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九州農政局

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林 一磨 氏 (福岡県糸島市)

作業分散や暗きょの設置による排水対策で高い収量を実現

林氏は、水田面積35ha(延べ作付面積54ha)で主食用米、飼料用米、小麦、大麦の土地利用型作物と野菜(施設ナス等)の複合経営に取組む大規模農家。
麦の生産では、小麦は「チクゴイズミ」と県育成品種のラーメン用小麦の「ちくしW2号(ラー麦)」、大麦はビール用の「ほうしゅん」を作付けし、熟期の異なる麦種・品種を組み合わせることによって管理・収穫作業を分散させ、大規模経営を実現しています。
また、土づくりや排水対策の徹底により、県平均を大きく上回る高い収量水準を実現し、上位等級比率も100%となっています。
小麦の採種にも21年間取り組んでおり、雑穂抜き等の徹底により異種・異品種の混入を防ぎ、ここ数年間全量合格となるなど、高い技術レベルで安定した種子生産を実施。
日頃の丁寧な管理作業から地域での信頼が厚く、「糸島米麦採種部会」の会長を歴任し、同部会の牽引者として収量及び品質向上に積極的に取り組んでいます。
林さん(中央)と後継者のお二人 経営作物の概要
林さん(中央)と後継者のお二人  

作業の効率化・コスト削減に向けた取組

麦の作付ほ場は、地域の農地を計画的に引き受けてきたことで、作業倉庫を中心に半径1km以内に集約。3地区に分けたブロックごとに作付品種を統一することで作業効率が図られ、労働時間の短縮につながっています。
また、大型機械による機械化一貫作業の取組みとともに後継者2名との役割分担によって効率的な作業を実施しています。
林氏は、農地中間管理事業等を活用しながら作付面積の拡大や農地の集約化を進めて、後継者とともに更なる大規模経営を目指しています。
3ブロックに分割された麦作付ほ場
3ブロックに分割された麦作付ほ場

技術上の特色(機械の改良・排水対策)

市販の播種機を改良し、耕起・基肥施肥・播種・整地・うね立て(溝切り)を同時に行い、播種作業の効率化を図っています。また、機械の損傷しやすい部分には補強を施し、耐用年数以上に使用できる工夫をしています。
排水対策は、播種直後の大雨により出芽不良が生じた経験から特に徹底しており、播種前にサブソイラーによる弾丸暗渠を4~5m間隔で施工。地下水位が高く乾きにくいほ場では額縁明渠*を施工しています。
また、アップカットロータリ*により播種と同時にうね立てを行うことで排水効果を高めているほか、出芽揃いの安定化を図るため、播種直後に歩行型管理機と鍬で溝さらいを実施し、排水口に溝をつなげています。
排水不良が気になるほ場では、定期的に逆噴射ノズルによる本暗渠の清掃を実施するなど排水性の改善に努めています。
*額縁明渠:ほ場の畦畔沿いに掘る排水溝。
*アップカットロータリ:草などを下層に埋め込み、表層は細かくなることで
播種後の発芽率の向上が期待でき、耕うん同時うね立て播種などに適している。
左が既製品、右は交換する丈夫な角パイプ 鎮圧ローラ接続アームの補強 肥料ホッパー、作業台、播種ホッパーの改良設置状況
左が既製品、右は交換する丈夫な角パイプ 鎮圧ローラ接続アームの補強    肥料ホッパー、作業台、播種ホッパーの改良設置状況

平成30年度全国麦作共励会(農家の部)において農林水産大臣賞を受賞

これらの取組みが評価され、平成30年度全国麦作共励会(農家の部)において農林水産大臣賞を受賞されました。

イベント情報

◎「平成30年度全国麦作共励会中央表彰式」
日時:平成31年2月21日(木曜日)10時30分~
会場:ホテル ルポール麹町 3階「マーブルの間」(東京都千代田区平河町2-4-3)

問い合わせ先

名称:福岡農林事務所  福岡普及指導センター
住所:福岡県福岡市西区大字飯氏902-1
電話:092-806-3400

〈添付資料〉林 一磨 氏(PDF : 407KB)

お問合せ先

企画調整室
担当者:松田、木場
代表:096-211-9111(内線4117、4124)
ダイヤルイン:096-300-6012
FAX:096-211-8707

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