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農林水産政策研究所

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所長挨拶

農林水産政策研究所長  佐藤 速水 (さとう はやみ)
農林水産政策研究所長 佐藤 速水

 

時代を見通した政策への貢献を目指して

  農林水産政策研究所長の佐藤速水です。7月10日付で別所智博前所長の後任を務めることとなりました。よろしくお願い申し上げます。

  農林水産省では、平成25年12月に決定された「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づき、産業政策と地域政策を車の両輪とする農政改革を進めています。農地中間管理機構の整備・活用等による農地の集積・集約、農協・農業委員会の改革、米政策の見直し、国産農林水産物の輸出、日本型直接支払の法制化などを進めてきました。
  昨年11月には「農業競争力強化プログラム」を取りまとめ、農業者の努力のみによっては解決できない構造的な問題を解決し、農業者が自由に経営できる環境を整備するため、13項目の改革を示しました。そして、生産資材価格の引下げ、流通・加工構造の改革、生乳流通改革、土地改良制度の見直し、収入保険制度の導入、人材力の強化等に取り組んでいます。
  これら一連の改革の背景には、我が国の社会・経済や農業構造が大きく変化し、その傾向は今後も続いていくのではないかという問題意識があると考えます。
  我が国の人口は減少局面に入り、この20年で高齢化率は大幅に伸び(14.5%→26.8%)、飲食料の市場規模は縮小(83兆円→76兆円)、農業総産出額も10.4兆円から8.8兆円に減少しました。農業就業人口は半減、耕地面積も10%減少しました。2050年には総人口が9700万と予想される中で、食料・農業関係の市場規模は更に縮小する可能性があります。また、農村社会はかつての1ヘクタール規模の自作農が大部分を占めていた均質的な空間ではなくなり、担い手が全農地の5割を経営するようになり、近い将来8割とする目標が掲げられています。
  他方、世界に目を転じると、総人口は増え続け、2050年の飲食料の市場規模は2009年の2倍の680兆円と予想されています。世界の農産物市場は大きく増加する可能性があるのです。こうした中で、日本農業の実力を見ると、農林水産業のGDPは世界10位なのに対し、農産物輸出額は世界60位です。国内だけを見ていると農業の将来は厳しいものに見えますが、世界を視野に入れると大変大きなマーケットが広がっていると言えます。これを我が国農業として取り込んでいくことは、実力から見ても決して夢物語ではないと考えます。

  農林水産政策は、担い手を中心とする経営者が将来を見据えて投資を行い経営発展できるようにする、農山漁村地域が長期的なビジョンに基づいて自助・共助・公助の力を発揮し地域としての活力を取り戻す、それらを支援するものであることが求められます。我が国及び世界の将来を的確に見通し、明確な目標をたて、政策を的確に企画立案・実行していくことが重要です。かつて「猫の目農政」という言葉がありました。農業経営者の中には、政策の中には頻繁に変更されるものもあり、安心して投資に踏み切ることが難しいことを評して「農業の抱えるリスクの中で最も大きいものは<政策リスク>だ」と言う人さえいます。政策的な安定性、予見可能性が極めて重要であり、農林水産業の現場から信頼される政策であるべきと考えます。

  当研究所は、昭和21年に設立された農業総合研究所を母体として、平成13年に農林水産政策に関する総合的な調査研究を行う機関として発足しました。当研究所が農林水産省の中に位置づけられているということは、農林水産政策の企画立案や意思決定の基礎となる情報を収集し、現状分析、将来予測等を行い、調査研究成果の形で提供することにより、政策課題に的確に対応することが求められているということを意味します。また、行政側からの要請に応じ、緊急的な調査を実施するなど機動的な対応も求められます。
  当研究所は、行政側のそのようなニーズに応えるため、行政官出身の研究者を適材適所で配置することにより、政策企画立案部局との密接な連携を図るとともに、専門的なテーマについて研究を行う研究者を公募するなど多様なスタッフを配置するようにしています。客員研究員等の外部研究者や他の研究機関等とも連携した研究を行ってもいます。
  当研究所としては、農林水産省が常に国民の期待を正面から受けとめ、時代の変化を見通して政策が提案できるよう、全力で調査研究に取り組むことにより貢献してまいりたいと考えておりますので、関係各位の御理解と御支援をお願い申し上げる次第です。

2017年7月
農林水産政策研究所長 佐藤 速水

 


佐藤 速水(さとう はやみ)

農林水産政策研究所長(Director General)

略歴:
1960年 東京都出身
1984年 東京大学経済学部卒業
同年 農林水産省入省
2001~2003年 総合食料局食品産業振興課
  外食産業室長
2003~2006年 農林漁業金融公庫融資統括部企画調整課長、
  融資業務部融資調整課長
2006~2007年 経営局構造改善課長
2007年    〃   経営政策課長
2007~2009年 大臣官房付兼内閣官房内閣参事官(官邸参事官室)
2009~2010年 林野庁林政部林政課長
2010~2013年 大臣官房予算課長
2013~2015年 農村振興局農村政策部長
2015~2016年 大臣官房総括審議官
2016~2017年 農村振興局長
2017年 農林水産政策研究所長(現職)

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