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「曽於北部地区」は、鹿児島県大隅半島の北部に位置し、北に霧島山系、南に高隈山系を望み、北東は宮崎県都城市と境を接した曽於市(旧曽於郡大隅町、財部町及び末吉町が平成17年7月1日に合併)の標高160~390mのシラス台地上に広がる約2,000haの畑作農業地帯です。この地区の北部から中央部にかけては、大淀川の支流、溝之口川や谷川内川などの中小河川が東へ延びて大淀川に合流しています。南部では曽於地域最大の河川である菱田川が東へ延びた後に、志布志湾へ注いでいます。気候は年平均気温16℃、年平均降水量は2,000mmを越えて温暖多雨ですが、降雨は梅雨期と台風時に偏っていることに加え、畑地のほとんどが南九州特有の火山灰に覆われた特殊土壌地帯です。
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シラス台地 |
上空より地区内の畑地を望む |
日本の食糧供給基地を自任する鹿児島県の中でも、耕地のおよそ7割を平坦な畑地が占めるなど地形条件に恵まれていますが、シラスなどの水持ちの悪い火山灰性特殊土壌地帯であることに加え、かんがい施設が未整備なことから、干ばつ等の被害を受けやすくなっています。
畜産が盛んで、露地野菜、葉たばこ、かんしょ等との複合経営による営農が展開されているなど、働く人の約3割が従事する農業は曽於市の基幹産業で、今後も農業発展を軸に地域の振興を図っていくこととされています。
地域を代表するブランド作物であるお茶は、近年需要が延びてきていることから、栽培面積は増加傾向にあります。また、焼酎の生産量急増を背景に原料のかんしょも生産拡大が求められています。
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牛舎の周囲で作付されている飼料作物 |
干ばつに強いかんしょの栽培 |
本事業では、大淀川水系谷川内川に「谷川内ダム」、溝之口川に「粟谷頭首工」を建設して新規水源を確保し、このかんがい用水を農地に送るための「用水路」、「ファ-ムポンド」、「揚水機場」等を建設します。県営事業による末端畑地かんがい施設が整備されれば、干ばつ被害を恐れなくてよいばかりか、新しい作物の導入や計画的な栽培出荷、農作業の省力化等が可能となり、安定的な農業経営と地域の発展が図られます。
地区内では専業農家や経営規模の拡大を図る農家数が全国を上回る増加率を示して おり、水を利用した生産性の高い畑作営農の展開が、地域の農業発展に大きな弾みを与えるものとして期待されています。
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防霜用水が待たれるお茶 |
さといもへのかん水 |
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谷川内ダム完成予想図 |
ファームポンド完成予想図 |
この地域には豊かな自然環境や市民の安らぎの空間となるような景観が多く残っています。クマガイソウ、エビネなどの貴重種やニホンアカガエルなどの鹿児島県レッドデータブックで分布特性上重要とされている種も観察されています。この事業では、こうした自然環境との調和に配慮するために、動植物の専門家などによる委員会を置き、工事施工箇所付近に存在する動植物や自然との調和を考えながら工事を行っています。
(本地区で確認されている貴重種)
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クマガイソウ |
エビネ |
日本アカガエル |
(動植物や自然との調和を考慮した工事)
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階段式魚道 |
這い上がり測溝 |