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クローズアップ研究者

林 岳

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    農林水産政策研究所 主任研究官(食料・環境領域)

    専門: 環境経済評価、地域経済論

 

これまでどのような研究をしてきましたか

私は大学院時代から一貫して農業経済学の中でも環境分野の研究をしてきました。大学時代、宮本憲一先生の『環境経済学』を読み、公害を企業の社会的費用と位置づける考え方があるという記述にカルチャーショックを受けたのを今でも覚えています。それが環境経済学との出会いでした。大学院に入った当初は、農業の環境価値の経済評価を中心に勉強しました。当時は、大学院の教官や先輩の指導のもと、全国各地の農業用水に付随した親水施設の経済評価や、公共育成牧場に付随する観光施設の経済評価などを計測しています。その後、環境会計手法を用いた地域全体での環境評価手法の研究をして、これをテーマに博士論文を書きました。

当研究所に入ってからも大学院時代に研究した手法を応用してバイオマス利活用の効果計測や、農家に環境会計手法を導入できないかなどを研究してきました。さらに、近年ではバイオ燃料のライフサイクルアセスメント評価や産業連関表を用いた地域経済への影響などの研究課題を担当し、さらには生物多様性に配慮した農産物生産が地域経済にもたらす影響の評価も行っています。

 

今はどのようなことに関心がありますか

今の私の関心事項は持続可能な発展です。地球温暖化や生物多様性の問題は最終的には持続可能な発展をどう達成するかにつながると考えています。不況で経済が落ち込むと、環境問題への取組よりもまずは経済政策が優先される傾向にあります。農業に関しても、農産物生産が落ち込む中、生産の維持と環境の保全をどのようにバランスを取り持続可能な発展に結びつけるか、さらにはそれをどう評価すべきか、評価に適切な指標は何かを考えています。

これまでも環境効率指標を用いて国内農業やバイオ燃料生産の持続可能性評価を行ってきましたが、今後は環境経済学・生態経済学分野で使われている新しい評価手法を国内農業の持続可能性評価に適応して、その利点や問題点などを明らかにしていきたいと思っています。

 

今後の抱負を教えてください

1つは国際的な視野を大事にしたいということです。これまで数多くの国際学会や国際会議に出席する機会があり、海外の研究者や行政官と議論することで多くのことを学びました。これからも、たとえ国内の問題を対象として研究を行うときでも、国際的な視野を持って研究に従事したいと思います。もう1つは、研究とそれ以外の業務のバランスを考えること。当研究所は研究機関でもあると同時に行政機関でもあります。私は研究者なので研究業務が中心となりますが、それ以外のさまざまな業務もおろそかにしないよう、バランスの取れた研究者を目指したいと思います。

 

略歴     研究者紹介のページを見る

北海道出身。小樽商科大学卒,北海道大学大学院農学研究科博士(農学)取得。2002年に農林水産政策研究所入所。その後本省大臣官房環境政策課併任などを経て,2008年4月より現職。

2010年7月

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