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東北農政局

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木内局長就任記者会見の概要

日時

  • 平成29年7月21日(金曜日)11時00分~11時40分

場所

  • 東北農政局第六会議室

会見の概要

就任にあたって

はじめに私が考えていることは、東日本大震災の復旧・復興です。震災からの復興・創生に向けてしっかりと取り組んでまいります。日本全国、高齢化や担い手不足という問題がありますが、これに加えて、東北地域については、このような大きな問題が未だに解決していない。また、福島県では除染の問題や放射性物質の問題、風評被害などいろいろな問題があると認識しております。これらに対応するため、私が先頭に立って農政局をあげてしっかりと取組んでいきたいと考えております。

私は東北勤務は初めてでございます。東北との繋がりは、昭和59年に石巻の水稲とハウストマトを作っている農家に研修で1ヶ月間お世話になりました。
もう一つは東日本大震災が発災した年の夏に、息子と一緒に陸前高田でボランティア活動で参りました。陸前高田の水田には、がれきだけでなく、掘っても掘ってもその中からガラスやアスファルト、畳、大きな石が出て、これはもういつまでかかるのだろうと思いました。それ以降、出来れば本格的に復旧・復興に貢献したいと思っておりました。

東北農政局において、力を入れていきたいことについて、申し上げたいと思います。
東日本大震災への対応、震災から6年経ち、復旧・復興が大分進んで参りまして、被災地の8割で営農が再開できるというような状況になっております。ただ再開できるような状態にはなったけれども、実際に営農を順調に続けられる農家の方はまだまだ少ないと思っておりますので、農家に寄り添って、また、新しい農業の姿を求めていく若い人もしっかりと応援していきたいと思っております。「復興・創生」期間の2年目ということで一歩進んだ新しい農業・農村の姿というものを目指していきたいと思っております。
併せて全国的な話でありますが、農村の高齢化や担い手不足、耕作放棄で農地が荒れ果てている問題について、継続してしっかりと取り組んでいきます。農家の高齢化が進み、農業・農村維持が限界になっている地域も出ています。これについては、若い担い手、あるいは集団で農村地域を支えていけるよう、地域の取組を推進していきたいと思っております。
福島については風評被害の問題があります。農政局としましては、今も行っております「食べて応援しよう!」の取組により、福島を応援して、発信していく。風評に負けずに、福島の農林水産業が伸びていけるようにしっかりと応援していきたいと思っております。

東北着任前は北陸農政局(金沢市)で次長をしており、生産・経営を中心に担当しておりました。北陸と同様、東北も米が中心という印象があります。北陸と違うのは、東北には米以外のもの、野菜、畜産、果樹などいろいろなものがあるという印象です。
北陸にいる時は米だけの農業からいかに脱却するかということが課題でした。北陸の農家は米と安定兼業という方が多かったのですけれども、東北はもっとシビアな目で農業を見ている方が多いのではないかと思っております。環境政策に携わった経験から、多様性、多様な農業が持続性に繋がり、本当の意味での強い農業・農村を維持できると思っております。
農林水産省で今進めている儲かる農業、これが一丁目一番地ではありますが、儲かるということだけではなく、多様な価値観が農業にはあると思っております。文化を含めいろいろなものが農村にはあります、農村の中心は農林水産業であり、これらが儲かるというのは大事ですけれども、それ以外の文化など多様性も重視して進めていきたいと思っております。

30年産の米政策の転換が目前になっています。需要に応じた生産、今、市場や消費者の方が何を求めているのかということをしっかり農家につなぎたいと思います。また、農家の方がマーケティングに長けていただくということが大事ではないかと思っております。
東北管内でも新しい米の品種がいろいろと出ていると聞いております。ただ、小さなシェアの中で高級品での競争に取り組むということは並大抵のことではありません。需要がどこにあるのか、例えば外食・中食向けのもう少し安くて消費者が気軽に食べれる米が求められていることも事実です。こういうことを皆さんに細かく伝えていくことも、大切な任務だと思っております。30年以降に対する農業者の不安を出来るだけ払拭するよう、きめ細やかな情報提供に努めていきたいと思っております。

中山間地では農地の集積が進まなかったり、担い手がいないなどの問題があります。これについては、6次産業化を進めたり、地域の良さというものを単なる経済的価値だけでなく、価値観の多様化というものをうまく捉え、農村の良さを合わせた生産物の価値を売り込み、都市部の方などにアピール出来れば良いと思っております。

もう一つ大事なのは基盤の整備であります。震災で多くの施設が被害を受けたこともありますが、老朽化も進んでおります。復旧・復興に加えて、老朽化した施設の更新や長寿命化についても、積極的に取り組んでいきます。
また、集中豪雨はこれまでにない規模で起こり、いつどこで起きるかわからないことから、農業水利施設の防災機能を高めていきたいと考えております。
農業者の方は儲かることを目指しており、生産コストをいかにして下げるかということが大事です。建設関係の方には、施設を造る、あるいは基盤を整備する技術は、現在の世界最先端レベルの技術を維持していただいた上で、リーズナブルなコストで、整備が出来るよう一層進歩していただきたいと思っております。難しいですが、効率的、経済的に農家の人が農業に取り組んでいけるように、お願いしたいと思います。

質疑応答

【記者】今年の4月に公正取引委員会が農政局に立入検査をしたという事案があったと思いますが、その件に関してどのような対策をとっているのでしょうか。
【局長】東北農政局に公正入札等調査委員会を設置し、調査を進めています。ご存知のとおり公正取引委員会の調査が同時に行われておりますので、公正取引委員会にもこの調査結果を伝えていきます。また、入札等監視委員会の外部委員からの意見、指導を受けながらしっかりと対応していきたいと考えております。

【記者】局長は多様性というものを重視していますが、東北6県で、果物など米以外の作物を含めて、輸出に関してどのように推進する考えでいるか、その多様性を生かした海外展開というものについて教えていただきたい。
【局長】日本の農業生産額は、世界で10位くらい、一方で、輸出額については世界で60位というデータがあります。日本のものは高いけれども海外にその価値が認められていないのではないかと思っています。
日本のものが、なぜ高いのかその要因を伝えられていない。東北地方にはいろんな農産物がありますが、その農産物の背景も含めてきちんと海外に伝える、輸出先にその価値を伝えるということを併せていく。例えば、りんごを輸出するだけではなくて、その背景にあるもの、その文化も含めて、どういう経緯でできたものであって、どういう特徴を持っていてということを上手に伝えられるようにしたいと思っております。

【記者】インバウンドを含めて、観光と農業がうまく提携をして、地域を再生させるということについてはどうお考えでしょうか。
【局長】例えば、一つの地域だけで、一つの産品だけで、外の人を呼んで、それで楽しんでもらおうというのは、なかなか難しいと思います。
旅行会社がパンフレットを作るときは、近くの観光地も全部セットし、パッケージメニューにすることにより、2~3日で回れるようなツアーにすると聞いております。一か所だけじゃなくて、周りにあるものをいくつか組み合わせて、人を引きつけると、通り過ぎるだけじゃなくて、しばらく滞在して地域の農産物等を消費する。あるいは、いろんな側面から、もっと農村の良さを感じてくれるという契機になると思いますので、そういう引きつけ方が大事だと思います。

【記者】今年の6月、衛星のみちびきが打ち上げられ、2018年度から本格的に運用が開始されると聞いています。衛星を使った自動運転の農機を東北エリアで推進していくお考えはあるんでしょうか。また、担い手不足への対応はどうでしょうか。
【局長】東北の岩手、宮城、福島で、高度な技術で農業生産を行う先端プロの取組を従来からやってきていますが、GPS衛星を使ったものについては、実態としては北海道が実験場みたいな形で先行しています。東北も新しいICTを使った農業は重要であり、それを導入できる余地は充分あると思っています。積極的にICTにも取り込んでいきたいと思っています。

【記者】風評被害について言及されておりましたが、具体的に対策など考えていることがあれば教えてください。
【局長】風評払拭については、まず、農政局の職員が、「食べて応援しよう!」という形で、福島の農産物を積極的に食べて発信していく。今年3月に、仙台市で福島の農林水産物や加工品を販売する場を提供し、被災地の復興を応援することなどもやっております。全国的に風評を払拭するような発信の仕方を工夫していきたいと思います。
消費者庁が実施したアンケートによると、15%の方はやはり産地を気にするという回答でした。風評を払拭するには、いろんな形で、福島の農産物は安心して食べられる、きちんと検査して販売しているということをアピールしていきたい。また、海外でも、EUでは、福島を含め、東北の農産物について、輸入制限の解除の動きもあるようですので、そういうこともアピールしていきたいと思っております。

【記者】リーズナブルで技術の高い農業という話がありましたが、AIの活用とか、そういう意味で話されたのでしょうか。
【局長】基盤の話としてです。基盤整備あるいは農村整備をするときは、どうしても負担金の問題も含め、農家にいろいろとコストがかかってきます。面整備をする、あるいは用水排水の話をするときに、高い技術を持って、非常に長持ちする、あるいは非常にコスト的にも安くあがるような、そういう技術を建設に携わる方には導入して、適用してもらえたら助かるという意味で申し上げました。

【記者】担い手不足について、どのような対策を考えているのか、それと合わせて技術の継承についてもどうお考えなのか教えてください。
【局長】担い手不足については、まずは地域でまとまって、集落ぐるみでやるような集落営農に持っていくのがまず第一だと。そこまで出来ている地域は、法人化していく。それで魅力ある法人経営が出て、そこで人を雇っていけるようになると、若い人が給料をもらって、雇用を生んでいくという展開ができればと思っております。

【記者】「復旧・復興と同時に施設の更新も進めたい」について。どういう風に長寿命化を展開していくのか教えていただきたい。また、農地の大区画化など今後の農業基盤の整備についてもう少し詳しくお聞かせください。
【局長】長寿命化は災害対策でもあります。農業水利施設は、農業だけを支える施設ではなく、都市化している農村も支える施設でもあるので、公共性が今まで以上に高まっていると思います。これを積極的にアピールし、国民的に必要性の声を高めていくことにより、予算確保に繋げていきたいと思っています。
面整備や大区画化について。小さな区画だと若い人や担い手にとって魅力がない。今、農地の集積を進めていますけども、小さな区画では担い手が農地を引き受けることができないので、大区画化を積極的に進める必要があると思います。 また、米だけでなく複合経営ができるよう、農地の汎用化を推進します。これにより、米だけでは雇用できる期間が限定されるが、野菜なども栽培できると、若者などを年間雇用できるようになります。

【記者】今後の基盤整備について、集中豪雨や地球温暖化対応の観点でどのように進めていくお考えですか。
【局長】基盤整備については、温暖化や極端な気象災害の影響が出てきていることを背景に、それに対応出来る仕組み、あるいは基準にしなければいけないが、すぐに対応できるものではない。気候・気象変動が大きくなり、災害が多くなった時の適応策としての形で、実態を踏まえて整備の水準を上げていく必要があると思っています。


以上

木内東北農政局長

木内東北農政局長

就任会見の会場の様子

就任記者会見会場の様子

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担当者:室長補佐(広報)、企画官(調査広報)
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