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植物防疫所

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アメリカ合衆国産さくらんぼ生果実に関する植物検疫実施細則
 
〔昭和53年5月2日 53農蚕第3029号農蚕園芸局長通達〕
 

沿革
平成 元年06月06日 元農蚕第   3090号[一部改正]
平成09年04日01日   9農産第  2322号[一部改正]
平成10年04月01日 10農産第  2747号[一部改正]
平成14年01月29日 13生産第  8103号[一部改正]
平成16年04月06日 15消安第  6978号[一部改正]
平成21年03月03日 20消安第12243号[一部改正]
平成21年06月05日 21消安第  1769号[一部改正]
平成25年05月31日 25消安第    989号[一部改正]
 
 
   植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号。以下「規則」という。)別表2の付表第19のアメリカ合衆国産のさくらんぼ生果実に係る農林水産大臣が定める基準を定める件(平成4年5月6日農林水産省告示第 518号(以下「告示」という。)1の(1)に規定するものに係る植物検疫の実施については、告示で規定するもののほか、この細則に定めるところによる。なお、告示1の(2)に規定する生果実に係る植物検疫の実施については、アメリカ合衆国の指定生産地で生産されるさくらんぼ生果実に関する植物検疫実施細則(平成21年6月5日21消安第1769号消費・安全局長通達)に定めるところによるものとし、この細則の規定は適用しない。
 
 
1  くん蒸施設
   告示5の生産地における消毒のためのくん蒸施設は、次の条件を満足しているものとされている。
(1) くん蒸中一定のガス濃度を保持しうる気密性を有するものであることが次のいずれかの方法により確認されていること。
  当該施設の内容積1立方メートル当たり臭化メチル10グラムを使用して空くん蒸を行い、48時間後における施設内空間の上、中、下3点のガス濃度を測定し、その平均測定値が使用量の70パーセント以上であることをもって行うこと。
  当該施設の内部の圧力をケロシン液柱25ミリメートルに上げ、2.5ミリメートルに下がるまでの時間が60秒以上であることをもって行うこと。
(2) くん蒸施設内のガス濃度を外部から測定できる構造であること。
(3) くん蒸施設内のガス濃度を均一にする装置及び消毒終了後速やかにガスを排出する装置を有するものであること。
(4) 臭化メチルの投薬装置が設備されていること。
(5) くん蒸施設内の温度を外部から随時測定できる装置を有するものであること。
 
2  こん包施設
   告示7のこん包施設は、アメリカ合衆国植物防疫機関が指定することとし、指定又は取消しを行う場合には、日本国植物防疫機関宛てに通知されるものとされている。
 
3  くん蒸施設の調査の確認
   植物防疫官は、告示5のくん蒸施設について、1の条件を満足するものであることを原則として1年に1回以上確認するものとする。
 
4  検査及び消毒の実施の確認
   告示6の検査及び消毒の実施の確認は、原則として1年に1回以上、次により行うものとする。
(1) 消毒の実施の確認
  告示5の(2)によりくん蒸を実施する場合
(ア) 所定の薬量及び温度条件の下に所定の時間くん蒸が行われていることを確認すること。
(イ) ガス濃度の測定に用いられるパイプは、収着性の小さい材質であるとともに、測定点としてくん蒸施設中央部の上、中及び下の3点の空間部に設置されていることを確認すること。
(ウ) 消毒開始前に、ガス濃度測定機器は1.0mg/L以上の精度を有したものであり、適切に校正されたものであることを確認すること。
(エ) 生果実の積付けがガス濃度の均一化を阻害しないよう行われていることを確認すること。
(オ) くん蒸中は常時ガスの循環が行われていることを確認すること。
(カ) くん蒸施設内の臭化メチルの濃度をグラム毎立方メートル(ミリグラム毎リットル)で表した数値とくん蒸時間数との積(以下「CT値」という。)は、くん蒸中のガス濃度から次により計算するものとし、CT値が所定の値以上であることを確認すること。なお、ガス濃度は(イ)において定める3点の臭化メチル濃度を測定し、その3点の平均測定値を用いるものとする。 
 
        CT値(mg・h/ L)=(7.5C15+22.5C30+45C60+30C120)/60
        Cn:n分後のガス濃度(mg/L) 

(キ) (カ)により求めたCT値が所定の値を下回った場合は、くん蒸時間を次の計算式により求めた時間分が延長されたことを確認すること。なお、延長時間は5分単位で切り上げること。
        延長時間(分)=60(61.9-CT値)/C120
(ク) こん包してくん蒸する場合には、こん包の通気性を確認すること。
  告示5の(3)によりくん蒸を実施する場合
(ア) アメリカ合衆国植物防疫機関が指定した大きさである生果実の直径2.0センチメートルを超えるよう選果されていることを確認すること。
(イ) 所定の薬量及び温度条件の下に所定の時間くん蒸が行われていることを確認すること。
(ウ) 1回に処理する生果実の量がくん蒸施設の内容積の50パーセントを超えず、かつ、積付けがガス濃度の均一化を阻害しないように行われていることを確認すること。
(エ) くん蒸中は常時ガスの循環が行われていることを確認すること。
  アメリカ合衆国植物防疫機関が記録した告示5の消毒の実施記録を確認し、消毒実施が十分であったことを確認すること。
(2) 輸出検査の確認
  さくらんぼ生果実のこん包数の1パ-セント以上について、アメリカ合衆国植物防疫機関が行う検査に立ち会い、検疫有害動植物、特にコドリンガのほかオウトウミバエがないことを確認すること。
  アメリカ合衆国植物防疫機関が記録した告示4の(1)の輸出検査の実施記録を確認し、輸出検査においてコドリンガ及びオウトウミバエが発見されなかったことを確認すること。
(3) (1)及び(2)の結果、消毒実施が不十分であると判断されたとき又はコドリンガ若しくはオウトウミバエが発見されたときは、その原因についてアメリカ合衆国植物防疫機関と共同して調査し、原因が判明するまでは以後の輸出を停止するものとする。
 
5  表示
   告示9の表示は、それぞれ次の字句によるものとし、こん包の側面等見やすい場所に、容易に確認できる大きさで行われるものとされている。
(ア) 輸出植物検疫終了の表示
               TREATED
         PPQ-APHIS-USDA

(イ) 仕向地の表示
         FOR JAPAN

       又は

           FOR
         JAPAN
 
6  輸入検査
(1) 輸入検査は、輸入港において、当該さくらんぼ生果実及び添付されている植物検疫証明書を確認して行うものとする。
(2) 植物検疫証明書が添付されていない場合、告示6の植物防疫官による確認が行われていない場合、告示8の封印がなされていない場合、告示9の表示がなされていない場合、又はこん包が破損している場合には、当該生果実の廃棄又は返送を指示するものとする。
(3) (1)及び(2)以外の輸入検査の手続及び方法は、規則及び輸入植物検疫規程(昭和25年7月8日農林省告示第 206号)によるものとする。
(4) コドリンガが発見された場合には、次により措置するものとする。
  当該荷口の全量の廃棄又は返送を指示すること。
  コドリンガが付着した原因について、アメリカ合衆国植物防疫機関と共同して調査し、その原因が判明するまでは以後の輸入検査を中止すること