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地域の歴史

「土地の記憶」

土地の特性を生かし、古くから行われていた稲作

    米沢平野農業水利事業が行われる地域を含む山形県内陸部の南部一帯は置賜(おきたま/おいたま)地方と呼ばれています。「日本書記」には、「優嗜曇郡・うきたむぐん」が登場し、アイヌ語で「大きな湿地の畔」を意味していると言われています。

    約1万2000年前には、高畠町大谷地周辺の洞窟に人が住んでいた跡が発見されています。さらに、約2300年前の弥生時代の遺跡からは、籾痕のついた土器が発見さており、この地方にも米作りの文化が伝えられたことも判明しています。人々は、水の便の良い所に集落を形成し、稲作を行いました。

    また、置賜盆地は四方を山に囲まれているため、多くの流域から用水を確保する、複雑かつ独自の用水慣行も形成されてきました。

日向洞窟(高畠町)

日向洞窟(高畠町)

時代の変遷のなか、整備された置賜

     この置賜の地は、鎌倉時代から安土・桃山時代までの間は、長井氏、伊達氏が統治し、豊臣秀吉の時代(1598年)には上杉景勝が越後から会津に移るとともに、米沢城には上杉家重臣の直江兼続が入りました。その後、関ヶ原合戦において西軍に味方した景勝は、会津120万石から米沢30万石に減封され(1601年)、上杉領として残った米沢には全家臣とその家族約3万人が会津より移り住んだと言われています。

    それまで、人口数千の寒村だった米沢が、数万人規模に膨れ上がったわけです。このため景勝は直江兼続に命じ、城下町建設や殖産政策に努めました。

    最上川の源流である松川の氾濫を防ぐため、川岸に玉石を積み堤防や堰を築き、米沢城下で水を引き入れ生活用水、農業用水としました。この石堤は直江堰堤と呼ばれ、現在でも長さ1.2kmにわたって残っています。鬼面(おもの)川より取水する帯刀(たいとう)堰は、農業用水のほか、米沢市街地では生活用水としても、なくてはならない存在となっています。

上杉景勝像

上杉景勝像 

直江兼続像

直江兼続像 

米沢市上杉博物館蔵(禁無断転載)

なせば成る  なさねば成らぬ  何事も  成らぬは人のなさぬなりけり。

    しかし、3代綱勝の急逝により更に米沢藩は15万石に減封され、藩財政がひっ迫する中、上杉藩の農政改革が行われました。

    現在の米沢市北部から南陽市にわたる北條郷は肥沃な土地でしたが、用水不足から度々干ばつに襲われたため、9代藩主上杉治憲(鷹山)、10代藩主治広は、黒井半四郎忠寄にかんがい堰の築造を命じました。工事は、現在の米沢市窪田町千眼寺裏から取水し、南陽市赤湯に貫流する約17kmの上堰と、高畠町糠野目で水を堰上げし、南陽市鍋田で梨郷方面と赤湯の吉野川方面までの約12kmの下堰を6年の歳月を費やして完成させました。この二堰は、『黒井堰』と命名され、その水は、米沢北部13箇所及び北條郷32箇所、約460町歩の田んぼへ送水され、現在も利用されています。皆様には上杉鷹山と申し上げてもあまりなじみがないかもしれませんが、「なせば成る・・・」という名言はご存知でしょう。

    このように、藩政時代から多くの農業用水利施設が整備され、この地の開拓はほとんどが完了しました。

上杉治憲(鷹山)像

上杉治憲(鷹山)像

黒井半四郎忠寄像

黒井半四郎忠寄像 

米沢市上杉博物館蔵(禁無断転載)

さらに生産の向上と経営の安定化を図る事業に着手

    幕藩体制下に開発された大小の用水堰によって水田化された置賜地方ですが、水利施設の管理は藩が担当していました。明治に入ると関係市町村や水利土功会を経て、水利組合に編成替えが行われ、村郡長が管理者になりました。また、生産力の向上や経営合理化を図る「耕地整理組合」が各地に組織され、開田やかんがい補給の事業を進めてきました。しかし、用水系統や取水慣行などが複雑なため、干ばつ時など用水不足は深刻なものでした。そのため、1958年(昭和33年)の干ばつを契機に市町村は農業用水確保の抜本的対策を山形県に陳情しました。翌年、山形県は調査を開始。農林省に調査・国営事業の実施方を申請。農林省は1960年(昭和35年)~1967年(昭和42年)に調査計画設計を実施します。晴れて1968年(昭和43年)、「国営米沢平野農業水利事業」が発足。1983年(昭和58年)3月に事業は完了しました。

その後、厳しい気候や経年変化によって老巧化した施設の更新と気象状況の変化に対応するための新しい水源施設を確保し、農業生産性の向上と経営安定を目的とする、「米沢平野二期農業水利事業」を2006年(平成18年)10月から開始しました。

南陽市  十分一山から望む事業地区

南陽市  十分一山から望む事業地区

 

 

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お問い合わせ先

米沢平野農業水利事業所
〒992-0027 山形県米沢市駅前3-1-19
電話:0238-26-1610
FAX:0238-26-1618

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