大中尾棚田保全組合(長崎県長崎市)
棚田は宝 無限の力
大中尾棚田は、大村藩主が知行開きをしたとされ、約4.2kmにおよぶ大井手水路とともに現在まで受け継がれています。大中尾地域の人々にとって棚田で米を作り続けることや、そのための水路や棚田の管理を行うことは「何気ない日常」でしたが、平成11年に日本の棚田百選に選定されたことや、グリーンツーリズムへの取組みを通じて、地域外に大中尾棚田の魅力、素晴らしさが認知されたことで、棚田は自分たちだけのものという考えから、多くの人で守っていくものという考えに変わっていきました。
平成14年には大井手水路保全組合を母体として「大中尾棚田保全組合」(以下、保全組合)を設立。同年より、長崎県で初めての棚田オーナー制度を導入し、地域外の力を借りる稲作に転換するとともに、棚田を広くPRするため、案山子コンクールやフォトコンテスト、棚田火祭りを開催し、都市住民との交流を深めています。
現在、棚田米や野菜栽培が継続的に行われ、保全組合設立からこれまで耕作放棄地の発生もなく、棚田を訪れる人々が癒される空間として美しく管理されています。
「日本の棚田百選」に選定された大中尾棚田 (春風景) |
大中尾棚田(秋風景) | 一大イベント「大中尾棚田火祭り」 |
棚田オーナー制度と棚田トラスト制度の取り組み
棚田オーナー制度は、初年度はわずか1組からのスタートでしたが、平成28年度には32組の参加となり、リピーター率は82%になっています。
参加者は基本作業にない水路清掃にも積極的に参加するとともに、一大イベントの「大中尾棚田火祭り」では、自らがPR活動を行なったり、イベント時のボランティアとして協力するなど、棚田オーナー制度のつながりで地域住民との一体化が図られています。
また、平成25年度には棚田トラスト制度の取組みを開始。長崎市内4大学の学生ボランティア約100名を受入れ、地域外の若い世代へも棚田と稲作についての必要性と素晴らしさを伝えることで、新しい後継者の誕生や機械利用組合のオペレーターとして農業への参加も期待されています。
棚田オーナー制度での稲刈り |
棚田トラスト制度を活用した稲刈・掛け干しの様子 |
イベントでのボランティアの様子 |
イベント開催による地域振興と環境整備
自家消費用としてわずかに栽培されていた露地野菜は、棚田オーナー制度などの返礼品、各種イベントでの参加者やボランティアへの食材として利用が拡大し、棚田以外の畑地の利用にもつながったほか、生産者と消費者の顔の見える関係に発展しています。
また、地域外からの訪問者が増加する中で、平成16年度には事業を活用し公衆トイレの整備を行いました。棚田の中での農作業や女子学生の参加に配慮した環境整備も進められています。
棚田米のおにぎり |
地元食材の提供 |
平成29年度豊かなむらづくり全国表彰において、農林水産大臣賞を受賞
これらの取組みが評価され、平成29年度豊かなむらづくり全国表彰において、農林水産大臣賞を受賞されました。
また、平成29年12月21日(木曜日)に熊本地方合同庁舎A棟1階共用会議室において、「平成29年度豊かなむらづくり全国表彰事業九州ブロック表彰式」及び受賞団体の業績発表、講演会が開催されます。
詳しくは、九州農政局ホームページをご覧下さい。
URL:https://www.maff.go.jp/kyusyu/press/shinko/171018.html
添付資料
問い合わせ先
名称:大中尾棚田保全組合
住所:長崎市神浦上大中尾町727番地(会長の自宅)
電話: 0959-24-0533
お問合せ先
企画調整室担当者:松田、木場
代表:096-211-9111(内線4117、4124)
ダイヤルイン:096-300-6012
FAX:096-211-8707