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松尾局長就任記者会見の概要

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会見の概要

就任にあたって

最初にお話ししたいことは、東日本大震災への対応です。未曾有の震災から今年で5年が経過しましたが、これまで、農地の復旧・整備に加え、担い手の確保、農地の集積と大区画化、生産施設・機械の整備等を推進してまいりました。
一部地域を除き、施設の本格復旧が進み、今年の春までに、東北の津波被災農地約20,600ha、その約7割の営農再開が可能となる見込みです。
「復興集中期間」が平成27年度に終了し、今年度からは「復興・創生期間」という新たなステージが始まっています。食料供給基地である東北地方を再生するため、関係機関とも連携し、引き続き被災地の復興・創生に全力で取り組んでまいりたいと思います。
なお、原発事故による深刻な影響を受けた地域では、農地除染の遅れ、鳥獣害の頻発、風評被害等いまだに多くの課題が山積していると認識しています。引き続き、現場の声をよく聞き、地元自治体、復興局や環境再生事務所等の関係機関とも協力して、一日も早い営農の再開に向けて支援を行うとともに、今なお続く風評被害については、これまでどおり、「食べて応援しよう!」という取組を通じ、支援してまいる所存です。

東北の農業農村の現状ですが、東北地域は、北海道に次ぐ耕地面積を有し、水稲の収穫量は全国の約4分の1を占めているほか、畜産、野菜、果樹、特産物の生産が盛んで、生産量が全国上位の品目も多数あります。このように、地域ごとに特色ある農業が展開されており、我が国の「食料供給基地」となっています。
特に、青森のりんご・にんにくや岩手のブロイラー・りんどう、宮城の肉用牛、秋田の大豆、山形のおうとう・西洋なし、福島のもも・きゅうりなどは、全国に誇れる農産物です。
しかし、その一方で、担い手不足の深刻化や高齢化が進行しています。平成25年の農業産出額は、関東、九州に次ぐ1兆3千億円で、全国の15%にとどまっています。昭和60年と比べると、農業産出額は約4割減少しており、これは米価の下落が大きな影響を及ぼしていると考えております。このように東北の農業は大変厳しい状況に直面していると考えています。
一方で、輸出の拡大や6次産業化へのチャレンジ、農業経営の法人化、若者を中心とした「田園回帰」といった新たな動きも広がりつつあると認識しています。
農林水産省では、「攻めの農林水産業」として昨年3月に閣議決定された、新たな「食料・農業・農村基本計画」に基づいて、国内外の新たな需要の取り込み等を通じて農業や食品産業の成長産業化を進める「産業政策」と、農業・農村の多面的機能を発揮するための「地域政策」を車の両輪として、各種施策を推進しています。

東北農政局としても、引き続き関係機関や団体と連携し、若者が希望を持って営むことが出来る「強い農業」と「美しく活力ある農村」の実現に向けて施策の推進に取り組む所存です。
特に、農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約化による生産コストの削減や経営発展のために必要な経営所得安定対策・融資・出資等各種の支援策により、担い手の確保に取り組んでまいります。
米については、30年産を目処に行政による配分に頼らず、生産者自らが経営判断により、需要に応じた生産が行えるように政策の見直しを進めているところです。
昨年、30年ぶりに東北地域において生産調整の目標を達成しました。
今後とも現場の意見を聞きながら環境整備に取り組んでいくとともに、飼料用米等の需要のある作物の本作化を推進してまいります。
農産物の輸出については、東北地方においても、米やりんご等といった農産物の輸出が年々増加しており、引き続き、県や輸出関連団体と連携して、積極的に取り組んでまいります。
6次産業化については、6次化認定事業者の取組を確実に事業化につなげていくことが不可欠と認識し、各県に設置されているサポートセンターと連携を密にし、新規案件の発掘と認定事業者のフォローアップを進めてまいります。

すでに、被災地では、震災からの復旧・復興を契機として、水稲・大豆等を中心とした大規模な土地利用型農業、最新の管理技術による大規模施設園芸、加工や直売所による6次産業化など先進的な取組が現れつつあります。被災地が、「単なる復旧」に止まることなく、日本農業の先進的モデルとなるよう、東北農政局としても、これらの新たな取組をしっかりと応援してまいります。

また、諸施策が着実かつ効果的に実施されていくには、積極的に現場に出向き、現場の声、ニーズを的確に捉え、出先機関として本省に伝えるとともに、決定された施策を丁寧に、かつ、スピード感を持って現場に届けていくことが何よりも重要と考えています。地方参事官を中心として、より一層、地域の実情に応じたきめ細かな農政を推進してまいります。

昨年10月5日に大筋合意に達したTPP交渉については、昨年決定された「総合的TPP関連政策大綱」に則し、将来にわたって意欲ある農業者が希望をもって経営に取り組めるよう、政府全体で責任をもって万全の措置を講じることとしています。成長産業化に取り組む生産者がその力を最大限発揮できるよう、「攻めの農林水産業」の取組を支援するとともに、生産者の不安や懸念を払拭するため、経営安定対策の充実等を図っているところです。「農政新時代」というリーフレットを使い、これまで現場で説明会等を進めてまいりました。これからもニーズに応じて、現場に出向いて御理解いただけるように努力してまいりたいと考えています。

 

質疑応答

【記者】これまでのキャリアの中で特に印象に残っている仕事は何でしょうか。
【局長】平成9年に農産課の課長補佐であったときに、初めて法律の作成に携わったことが強く印象に残っています。具体的には、持続農業法(エコファーマー)という、持続性の高い農業生産方式を定義づけている法律の作成に携わりました。その後、平成12年から長く米の生産調整に携わり、研究会の開催や新たな米政策大綱等の作成作業等を行ってきました。また、一番体力的にキツかったのは、平成19年4月から経営政策課の初代の経営安定対策室長となり、現在の経営所得安定対策の法律の作成から交付金の支払いに係る電算システムの導入まで全部手がけたことです。最近では、震災直後の原発事故対応で、穀物課長として福島の水稲の作付制限に携わり、ほぼ毎週土曜日は福島県に伺って県庁の方といろいろ打合せを行ったことが深く印象に残っています。

【記者】局次長として1年間震災復興に携わってきたとのことですが、具体的にどのような仕事を行ってきたか教えてください。
【局長】1つは、現場が今どのような状況になっているか確認するため、大規模な土地基盤整備を実施している現場に出向き、営農がしっかり行えるようフォローしてきました。2つ目は、福島県の営農再開に関して、技術政策課長時代から手がけてきたことですが、南相馬市に県の研究拠点を作る事業に携わっており、その円滑な推進とフォローアップを行ってきました。

【記者】技術畑出身として今後力を入れていきたいことがあれば教えてください。
【局長】ずっと米の生産調整に携わってきましたが、東北地域はお米一辺倒ではこの先厳しい状況になると考えますので、米以外の作物で所得を上げられるような技術支援等について、東北農政局として情報発信できればと考えています。

【記者】TPPについてお尋ねします。 国会の論戦がスタートしましたが、これまでも各地で農水省がキャラバンを行い、国民や農家に米の影響額がゼロであることへの批判も含めて説明をして理解の浸透を図ってきたと思いますが、局長御自身はTPP対する国民理解はどのくらい浸透しているとお考えでしょうか。
【局長】TPPについては、一人ずつご意見を伺ったわけではありませんが、いろいろな情報を総合しますと、対策については良いことをやってくれたという評価をお聞ききしています。
また、影響評価、影響試算について、東北で農水省が用いた以外の方法で試算を出されているところもあり、まだ納得されてない方がいらっしゃるということは承知しています。
農政局としては、影響試算の話もありますが、対策の活用をお願いしていきたいと考えています。

【記者】米に関連して、飼料用米のお話が出ましたが、若い人が魅力を持って取り組める、米に替わる東北ならではの作物には、どのようなものが考えられますか。
【局長】地域によって違いがありますが、例えば秋田では大豆や枝豆があります。果樹や園芸に手を伸ばすことも必要ではないでしょうか。また、畜産も魅力あるものになっていると思います。
【記者】違う分野にいくと初期投資も掛かり成功するのかわからないし、どのようにブランド化していけばよいのかわからないと思います。そのため、足踏みしている農家が多いと思います。それを支えることが大切な農政局の仕事だと思いますが、具体的にどのように進めていくのでしょうか。
【局長】例えば、津波被災の沿岸部等で多く導入されている施設園芸を横展開していくことがあると思います。
土地利用型作物の米、麦、大豆等は、大区画によるコストの引き下げや、若者が取り組みやすいようにICTを駆使した環境整備を進めていきたいと思います。

【記者】農業・農村整備に対する考え方・方針がありましたら教えてください。
【局長】農業・農村整備はインフラとして重要です。今後のコストの低減や、環境と調和した農業を進める上でも非常に重要な役割を担っていると思っています。また、地元からの要望が非常に多いことを含めしっかり取り組んでまいります。

【記者】老朽化した農業施設が多数ありますが、長寿命化対策はどう考えますか。
【局長】老朽化した農業施設の長寿命化対策を進めていく上で、様々な知恵の出し方があると考えています。例えば、最近読んだ本の受け売りで申し訳ないですが、農業女子力の活用なども含めて、いろいろな方のお話をお聞きしながら進めていければ良いと思っています。

 

以上 

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