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植物防疫所

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チリ産さくらんぼ生果実に関する植物検疫実施細則
 
〔平成13年10月31日 13生産第5599号生産局長通達〕
 

沿革
平成17年01月05日 16消安第7236号 [一部改正]
平成17年12月27日 17消安第9180号 [一部改正]
平成26年02月07日 25消安第5248号 [一部改正]
令和03年01月12日 2消安第4283号 [一部改正]
 
 
   植物防疫法施行規則別表2の付表第38のチリから発送されるさくらんぼの生果実に係る農林水産大臣が定める基準(平成26年2月7日農林水産省告示第193号。以下「告示」という。)1の(1)に規定する生果実(以下「生果実」という。)に係る植物検疫の実施については、告示で規定するもののほか、この細則に定めるところによる。なお、告示1の(2)に規定するものに係る植物検疫の実施については、チリの指定生産地で生産されるさくらんぼ生果実に関する植物検疫実施細則(平成26年2月7日25消安第5248号消費・安全局長通知)に定めるところによるものとし、この細則の規定は適用しない。
 
 
1  くん蒸施設
   告示5の生産地における消毒のためのくん蒸施設は、次の条件を満たすものとされている。
(1) くん蒸中一定のガス濃度を保持しうる気密性を有するものであること。
(2) くん蒸施設内のガス濃度を外部から測定できる構造であること。
(3) くん蒸施設内のガス濃度を均一にする装置及び消毒終了後速やかにガスを排出する装置を有するものであること。
(4) 臭化メチルの投薬装置が設備されていること。
(5) くん蒸施設内の温度を外部から随時測定できる装置を有するものであること。
 
2  くん蒸施設の調査
(1) 植物防疫官は、告示5のくん蒸施設について、1の条件を満たすものであることを確認するため、毎年、原則として、当該施設の使用開始前に調査を行うものとする。
   ただし、植物防疫官が必要と認めたときは、使用期間中においても随時調査することができるものとする。
(2) (1)の調査は、原則として、チリ植物防疫機関が行う日本向け生果実のくん蒸施設の指定のための調査と共同して行うものとする。
(3) (1)の調査において、くん蒸施設の気密性の確認は、次のいずれかの方法により行うものとする。
  当該施設の内容積1立方メートル当たり臭化メチル10グラムを使用して空くん蒸を行い、48時間後における施設内空間の上、中、下3点のガス濃度を測定し、その平均測定値が使用量の70パーセント以上であることをもって行うこと。
  当該施設の内部の圧力をケロシン液柱50ミリメートルに上げ、5ミリメ-トルに下がるまでの時間が22秒以上であることをもって行うこと。
 
3  検査及び消毒の実施の確認
(1) 消毒の実施の確認
   植物防疫官は、告示6の消毒の実施の確認について、次により、原則として、チリ植物防疫機関と共同して行うものとする。
  告示5の(2)によりくん蒸を実施する場合
(ア) 所定の薬量及び温度条件の下に所定の時間くん蒸が行われたことを確認すること。
(イ) ガス濃度の測定に用いられるパイプは、収着性の小さい材質であるとともに、測定点としてくん蒸施設中央部の上、中及び下の3点の空間部に設置されていることを確認すること。
(ウ) 消毒開始前に、ガス濃度測定機器は1.0mg/L以上の精度を有したものであり、適切に校正されたものであることを確認すること。
(エ) 生果実の積付けがガス濃度の均一化を阻害しないように行われたことを確認すること。
(オ) くん蒸中は常時ガスの循環が行われたことを確認すること。
(カ) くん蒸施設内の臭化メチルの濃度をグラム毎立方メートル(ミリグラム毎リットル)で表した数値とくん蒸時間数との積(以下「CT値」という。)は、くん蒸中のガス濃度から次により計算されるものとし、CT値が所定の値以上であることを確認すること。なお、ガス濃度は、(イ)において定める3点の臭化メチル濃度を測定し、その3点の平均測定値を用いるものとする。
 
CT値(mg・h/L)=(7.5 C15+22.5 C30+45 C60+30 C120)/60
   Cn:n分後のガス濃度(mg/L )
 
(キ) (カ)により求めたCT値が所定の値を下回った場合は、くん蒸時間が次の計算式により求めた時間分延長されたことを確認すること。なお、延長時間は、5分単位で切り上げること。
 
延長時間(分)= 60(95.9-CT値)/C120 
 
(ク) こん包してくん蒸する場合には、こん包の通気性を確認すること。
  告示5の(3)によりくん蒸を実施する場合
(ア) 所定の薬量及び温度条件の下に所定のくん蒸が行われたことを確認すること。
(イ) 未包装のままで行う場合、1回に処理する生果実の量が、くん蒸施設の内容積の26.9パーセントを超えないことを確認すること。
(ウ) 包装して行う場合、1回に処理する生果実の量が、くん蒸施設の内容積の19.2パーセントを超えないこと及び包装は十分な通気性を有することを確認すること。
(エ) 積付けがガス濃度の均一化を阻害しないように行われたこと及びくん蒸中は常 時ガスの循環が行われたことを確認すること。
(2) 検査の実施の確認
  植物防疫官は、告示6の検査の実施の確認について、生果実のこん包数の2パーセント以上について、チリ植物防疫機関が行う検査に立ち会い、検疫有害動植物、特にコドリンガがないことを確認するものとする。
  植物防疫官は、アの確認の結果、コドリンガが発見されたときは、コドリンガが付着した原因についてチリ植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは以後の消毒の実施の確認を行わないものとする。
  植物防疫官は、(1)により消毒が完全に行われたこと、及びアにより検疫有害動植物がないことを確認したときは、植物検疫証明書の余白に氏名を付記する。
 
4  こん包施設
   告示7のこん包施設は、チリ植物防疫機関が指定することとし、指定又は取消しの都度、その施設名、場所、所有者名及び指定年月日を記載した一覧表が作成され、日本国植物防疫機関宛てに通知されるものとされている。
 
5  表示
   告示9の輸出植物検疫終了の表示は次の(1)の様式、仕向地の表示は次の(2)の字句によるものとし、こん包の側面等の見やすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるものとされている。 
(1) 輸出植物検疫終了の表示 
 TI.jpg  
 
(2) 仕向地の表示 
FOR  JAPAN
 
6  輸入検査
(1) 植物防疫官は、輸入港において、輸入された生果実及び添付されている植物検疫証明書を確認して輸入検査を行うものとする。
(2) 植物防疫官は、植物検疫証明書が添付されていない場合、告示6の植物防疫官による確認が行われていない場合、告示8の封印がなされていない場合、告示9の表示がなされていない場合、又はこん包が破損若しくは開封されている場合には、当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、当該生果実の廃棄又は返送を命ずるものとする。
(3) (1)及び(2)以外の輸入検疫の手続及び方法は、植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号)及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第206号)によるものとする。
(4) 植物防疫官は、コドリンガが発見された場合には、次の措置を講ずるものとする。
  当該生果実を所有し、又は管理する者に対し、コドリンガが発見された荷口全量の廃棄又は返送を命ずること。
  コドリンガが付着した原因について、チリ植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは以後の輸入検査を中止すること。