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九州農政局

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 「平成29年度第1回消費者団体等との意見交換会」を開催しました(熊本県熊本市)

九州農政局では、食品安全に係る施策や消費者の方々の関心の高いテーマについて、消費者団体等の皆様との意見交換会を開催しています。今回は、熊本県等の消費者団体等の方々を対象に「加工肉やトランス脂肪酸による健康への影響」をテーマに開催しました。

1 日時・場所

日時:平成29年7月11日(水曜日) 13時30分~15時40分
場所:熊本市西区春日2-10-1  熊本地方合同庁舎A棟共用会議室

2 テーマ(話題提供)

「安全で健やかな食生活を送るために~加工肉やトランス脂肪酸を事例に~」

3 出席者

 消費者団体等 (11団体:順不同)
  ・特定非営利活動法人熊本消費者協会
  ・熊本県消費者団体連絡協議会
  ・JA熊本県女性組織協議会
  ・熊本市食生活改善推進員協議会
  ・生活協同組合くまもと
  ・生活協同組合熊本いのちと土を考える会
  ・くまもとの食・農・健康を創る会
  ・コープ九州事業連合
  ・公益財団法人鹿児島県学校給食会
  ・熊本県学校栄養士協議会
  ・NPO法人くまもと食農応援団

4 開催内容

「加工肉及びレッドミート」の摂取による発がん性との関わり、並びに食品中の「トランス脂肪酸」による健康への影響、併せて食品安全に関する最近の話題について情報提供するとともに、消費者団体等の皆様と幅広く意見交換を行いました。


1 安全で健やかな食生活を送るために~加工肉やトランス脂肪酸を事例に~
      九州農政局消費・安全部表示・規格課      主任広域監視官   森   信夫
      九州農政局佐賀県拠点消費・安全チーム   総括広域監視官   松村 研一
 
2 食品安全に関する最近の話題について
      農林水産省消費・安全局食品安全政策課  課長補佐(リスク管理企画班)   阪本 和広

<参考>
1 国際がん研究機関(IARC)による加工肉及びレッドミートの発がん性分類評価について【農林水産省へリンク】
2 トランス脂肪酸に関する情報【農林水産省へリンク】

意見交換会の様子

5 出席者からの質問・意見等

話題提供に関する内容を掲載しております。
また、開催後の問合せを含んでいます。


<質問>は、消費者団体等からの質問等
<回答>は、九州農政局等からの回答

<質問>
加工肉の工程にはどのような添加物が使用されているのですか。また、その工程を知りたい。
<回答>
加工肉のハム、ソーセージ、ベーコンについては、食品表示法に基づく食品表示基準において、個別に原材料や製造工程などが決まっています。これらに該当すれば商品の名称欄にソーセージやベーコンなどと記載できます。代表してソーセージの加工工程を食品表示基準に基づき説明します。
まず、家畜の肉を塩漬し、ミンチにします。塩漬のときに添加物の発色剤を使用しますが、これは色を付けるものではなく、肉が持ってる本来の色を固定させる意味があり、肉が変色するのを防止することが目的です。もう一点、ボツリヌス菌などの菌の増殖を抑える意味もあります。発色剤には亜硝酸ナトリウムなどが使われます。
その後に、塩漬したお肉をミンチにして、それにまた別の肉とか内臓肉とかを混ぜる工程があり、香辛料などで味付けをしたり、添加物を加えます。この時に使用する添加物が、結着補強剤です。これは原材料をくっつくようにするとか、水分を保持させるとかの意味がありリン酸塩(Na)などが使われ、肉の弾力、やわらかい食感を出すために使用するものです。
あとは、酸化防止剤、これはビタミンCなどで、空気に触れることによる酸化、劣化などを防ぐものです。
他にも保存料、保存性を高めるということでソルビン酸などが使われます。これは、細菌とか微生物の増殖を抑えるために使用します。
こういったものをもう一回混ぜて、こんどは充填、ソーセージであればケーシングと言いますけれど、動物の腸などに充填していくということです。
その後に燻煙して加熱し、その後、冷やして出荷ということになりますが、今申しました工程というのは、代表的なものの概略ですので商品によって異なることもありますし、添加物もすべて使用するというものでもありません。
これ以外にも調味料であったりとかpH調整剤とか別の添加物を使用するということがあります。

<質問>
講話の最初に食品のリスクというのは量の問題であるということとバランス良く食べるということが大事であるとのお話しがありました。
私ども学校現場では、子供たちに、好き嫌い無く、偏り無く、バランス良く食べようという教えをずっとしてきており、それが今日のお話の中でも、最新の調査に基づく報告の中でも、理解出来たことは、改めて間違っていなかったととても感じました。
また、私自身管理栄養士をしていますので、自分自身が健康でないと子供達には説得力ある指導が出来ませんので、かなり食品表示であったりとか添加物とか毎日の生活の中で見ています。
お店を見てみますと、安くて手軽に、ファットスプレッド、ショートニング等を使った菓子パンが販売されていて、朝には山積みされていたものが夕方にはほとんど残ってないという感じで、それが全部売れたんだと私は正直なところちょっと怖いと感じています。
トランス脂肪酸というのは天然にも含まれていて、バターとか乳製品とかに入っているのですが、例えば科学的に作られたマーガリン、ショートニング、ファットスプレッド等に含まれるトランス脂肪酸とはどのような違いがあるのでしょうか。
<回答>
天然のものと加工されて出来たものとの違いは、加工により出来たものについては、部分水素展開油脂という水素を加工途中に添加することによってトランス脂肪酸が出来てるものと、油脂を高温処理して精製する際に出来るものがあります。
天然に出来るものは、牛とか山羊等の反芻動物の胃の中の細菌によって出来ることがあり、トランス脂肪酸であることには変わりは無いですが、天然に出来るトランス脂肪酸は非常に微量ということもあります。
また、現在日本人のトランス脂肪酸の摂取量は非常に少ないので、あまりご心配になることは無いと思っています。
ただ、それよりも脂質のとりすぎや、逆にトランス脂肪酸を避けたいがために飽和脂肪酸に切り替えてしまうことによって、飽和脂肪酸のとりすぎになることの方が非常に懸念されますので、バランスの良い食生活の中で脂質のとりすぎと脂質の質について気を付けていただくことの方がよろしいと思います。
<回答>(補足)
まず、バターとかの乳製品由来のものは、元々その原材料の乳製品に含まれています。トランス脂肪酸というのは炭素の鎖がつながったものという話しをしましたが、その鎖の長さが違います。このため、一口にトランス脂肪酸と言っても色々な種類があります。炭素の長さが8個のものもあれば、18個、16個のものもあって、二重結合の位置も8番目や10番目のところにくっついているのもあります。
それでは、マーガリンとショートニングとバターとでは含まれているトランス脂肪酸の種類は同じかというと違います。なぜ違うのかと言うと、元々原料として使っているものが違うからです。
次に、それぞれのトランス脂肪酸の分子がそれぞれたくさんの分子種がありますが、それごとにどういう健康影響があるかについては、まだ、今の時点では知見が不足しており、この炭素の長さだと健康に悪影響が有るのということは今の時点では解っていません。
それで、資料の中にトランス脂肪酸の含有量のスライドがあり、マーガリンとかショートニング、ファットスプレッド、バターについて実際どれくらいトランス脂肪酸が含まれているのか記載していますけど、一口にマーガリンと申しましても、最小値を見ると含有量としては少ないものもあれば、最大値を見ると高いものもあります。
ですので、先ほども説明しましたが、水素添加をする方法で出来たものがトランス脂肪酸の含有量が高いのであって、脂肪酸の二重結合を減らす他のやり方もあります。アメリカでトランス脂肪酸の規制が始まることもあり、輸出を念頭に置いている企業では、水素添加以外の方法で水素添加と同じ目的を達成するというやり方に変わってきていますので、そういった面から考えると、食品に含まれるトランス脂肪酸の含有量としては減ってきていると思います。
先ほど菓子パンの話がありましたが、パン工業会という大手のパンメーカーの団体があり、そちらのウェブサイトをご覧頂くと、具体的にどの商品にどれくらいのトランス脂肪酸が含まれているか情報開示をしています。
また、各メーカーのウェブサイトを見ていただくと個々の商品ごとにトランス脂肪酸がどれくらい含まれているのかといった情報も見ることが出来ますので、もしお気になるようでしたらそういったウェブサイトも是非ご覧いただければと思います。

<質問>
トランス脂肪酸については、体の中では他の脂肪酸と同じように吸収、代謝されるので、体に特別蓄積しやすいということはないと、この間、会員に説明していましたが、「トランス脂肪酸は体の外に出るのに特に時間がかかるし、残りやすい。」との記述が、食品安全委員会の山添 康 委員の著書に書かれていました。他の脂肪酸と比べて代謝はされるが、代謝に時間がかかるという理解でよいのでしょうか。
<回答>
食品安全委員会が公表した食品に含まれるトランス脂肪酸に係る食品健康影響評価によると、
(1)トランス脂肪酸も他の脂肪酸と同様に、非常良く吸収される(炭素が18個で二重結合が1つのトランス脂肪酸の場合吸収率は99%であり、炭素が18個のシス型の二重結合を持つ不飽和脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸と吸収量は変わらない)。
(2)食事に含まれるトランス脂肪酸と同じトランス脂肪酸が中性脂肪に蓄積、食事に含まれるトランス脂肪酸と異なるトランス脂肪酸が細胞膜を構成するリン脂質に取り込まれている。
と報告されています。
トランス脂肪酸とシス型の二重結合を持つ脂肪酸を比べると、同程度が細胞内に取り込まれること、細胞内の代謝が異なることが分かっていますが、代謝に時間がかかるかどうかは明らかではありません。

<質問>
トランス脂肪酸問題について、現状、どのような課題認識を持っておられるのでしょうか。
<回答>
農林水産省と食品安全委員会の摂取量推定の結果、日本人の大多数が国際機関の摂取量の目標値(エネルギー比1%未満)を満たしており、リスクは小さいと考えています。
農林水産省は「優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」において、トランス脂肪酸を「危害要因の毒性や含有の可能性等の関連情報を収集する必要がある危害要因」の一つに位置づけ、消費者や事業者の皆様にトランス脂肪酸に関する情報を継続的に提供するため、トランス脂肪酸に関する科学文献の調査や国内外の情報の収集・解析を継続するとともに、必要に応じて加工食品中の含有実態を調査しています。

<質問>
日本人のためのがん予防法の説明資料中に「熱い飲み物やたべものは冷まして」とありますが、その理由を教えてください。
<回答>
「日本人のためのがん予防法」を公表した国立がん研究センターによると、「飲み物や食べ物を熱いままとると、食道がんと食道炎のリスクが高くなるという報告が数多くあるため、飲み物や食べ物が熱い場合は、少し冷まし、口の中や食道の粘膜を傷つけないこと」としています。
また、国際がん研究機関は、非常に熱い飲み物(65℃以上)について、中国、イラン、トルコ、南米などの茶やマテ茶を70℃以上の高温で飲用する地域における疫学研究の結果、飲む温度が高い群(65℃以上)はそうでない群よりも食道がんを発生する割合が増加したこと、及び動物実験の結果、65℃以上の水をラット・マウスに投与すると食道がんが発生したことから、ヒトと実験動物の発がんについて限られた証拠があるとし、「グループ2A」(人に対しておそらく発がん性がある)に分類しました。
急須やティーポットなどから湯飲みやカップに注ぐと、飲み物の温度は下がりますが、熱い場合は、少し冷まして飲むよう心がけましょう。

農林水産省ホームページ(最近の話題:非常に熱い飲料等)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/wadai.html

<質問>
乳児ボツリヌス症の予防のためには「1歳未満」の赤ちゃんには食べさせないとありますが、1歳未満としている根拠について教えてください。例えば、1歳半の場合はどうなのでしょうか。
<回答>
厚生労働省は次のように説明しています。
(1) 1 歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあります。乳児ボツリヌス症は、国内では、保健所が食中毒として報告した事例は1986年以降3例、医師が乳児ボツリヌス症として報告した事例は1999年以降16例あります。
また、欧米でも発生しており、米国では毎年100例以上の発生報告があります。乳児ボツリヌス症の発生原因は、食品としてハチミツが指摘されていますが、ハチミツを食べていない例(国内では井戸水)も報告されています。
(2)ハチミツは1歳未満の赤ちゃんにリスクが高い食品です。ボツリヌス菌は、土壌中などに広く存在している細菌です。ボツリヌス菌が食品などを介して口から体内にはいると、大人の腸内では、ボツリヌス菌が他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、通常、何も起こりません。
一方、赤ちゃんの場合、まだ腸内環境が整っておらず、ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すため、便秘、ほ乳力の低下、元気の消失、泣き声の変化、首のすわりが悪くなる、といった症状を引き起こすことがあります。ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。
なお、1歳以上の方にとっては、ハチミツはリスクの高い食品ではありません。
(3)詳しい内容や、1歳半のお子様に蜂蜜を食べさせて良いか等、医学的な知見につきましては、最寄りの保健所にご確認願います。

<質問>
「食品安全に関する最近の話題について」のアニサキスの資料で、ヒラメも当該幼虫が寄生しているとの記述がありますが、ヒラメでは「クドア・セプテンプンクタータ」という寄生虫による食中毒が思い浮かぶのですが、アニサキスも寄生する場合もあるのでしょうか。また、最近のヒラメのアニサキスによる食中毒事例等があれば教えてください。
<回答>
ヒラメのアニサキスによる食中毒事例もあります。厚生労働省の食中毒統計によると、平成26~28年の間に、原因食品がヒラメと推定されるアニサキスの食中毒事例は5件報告されています。いずれも刺身やカルパッチョ等として、ヒラメを生で食べたことで発生しています。農林水産省はアニサキスに関する詳細な情報をリスクプロファイルシートにまとめていますのでご参照ください。

農林水産省ホームページ(農林水産省が優先的にリスク管理を行う対象に位置付けている危害要因についての情報:有害微生物:アニサキス(リスクプロファイルシート))
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard-info.html

<その他の意見等>
日本の栄養学への提案
今後の日本農業の強化策としての意見


九州農政局は、今後も消費者団体等の皆様との意見交換会を開催していくこととしています。

お問合せ先

消費・安全部消費生活課
担当者:消費者行政専門官
代表:096-211-9111(内線4215)
ダイヤルイン:096-300-6119
FAX:096-211-9700

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