植物検疫ギャラリー(昔の植物検疫)
植物検疫を行うきっかけとなったブドウネアブラムシです。 1850年代、ブドウネアブラムシは、アメリカ合衆国からブドウ苗とともにフランスに侵入し、フランスのブドウ園は甚大な被害を受けて荒廃し、当時のワイン生産量が30%程度に減少したと言われています。 フランスでのブドウネアブラムシの被害を知ったドイツは、ブドウネアブラムシが自国に侵入するのを恐れ、1872年(明治5年)「ブドウ害虫予防令」を公布し、繁殖用ブドウ苗の輸入を禁止しました。これが輸入植物検疫の始まりと言われています。 |
|
日本在来の昆虫が外国に渡って大きな被害を及ぼした代表であるマメコガネです。 マメコガネは、日本ではほとんど被害を及ぼさなかった害虫でしたが、明治後半に日本からアメリカ合衆国へ侵入し、日本ではほとんど害することがなかったダイズやジャガイモを食い荒らし、大きな被害を及ぼしました。 |
|
海外から侵入して大きな被害を及ぼした代表であるヤノネカイガラムシです。 ヤノネカイガラムシは、かんきつ類の樹液や果汁を吸い、果実を変形させたり、ひどい場合には樹を枯らす害虫であり、明治時代に中国から日本に侵入したと考えられています。 ヤノネカイガラムシの他にもリンゴワタムシ、根頭がんしゅ病など多くの植物の病害虫が侵入し、農業生産は重大な脅威を受けることになりました。 |
|
大正時代、植物検査場で植物の検査が行われている風景です。 日本では、1914年(大正3年)「輸出入植物取締法」が施行され、日本の植物検疫が開始されました。 現在、日本の植物検疫は、国際植物防疫条約、衛生植物検疫措置の適用に関する協定などの国際間のルール及び日本の植物検疫の法律である植物防疫法に基づき行っています。 |
|
大正時代、客船上で旅行者が携行手荷物として持ち込んだ植物の検査風景です。 | |
昭和時代、空港で旅行客が携行手荷物として持ち込んだ植物の検査風景です。 |