大区画化等への取り組み経緯(紹介)
紹介1(農地・水・環境保全向上対策に係る地域での取り組み)
現在、宮置地区では、有限会社 夢前夢工房が農地の大部分を集積し、中心となって農業経営を行っている。 |
地区での取り組み風景(用水路の掃除) |
地区での取り組み風景(枝の伐採) | 地区での取り組み風景(草刈りの準備) |
(自治会長談) |
紹介2(農地・水・環境活動の一貫として小学校との連携による食育活動)
農地・水の団体として活動している宮置資源保全隊が、農地・水・環境活動の一環として小学校の食育と連携することで、農地・水・環境の取り組みが小学校からも発信され、活動に対する地域住民への理解が促進された。 |
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小学校との食育連携(田植え) | 小学校との食育連携(田んぼの手入れ) |
紹介3(地域のことが考えられる人・農地プランを作成)
農家と農家以外が連携する活動としては、平成24年に作成した人・農地プランも一つの転機となった。 |
紹介4(老朽化した用水路などの補修の検討)
宮置地区のほ場は昭和45年頃に整備されたため、経年劣化により水路やけい畔の改修が必要となっていたこと、また、高齢化により用水路の溝掃除、農道等の草刈りが困難な状況となっていたから水路の改修、草刈りの軽減の検討を開始した。 |
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老朽化したコンクリート畦畔 |
管理労力がかかる用水路 |
紹介5(大区画化の推進及び高収益作物への取り組み)
農地中間管理事業を活用するには、地権者の合意を得て農地を集積し、収益を向上させる必要があることから、平成27年にパイプラインの導入と大区画化、高収益作物の栽培を行うことで計画を進めることとした。JA兵庫西が高収益作物としてたまねぎ栽培を奨励し、取り組みの後押しとして定植機、収穫期、冷蔵施設など環境を整えてくれたことは、大きな励みとなり栽培を推進することができた。やはりJAとの連携は重要であり、JAの後押しがなければ進めることはできなかった。 |
たまねぎ栽培の取り組み |
紹介6(鳥獣害対策への取り組み)
宮置地区でも鳥獣害被害に悩まされており、対策として行政からの支援を受け獣害対策用の柵の設置を平成27年から始め、平成30年に地区全域の施工を完了した。 |
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獣害対策用の柵の設置 1 |
獣害対策用の柵の設置 2 |
紹介7(先進地への研修)
平成28年にはパイプライン導入のため、地域の役員会で但馬地域(豊岡市、新温泉町)に視察に行った。 |
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パイプライン視察 1 |
パイプライン視察 2 |
紹介8(役員会における話し合いの状況)
この年度に役員会を21回開催し、農地中間管理事業の活用に向け、問答集を作成した。 |
自治会役員会 |
(自治会長 談) |
紹介9(地域における話し合い)
地域の中には、将来、家を建てたい人などもいるので、各種手続きの方法を周知するとともに、農業だけでなく地域全体の将来を見据えた設計を行った。 |
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ほ場整備前の地図 |
ほ場整備後の地図 |
(自治会長 談) |
紹介10(人・農地プラン)
人・農地プラン(平成31年2月更新)における今後の地域農業のあり方として、中心となる経営体の取組の方向性及び地域住民の活性化に関する取り組みが記載されている。 |
取組事項 | 対応 | コメント |
農家戸数74戸、総面積28haで、約83%の農地が中間管理機構へ利用集積され、中心経営体がその集積された農地を利用する。 | ||
複合化 | 〇 | 中心となる経営体が、ひょうご安心ブランド認証を取得して消費者の求める安心安全な米づくりを進め有利販売に努める。 また、うるち米、加工米、酒米、もち米、新規需要米等の契約栽培に取り組み将来を見据えた安定価格販売を目指す。 |
中心となる経営体が、野菜+果樹などの収益性の高い農産物の生産・有利販売を目指す。 | ||
中心となる経営体が、JAと連携して、玉ねぎ、ジャガイモ、小豆等の栽培を増やし高付加価値化を目指す。 | ||
6次産業化 | 〇 | 中心となる経営体が、地域内の直売所で農産物や加工品を販売して経営の安定化を進め、それ以外の農業者が農産物を出荷し、販売する。 |
中心となる経営体が、イチゴやトウモロコシ、果樹を中心とした収穫体験を実施して、観光業者との連携を図り経営安定に繋げる。 | ||
高付加価値化 | 〇 | 中心となる経営体が、小麦、小豆、大豆、そば、米粉等を利用して、醤油、味噌、蕎麦、菓子等を商品化して高付加価値化を目指す。 |
中心となる経営体が果樹などの農産物を利用して、加工品やスイーツの商品化により高付加価値化を目指す。 | ||
中心となる経営体が、イチゴや果実を使ったケーキやスイーツを開発し、直売所で販売することで利益拡大を目指す。 | ||
新規就農の促進 | 〇 | 中心経営体において積極的に農業研修者を受け入れ、地域内や市内での独立を目指す新規就農者の育成を図る。 |
市内の新規就農者を集い、農地の斡旋やレンタルハウスの活用、直売所で有利販売して経営の安定化を図り育てていく。 | ||
新規就農者等、若者の定住促進を積極的に行い、居住者の減少を防ぐ。 | ||
地域住民の活性 | 〇 | 市民農園や生き甲斐農園を利用して、農業者や非農業者の交流、農産物の栽培や販売を通して地域活性を目指す。また、ICTを利用して、住民の防犯、防災、福祉、教育等の向上に取り組む。 |
地域の環境整備 | 〇 | 農地水事業等を利用して地域住民が協力し合い、農業施設や地域環境の維持・向上を進めて行く。 また、水路のパイプライン化や給排水の自動化、フォアスなどの排水対策を行い、作業の簡素化や収量の安定に繋げていく。 また、地域住民の高齢化に備え、農道や水路等の法面草刈り作業が少なくなるよう防草シート等を利用し、カバープランツなどの植栽により地域景観の整備を行う。 |
学校教育との連携(食育) | 〇 | 学生や子どもたちに農業体験などを通じて、農業に対する理解や郷土に対する愛着心を高める。 |
その他「規模拡大」 | 〇 | 農地の大区画化、用水のパイプライン化、フォアスによる排水システム、畦畔等の防草シート+芝栽培による管理作業の軽減をはかる事業に取り組む。また様々な企業と連携しICTやAIによるスマート農業に積極的に取り組む。 |
平成31年設計、平成31年~令和3年に工事予定 |
紹介11(地域自治会集会)
平成31年3月、自治会集会において宮置地区の農地集積状況、集積した農地を大区画化することによる地域の将来構想、大区画化に伴うほ場整備の工事内容などを説明。 |
地域住民への説明会 |
紹介12(事業実施後の展望)
地域が実施しているけい畔の除草作業を軽減するため、これまで実証実験してきた防草シートやムカデ芝の導入も考えている。 |
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法面施工のムカデ芝 1 |
法面施工のムカデ芝 2 |
有限会社 夢前夢工房においては、大型農機具による自動走行システムの利用、ドローンの活用など を農機具メーカーなどと組んで5年間の実証実験を計画している。 |
ICTを利用した自動運転トラクタ |
ICTを利用した自動運転田植機 |
さらに、地域住民の生活にも貢献、ということでドローンを農業へ活用するほか、小学校の登下校の見守り、不審者の通報、災害対応などで使えるように、それに要する経費の実証実験をしたいとも考えている。 |
(自治会長談) |
紹介13(他の地区に伝えたいこと)
(有限会社 夢前夢工房 代表) |
(JA兵庫西) |
(自治会長) |
お問合せ先
近畿農政局兵庫県拠点
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