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近畿農政局

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未来につなぐ食育倶楽部創設シンポジウムの概要

食育実践に向けた近畿地域の連携シンポジウム

~未来につなぐ食育倶楽部創設にあたって~

  • 日時:平成23年6月26日(日曜日)13時00分~16時40分
  • 場所:キャンパスプラザ京都

このシンポジウムでは、異なった分野の方々が連携することにより生まれる新しい気づきや繋がっていくことの大切さなどの興味深い講演、大学や企業などにおける食育の実践報告のあと、望むべき地域の食育ネットワークの姿について意見交換が行われました。

開会挨拶

藤池淳(近畿農政局次長)藤池次長

  • 食育については、栄養バランスの改善、正しい食習慣の形成により、健全な食生活を推進するとともに、食に関する知識と理解を深め、食をみずからの判断で正しく選択できる力を育てることが重要。
  • 食、食べ物、これに感謝の念を持つこと、これも食育の大切な柱。食は命の恵み。命の恵みを実感するには、農林水産業の営みについての理解が不可欠。
  • 命の恵みを実感することは、子どもたちが命の大切さを知ることにつながり、都市化の進んだ現代社会において重要。
  • 未来につなぐ食育倶楽部が、食育の実践者の方々の情報共有、相互支援のネットワークになればと考えている。

挨拶全文(PDF:85KB)

資料1:イメージ図(PDF:459KB)

未来につなぐ食育プロジェクトについて

坂本雅司(近畿農政局消費・安全部消費生活課長)坂本消費生活課長

  • 近畿農政局では、20年後、30年後の近畿管内の子どもたちすべてが農業体験を通じた食育が受けられる、また現在の若者の多くが食育に触れられることを目指して食育プロジェクトを展開している。
  • 1つ目は、「五感に響く食・農体験」。五感をフルに使って命を育む農業や農作物への理解と感謝の念を深めていただくことを目的に実施。2つ目は、「みらいく師範塾~食育リーダー養成講座~」。将来の食育を担うことが期待されている栄養学科の学生さんなどに、命の源である食と農の理解を促進する食育に取り組んでいただきたい。3つ目は、「社食・学食de食育実践」。食生活の乱れが懸念される単身生活を始めた学生や社会人の皆さんに、給食事業者さんを通じて日本型食生活や農について啓発して理解していただき、バランスのとれた食生活を実践していただく取組を支援する。
  • 未来につなぐ食育プロジェクトの一環として、食育の一層の推進を図るために未来につなぐ食育倶楽部を創設。愛称は「みらいくらぶ」。体験型の食育に取り組まれる皆さんの取り組みを応援したい。  

基調講演「学校、家庭、地域が連携した食育活動」

藤本勇二氏(武庫川女子大学文学部教育学科専任講師)藤本勇二先生

  • 私は26年間、徳島で小学校の教員をやって、今、大学では、小学校の教員になる学生さんを応援している。
  • (会場に求めた発言に対し)私が今日お伝えしたいメッセージ、今、発言してくださった方の言葉、皆さん色合いが違う。やはり、自分の立ち位置をすごく大事にされている。それが大事。
  • (野菜の修行始めます、という小学校の学習で)栄養教諭、養護の先生、歯医者さん、JAの方、子どもの問いに本気で答えてくれる大人の存在に感激した。みんな多様なメッセージを送ってくれている。しかも、大事なことは、自分の立ち位置から見た答え。これが一番子どもには説得力がある。
  • 食育を、否定的な面、肯定的な面を全部捨象してしまって、一方的な価値観を語り、一面的に伝えてしまうと、子どもたちは全然考えなくなる。食育というのは、食べることとそれを育てること、つまり生産から流通、消費、廃棄まで、食べ物が来し方から行く末までをつなぐことなのではないか。
  • 人と人をつなぐ。子どもが発した問いで、大人が考えることで、みんながつながっていく。そのためには、我々は、つなぎ手である自覚とその覚悟が必要ではないか。
  • ともすれば、食育だとか食農教育というのは、余りにも現場にいる人が熱い思いで語るものだから、子どもとの距離が離れている。子どもの関心はそこじゃない。楽しく、おいしく、すてきな時間を過ごせたら、そんな大人に出会いたい。その向こうに暮らしや環境や人のつながりや命の豊かさと子どもたちは出会っていく。結果として気づくということじゃないか。
  • 自分がやろうということを話題に出すということは大事。食はみんなの関心事で、毎日だれかは何かを食べているから、応援団が生まれる。

 

藤本先生の基調講演の詳しい内容は、こちらからご覧下さい。→基調講演詳細(PDF:131KB)

実践報告「大学生を対象とした食育の取組事例」

明神千穂氏(近畿大学農学部食品栄養学科助教)明神先生

  • 現在在学している大学生は、食育基本法が施行される前に義務教育を終えていることから、「食育」を改めて受けることなく大人になっている、いわば食育に取り残された世代ともいえる。
  • 管理栄養士は食に関して非常に多岐にわたっての業務を担っていることから、食や栄養に関する総合的な力が求められる。
  • 幼少期の作物生産を体験をすることによって、食べ物の大切さの認識が高まり、好き嫌いの克服に繋がると報告されていることから、教育ファームなどを取り入れた食育を実施する幼稚園、小学校が増加している。
  • よって今後管理栄養士に対して、生産体験を取り入れた食育を企画、遂行する力を求められてくると考える。
  • 食と農の結びつきを理解した管理栄養士の育成が必要であることから、食農教育ができる管理栄養士の育成を目指した生産体験プログラムの開発を行った。
  • 生産体験をすることで、農作業は手間がかかるが、食物の大切さ、自然のすばらしさ、生き物全ての命が大切だというのを素直に感じるようになることが分かったが、自らが食農教育の企画実践ができる力を身につけるまでには至らなかった。
  • 今後は、農作業の専門家による生産技術の支援体制を整えること、さらに学んだことを生かすために、園児や児童に対する食農教育を実施し、効果評価を行っていきたい。

実践報告「給食事業者等の食育の取組事例」

秦育子氏((株)典座企画開発室管理栄養士)秦先生

  • 堀場製作所での取り組み。一昨年の11月、最初の提案は保健師からあった。ヘルスアップセミナーをやってみたいと。夕食として食べていただいて、ビールやつまみもわざと置き、食品交換表を使って計算していただいた。
  • 昨年の5月、200名の幹部社員の会議の昼食を利用して、食べて学ぶ栄養指導教室、ヘルスアップセミナーの開催を依頼された。200人をバイキングで、計算はとてもできないのでバランスガイドを使った。6つに仕切った松花堂の弁当で食べていただいた。平成17年度からこのような食育の勉強を皆さんのお子さんはしていると伝えると、かなり反応はあった。
  • 大谷大学での取り組み。2年前にベテラン店長が定年退職で交代になり、30代半ばの若い店長にかわり、メンバーはそのまま。そのすき間を埋めたいというのもあり、意識のリニューアルを試みた。
  • 親御さんにかわって私どもが食をあずかっているんだという気持ちがないといけない。2年から4年で、社会に飛び立っていく学生に、しっかり食べて欲しいという思いも伝えなくてはいけない。
  • 食のプロとして、いろんな勉強会をした。そこで、食育イベントをしよう、毎月のイベントで学生さんに来てもらおう、という流れになっている。半数は地方から来ている学生さんなので、京野菜ってこんなんだよと、それをつくってこんな料理ができましたよというので、展示しながら、それをメニューにしたりした。
  • 人は食べ物という命をいただいているという事実、日本の自給率が40%という、そんな現実があり、その中で私たちが自分たちだけではなく、家族、それから子どもたちの将来の食を考えていかなくてはいけないという未来がある。

意見交換会(パネルディスカッション) 「食育実践者同士の連携と今後の実践に向けて」

司会進行:安田曜氏(京都市立池田東小学校校長)
パネリスト:藤本氏、明神氏、秦氏安田先生

(安田)1つのキーワードとして、やっぱり大切なのは地域を変える、あるいは親を変えるというところ。今日聞かせていただいた発表は、すべて子どもを変えたり、あるいは学生を変えたり、あるいは地域を変えていったり、というところで結びついているのではないかと思っている。それがどうつながっていくかということがこれからのポイントではないかなと思う。

(藤本)「学校と地域」「学校と企業」、子育てであれば、周りの大人がみんなつながっていくのが当たり前ではないか。そのきっかけになるのが、環境でも福祉でも人権でも国際理解でも可能だが、食が一番つながりやすい、ただそれだけ。学生が教員になったときに、こんな授業をしたいが、どこかで教えてくれる人はいないか、というとき、人とつながれることができたらうれしいと思う。

(明神)意志がある方がおられたら、紹介をしてもらえるとありがたいというのがある。実践されている方と集まって、ちょっと私の悩みを聞いてもらって、こうしたらと言われるような場があればと思う。

(秦)企業の場合、それをすることによってどんないいことがあるのか、というところに関心があると思う。もちろん人が動けばお金がかかるわけで、良い事例があれば積極的に取り込んで、その動きができた段階で、いろんなところから援助をもらい、それを進めていくことがさらにできたらいいと思っている。 

(来場者)例えば、学校給食の中で小学校で生ものはダメと言われており、極端に言うと、地元で非常においしいスイカがあるが、それが給食の場になかなか出ない、こういうことが現実的にある。(このネットワークが)その辺の壁を打ち破っていく、そういうものになっていけたら非常にいいと思うがいかがか。

(安田)こういうネットワークがその壁をぶち破っていけることになったら、また、ぶち破るためのいろんな原動力を私が聞ける、こんなことをやればいけるのではないかということが、倶楽部の中で得られればうれしいということを、痛切に感じている。

(明神)(アスリートの食事調査で)実際やらせてみて、自分でその効果が出たときに、食べることで体は変化する、食べることが次の自分の試合のパフォーマンスに活きる、そういうふうに(アスリートに)変化があるのは感じる。でも、食べることが命ですと言っても、命というものが遠い。本当に何かあったときに、初めて人は自分の健康とか命がどれだけ大事だったか気づく。

(秦)子どもたち云々という前に、大人もそう。それから、年配の方も食べ物が工場から自動的に出てくるようなイメージを持っておられる。例えば、鶏肉に骨がある、軟骨がちょっとついていたりする。そうすると、これは異物混入だと。アサリに砂が入っている、異物混入と言う。そうではない方が大半だが、麻痺しているなというのをものすごく感じる。パネルディスカッション

(藤本)結局、100円出せば100円のものが返ってくる世界だけで生きている人がいるのではないかと思う。農なんてままならないことばかり。時間軸が全然違う。私たちの時間をちゃんと地域の時間に戻すことをやらないといけないと、それは何かと思ったら、やっぱり畑に行こうということだと思う。我々がもっともっと自分の立ち位置を自覚しつつ、自分と立ち位置の違う人がどんなことをやっているかということに関心と責任を持つということが、このネットワークの意味でもあるし、ここでできることではないか。お金で等価交換される世界だけで生きていることとのギャップ、思ったとおりにならない、それを子どもたちに実感させてやりたい。

(安田)池田東小学校はずっと食育に取り組んでいるが、2つキーワードがあり、食という字を考えたときに、上に人という字を、下は良いという字を書く。食べることというのは人をよくしていくんだということ。それと、食べ物で体をつくり、食べ方で心をつくり、そして食卓は人をつくるという、そういうスローガンみたいなのをつくった。

今まさにここは食に関係した人がいっぱい集っている中で、いろんなコミュニケーション、横のつながり、あるいは縦のつながり、ネットワークをつくっていければ幸せなのではないか。また、そこにつながる自分がいて、お互いに高めていける、あるいはそこに連絡をすれば、自分が欲しい情報が入ったり、発信もできたり、もう一度エネルギーや力をもらえたりできるような、そういう組織になっていけばいいのではないかと思っている。

閉会挨拶

和田務(近畿農政局 消費・安全部長)和田部長

  • 私も改めて、いろんな人たちが集まることによって、いろんな気づきがあるんだなということを思い出させてもらった。
  • 食育基本計画の中では、周知から実践という段階に入っているということが言われている。その実践の中で、本当にいろんな体験、いろんな取り組みというものがこれから必要になってくるし、また、いろんな展開がされてくると思う。
  • 地域、地域のいろんな展開をみんなでお互いにその情報を共有し合って、また、悩みもみんなで共有しながら、みんなで知恵を出せるような、そういったネットワークを支える一助に私どもができればと思っている。
  • ぜひ皆さんのお知恵を拝借しながら、また皆さん同士のいろんな声をお互いに発信を皆さんにお伝えし、そして、皆さんと手を携えて食育を進めていくということに取り組めればと思っている。

お問合せ先

経営・事業支援部地域食品課
担当者:食育班
代表:075-451-9161(内線2767)
ダイヤルイン:075-414-9025
FAX:075-414-7345

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