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第1回地産地消推進シンポジウム

●九州地産地消推進シンポジウム

第1回地産地消推進シンポジウム
平成14年2月27日
国 際 交 流 会 館
1開会
2挨拶
3基調講演
演題:「地産地消の現代的意義」
講師:九州大学大学院農学研究院 教授 甲斐 諭氏
4パネルディスカッション
“食と農の距離の短縮と農業・農村の活性化を求めて”
(司会九州農政局企画調整部長高野 光春)
<アドバイザー>九州大学大学院農学研究院 教授 甲斐諭氏
●パネラーからの事例報告等
<生産者代表>
熊本県松橋町(有)那須ファーム代表 那須修一氏
<直売所代表>
福岡県津屋崎町あんずの里市利用組合長井ノ口 ツヤ子氏
<都市と農村の交流代表>
大分県安心院町グリーンツーリズム研究会会長宮田静一 氏
<消費者代表>
グリーンコープ生協くまもと 青果・米委員会委員長板井冨士美氏
●基調講演、取組事例報告に対する会場からの質問等
●パネラー等による意見交換
5閉会

[意見・提案等]
(那須修一さん:(有)那須ファーム代表)
・生産者と消費者が同じ問題意識を共有する心が(安全性を)醸成します。生協や消費者にはガラス張りにしています。いつでも生産現場を確認してもらうことが大事であると思っています(交流用の会議室も設けました)。
・消費者の反応(ニーズ)を見るため、卵の自販機に“ふれあいノート”を置いていたら、多くの意見があった。必ず翌日までには返事を書くようにしたら、3Lや3Sといった規格外も売れるようになりました。
・生産、流通、消費のミスマッチがないようにしていかないといけない。
・私たちは、農産品についてこういうコンセプト持っていますという思いを乗せて産直、直販を始めるわけですが、特に顔をあわせるというのは、台所まで責任を持つという姿勢もあるかと思います。誰が・どのようにして・どこで、というのがいつでも確認できることは重要ではないかと思います。
・交流とか顔をあわせる中で、生産者としてどこを努力しなければならないのか、価格を下げる努力か、生産性か、品質向上かなど、努力する点、改善する点がストレートにわかり、自ずと対応が早くなります。
・地域の中にアグリファン(農業・農産物の応援団)の方は相当いらっしゃると思います。しかし、そういう方の活躍する場が少ないような気がします。あるいは知らされていないところがあるような気がします。
そういう意味では、1つは体験や交流農園等を、例えば我々のグループで作ったり、地域で作ったり、農業団体や行政と一緒にやったりというようなことは重要だと思います。また、例えば、インターネットで作物の成長や生育状況を発信し、それを相互に情報交換することは大事だと思います。
出荷協議会、生産部会あるいは任意の研究会とかが生産者にはあるわけで、そういう中に生活者の方にも加わってもらう、できればアグリファンクラブを作ってもらいたい。アグリサポートされる方もそれなりの組織ができてくれば、私たちも頑張りますし、もっと広くなるのかなと思います。
・九州も農業生産県・供給をするということであれば、足下での信用がまず大事だなと思います。そういうことを生活する人々と共同する、あるいは農業を共有することが必要だと思います。
(井ノ口ツヤ子さん:あんずの里市利用組合長)
・直売所での消費者との交流で消費者の望みがわかります。生産者同士も顔見知りができ、売り方もわかるようになりました。それまでは、生産者の都合で大きな量で売っていましたが、小分けして売るようになりました。
・安全でおいしい旬のものを生産者の値段で売っている。
・生産者の思いを伝えるようになりました。“ふれあいノート(別名:苦情ノート)”を置いて、消費者が書いたものに対し、農産物の消費者自らが返事を書くようにしています。
・子供たちに農業の体験をさせることは重要だと思います。
・給食に地元の産物を入れていかなければならないという考えを持っているわけですが、ここで私たち直売所で行き詰まることは、品揃えです。この辺の教育の仕方、隣の子と比べる、いちごの大きさ、トマトの大きさ、同じものじゃないといけないという教育、自然の中では大小できることを教えて欲しいと考えます。そういうことを乗り越えた学校給食の取組みに援助、助言を農政局とかでやっていただきたいです。是非給食に地元の農産物を入れていきたい。
・BSE問題などで、「本物はあんずの里に行かないと手に入らないのではないか」と、TV取材もあり、その後渋滞を起こすほどの状況です。今、本当のことを知らせる、本当の作り方を生産者から消費者に伝える時期ではないかと思います。
・直売所が農業振興にすごく影響したなという感じがします。今4割である水稲の転作は100%達成されています。小さな荒れ地が、野菜を作るために、女性や高齢者が耕して荒れ地がなくなってきています。直売所を始めて2年目からゲートボールがなくなり、野菜を作るようになり、医者に行くよりはあんずの里へ、というようになりました。女性たちも元気になってきました。直売所では収入は自分の懐に入りますから、自分で計画を立てて自ら働くようになり、すごく意欲的になってきています。
・消費者と交流して何がよかったかというと、やはり生産物を介して農業のことがわかってもらえることだと思います。口だけで言ってもわかりませんが、品物を介して話をするとすごくそこの理解ができるのではないかと思います。生産地の水とか空気とかすごく大切だ、環境が大切だと言われますが、水とか環境などを守っているのは農家の人なのだ、ということが理解していただけるのではないか、と期待を込めています。
・小売りやスーパーでも、良い物を見極めて売れば一緒にやっていけると思います。
・ただ儲ければいいというやり方をすれば信頼が薄れます。B品ならB品ですよと説明して売ること、食べ方、作り方を明記することが大切だと思います。私たちは、情報発信としてインターネットホームページを開いています。季節の野菜の紹介やイベント情報、アクセス情報など色々なことを盛り込みながら発信しています。応援団ともども頑張っていきたいと思います。
(宮田静一さん:安心院グリーンツーリズム研究会会長)
・直売所をはじめたら、いかに自分で値をつけることが大事かということが改めてわかりました。当時、だまって物を作って市場に出しているだけでは食えなくなると肌で感じていました。
・安心院の農村民泊では普通の農家に泊まれるのです。普通の家の中に入って行き、旅館とかとは全然違うんです。親戚感覚で泊まれるんです。このような安心院方式は、お金をかけず内部規約を作ってやっています。
・会員があまりにも人数が増えたので、3年目に専門部を設けました。例えば、アグリ部では約330名いますが、農業体験とか観光農園とかそういう形のもので、今の目標は1年間でできる農業体験マップを作ろうと張り切っています。企画開発部では、藁こづみ大会、ふるさと探訪実践の旅、リバーサイドウオークなどを企画しています。環境美化部、広報部では2~3月に1回新聞を作って出しています。
・「グリーンツーリズムは、別れた時は会うの始まりだ。」と言う方がいます。確実なリピーターになって帰ってきます。必ず戻ってきます。泊まったある方は「お米がおいしい。」と言って1年分買って帰るそうです。泊まることによって農産物を買うわけです。
・繰り返し、繰り返しいろんな人にグリーンツーリズムを理解してもらい、輪を広げることが大事だと思います。
(板井冨士見さん:グリーンコープ生協くまもと青果・米委員長)
・グリーンコープの活動をいろいろやっているうちに産直交流が出てきました。産地に出かけて山、田んぼ、畑に出ていって、生産者と交流し、安心・安全なものを求めています。
・生産者には農薬の散布などで無理を言いますが、生産者と話し合ってやっています。「無農薬、無農薬と言うが、無農薬では作れないではないか」と言われます。それはそうなので、栽培基準を設けて、最低限の農薬は認めています。環境保全ができればよいと思って活動しています。
・国産を守ろう。農業を守ろう。そうすれば環境が守れる。日本の山河が荒れることは悲しいこと。生産者も元気でいて欲しい。どこの誰が作っているのか出所がはっきりしている物が欲しい。産地に出かけるのはどんな所で作っているのか知りたいからです。
・交流していく中ではキャンプもやりますが、子とも達は、本当に生き生きしてきます。農業の応援団でありたいし、農地とか生産者から力をもらいます。
(甲斐諭さん:九州大学大学院農学研究院教授)
・日本の消費者は何を食べているかというと、物を食べるというよりもそれに付随した(外食産業、流通、加工などの)色々なサービス、土地代、労賃などを食べておられるわけで、ある意味では便利さと裏腹で、それが食と農の社会的距離を遠くしているのではないか。それと対置にあるのが、消費者が近くの物を買って、旬の物を自分で料理することと考えます。
・最近は日本型食生活と言いながら外国産のものを食べている現状があります。
・デフレ経済のもと、高齢者もさることながら、若い人も退職・失業している中で、大規模ではなくても2、3反あればそこで野菜を作って物産館に持っていけば生きていける、という新しい社会的意味も物産館にできてきたのではないかと思います。
高齢者にも早期退職者にも、それがその生産力主義だけでは社会化されない資源を社会化できるという意味でも重要かなと思う。それから、自給率の向上やセーフガードにも役立つのかなと思います。
(会場からの意見等)
・地産地消は農村の高齢化と非常に密接に関係しているのではないかと思います。これまでの農政は生産力向上に傾いていて、地域の生活は経済外的活動として捨象されてきたと認識しています。地産地消の現在的意義を考える時、高齢者がその活動に加わっていくことや、都市から無視されがちな価値の見直し作り直されていくことかなと思います。
・地産地消の推進にあたっては、地域の消費者と農業者だけでなく、商工関係者(小売り、スーパーなど)も入った幅広い横のつながりが必要ではないか。

お問い合わせ先

経営・事業支援部事業戦略課
担当者:地産地消推進係
代表:096-211-9111(内線4378)
ダイヤルイン:096-211-9333
FAX:096-211-9825

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