国で初めて開設された卸売市場である。私どもは、京都市場を単なる生鮮食料品の流通の拠点としてではなく、京の食文化の情報発信、食育の拠点として位置づけ、年間を通じてさまざまな事業に取り組んでいる。
  • 食についての知識を養い、本来の食のあり方を考えてもらうことを目的として、「食の海援隊・陸援隊」という会員制度を発足した。今年度で発足10年目を迎え、会員数は694名と過去最高になった。会員相互の交流会や食材選び方教室、海の産地を訪れる海援隊ツアーや陸の産地で収穫体験などを行う陸援隊ツアーを実施している。
  •  家族で参加していただける料理教室、市内の板前さんや料理研究家の協力を得て行う「小学校出前板さん教室」、夏休み市場見学会(小中学生対象)、毎年11月に開催する「鍋まつり」など、様々な事業を通して本当の食を知っていただきたい。
  • 市民の皆様への日ごろの感謝と生鮮食料品の消費拡大を目的に平成23年4月から毎月第2土曜日に水産品、青果物、漬物、干物、つくだに、肉類、調理器具等々を販売する食彩市を開催している。
  •  一昨年12月に、中央卸売市場内京都青果センターに「京の食文化ミュージアム・あじわい館」がオープンした。中央卸売市場をさらに詳しく学んでもらえる。
  • これまでご紹介した「食の拠点機能充実事業」は、11月2日に農林水産省主催の、第一回食と農林漁業の食育優良活動表彰で、消費・安全局長賞を受賞させていただいた。今後とも、食の安全・安心並びに食育活動に取り組んでいきたい。

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 永菅 裕一 氏(NPO法人棚田LOVER's理事長)(兵庫) 

~棚田を通じて食育を実践~

永菅裕一氏
  •  活動拠点は、兵庫県の市川町。活動キーワードは、「美しい棚田を未来へつなぐ、自然やいのちに感謝、愛の心を育み、楽しむ」。棚田LOVER'Sという名前も、棚田が大好きだからということで、後輩の大学生が命名してくれた。
  •  153名の会員に支えられていて、学生や社会人の有志が棚田を保全するために集まったNPO法人であり、兵庫県香美町、市川町、姫路市等で、田植え、稲刈り、試食会などの活動をしている。
  • 具体的には、都市住民と地域の方々との間に棚田LOVER'Sが入り、都市と農村をつないだり、学習会を行ったり、地域の方々から田畑を貸してもらったりということをしている。さらに、現在、古民家を貸してもらっているので、今後民宿やカフェ的なものを展開したい。
  •  棚田保全のために何ができるかというと、まずは関心を持つ、米や野菜を購入する、棚田や農村を訪ねてみる、実際に田舎に住んでみる、募金や会員・応援団になるなど、できることはたくさんある。
  • 団体の課題として、メンバーやスタッフを確保すること。会計や事務処理の事務局体制を整えていくこと等がある。また、地域の方々との信頼を獲得するため、地域の草刈りや溝掃除にも力をいれたい。
  • 今後の展開として、放棄地を再生する人を育てるため「棚田エコ学園」を創設しようとしている。まず興味を持った方がそこで学んでもらい、その方が先生になって、外部に出て行って情報発信をしながら交流できるような仕組みを構築したい。
  • 地域の中では、「里山と棚田がつむぐ人と心の地域づくり」をテーマとし、食、生き物、森、地域全体を食育と捉えながら活動をしている。

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 佐保 庚生 氏(農民組合大阪府連合会) 

大阪市大正区での小学生の米づくり

佐保庚生氏 
  • 農民組合では、都市農業を守っていこうということを主な目的として活動を行っている。
  •  大阪市大正区にある周辺を住宅地に囲まれた小学校の児童に、お米やわらの文化を教えるとともに田植え、稲刈り、かけ干し、脱穀、もみすり等の体験をしてもらった。
  •  5月31日に行った“お米の話”の時は、稲穂と苗を子どもたちに触れてもらおうと思いビニール袋に入れて担いで持参した。
    稲穂を渡して、もみをちぎってもらい、もみの数を数えてもらったり、苗を配りじっと見てもらい種はどこか探してもらった。また、小さなコップに水を入れて、もみを浮かべてもらい、沈んだもみは、実がよく入っているから、よい苗をそだてることができるということを体験してもらった。
  • 田植えは、狭い田んぼの中でも26人の子どもたち みんなが十数株を植えられるようにと心がけた。
  • 稲刈りの前に台風のような風雨がきて、稲が倒れたが、子どもたちが稲刈りがしやすいよう稲を起こし数株づつ穂首をくくり、すき間を作ってくくった稲をほどきながら稲を刈り、かけ干しを行った。 千歯という機械で脱穀を行い、もみすり、精米を行った。
  • わらの文化に触れてもらいたかったので、縄のリースづくりをした。当日はわら打ちからはじめ、子どもたちは先生と一緒くらいのスピードでできるようになった。
  • 振り返って思うのは、このささやかな米づくりを通じて、子どもが自然に接することができた。子どもたちの「もともと米は白(色)じゃぁなかったんだ」感想などにみられるように感性豊かな成長期に自然と向き合っていける少ない機会なので大事にしたいと思った。

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 杉本 真一 氏(NPO法人ノート理事長)(大阪) 

みんなで作ろう☆わくわく探検隊

杉本真一氏 
  • 私は、中学校の不登校支援員として子どもたちの支援をしている。子どもたちが、自然や農業を体験する機会が少ないことに気づき、地元の方との出会いもあり「わくわく探検隊」をはじめた。
  • 高槻市の校長会を通し「わくわく探検隊」のチラシを全小学校に配布させてもらったことがこの活動が大きくなるきっかけとなった。この後「教育ファームの推進事業」に2年間取り組み、21年度食料・農業・農村白書にも掲載された。
  • 「わくわく探検隊」が注目されるようになったプログラムは、田んぼ草取り大会。草取りという重労働をゲーム方式で行った。農業及びほ場の支援者である畑中さんの「草を取ることでおいしいお米がたべれるよ」という一言が子どもたちの心に届き、草取りができた。
  •  小学3年生の時に初参加したある子どもはよくトラブルを起こしていたが、 6年生になって班長として活躍している。こうした成長した姿をみて、「わくわく探検隊」が、農林漁業体験を通じて子どもたちを成長させると感じた。その子どもは、今もスタッフとして、この活動にかかわってくれている。
  •   スタッフは、参加者の中から、中学生になってからお手伝いをしてもらったり、教職をめざす学生さんに来ていただいている。収穫した野菜を活動資金に充てながら、企業とのコラボ企画などいろいろなプログラムを進めている。
  • 今後は、高槻の飲食店の方々と一緒にタマネギを植えてお客様に提供するプロジェクトなど、子どもだけでなく、大人にも楽しめるプログラムをいろんなところに広げていきたい。高槻だけでなく大阪府下にも広げたい。

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 取組展示及び会員間の交流 

「未来につなぐ食育プロジェクト」に取り組む保育園、小学校、大学、事業者等が一年間の活動をまとめたパネルの展示、会員が取り組む食育を紹介するパネル、パンフレットなどの展示を行い、参加者同士で交流を深めました。

会場1 会場2 パネル1 パネル2

閉会挨拶 

 近畿農政局消費・安全部長    石場 裕 

石場部長 
  • 本日の交流会では、食育プロジェクトにおける取組事例や食育を実践されている方々の活動報告をいただいて、皆さんの熱い思いとメッセージが伝わってきた。
  • 発表いただいた方以外にも、それぞれの多くの地域ですばらしい取組が行われているものと考える。局のホームページなどでも取組の紹介ができるので、情報提供をいただけたらありがたい。
  • 皆様個々の取組が、食育を推進していく上で大変、大きな力となる。近畿農政局として、皆様の取組を支援することは、非常に大事なことだと思っており、こんなことはできないか、こんな情報はないかというようなことがあれば、ぜひ遠慮なく提案をいただきたい。
  • 交流会の副題にもある食育のWA(わ)を深める、広げるということが大変重要と考えており、この機会を活用して十分な情報交換をしていただきたい。

 

 

お問合せ先

消費・安全部消費生活課
担当者:食育班
代表:075-451-9161(内線2282)
ダイヤルイン:075-414-9971
FAX:075-417-2149