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東北農政局

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秋田地域からの便り(平成31年度・令和元年度)

秋田の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

農家が作る「きりたんぽ」・「延命地蔵大福」 -秋田県・能代市- (2020年3月19日掲載)

秋田県能代駅正面の「風の松原通り」を西へ徒歩7分、黄色の看板と「スマイルケア食」と記されたのぼりが目を引く「産直みずほ」があります。六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定を受け平成27年6月にオープン以来、6年目を迎えようとしています。

店長の佐藤雄幸さんは、平成10年、能代市吹越地区に稲作生産を中心とする法人「佐藤ファーム」を設立し、6次産業化にも取り組んできましたが、現在は、息子さんへ経営を継承し、自らは、生産したお米の加工・販売を中心にお菓子やお惣菜の製造などの6次産業化に全力を注いでいます。

佐藤店長は、農業を始めた当時から全て農協に頼った経営をしていましたが、稲作農家は出来秋まで農協から支払われる概算金以外に収入がないことに危機感を感じ、農協を頼らない経営をしようと、自らが経営を考え農産物の生産を行い販売先を開拓しながら現在に至っていると話してくれました。

6次産業化で始めた「産直みずほ」では、自社製の「きりたんぽ」を能代市内から関東圏まで販売しています。採れたて野菜コーナーで販売しているセリや白菜等の野菜と比内地鶏を組み合わせて購入するとお手頃なため、年末はそれ目当てのお客さんで混み合うそうです。

また、同法人地区の延命寺の石造りの立像の名前を冠した「延命地蔵大福」が地域の話題になったり、米粉を多く活用したもちもち感のある米粉シフォンケーキなど新商品を店長自ら開発したり大忙しです。

産直みずほが住宅地にあり、リピーターのお客さんは高齢の方が多いこと、さらに秋田県の健康寿命は全国ワーストクラスであることに着目し、昨年8月からは農林水産省が新しい枠組みを整備した介護食品「スマイルケア食」を導入しました。

スマイルケア食の評判は上々で、新たなお客さんが増えているそうで、佐藤店長の次なる一手が注目されます。

 

  • お問合せ先:株式会社佐藤ファーム  産直みずほ
  • 住所:秋田県能代市住吉町15-4
  • 営業時間:9時30分~17時
  • 定休日:日曜日・祝日
  • 電話:0185-88-8925
  • ホームページ:https://satofarmakita.com/mizuho/  [外部リンク]
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


農家が作る「きりたんぽ」・「延命地蔵大福」
風の松原通りに面している産直みずほの外観

風の松原通りに面している
産直みずほの外観
産直みずほの佐藤店長(右)と従業員

産直みずほの
佐藤店長(右)と従業員
地域の話題になっている延命地蔵大福と米粉シフォンケーキ

地域の話題になっている
延命地蔵大福と
米粉シフォンケーキ

店舗内に陳列されているスマイルケア食のお惣菜

店舗内に陳列されている
スマイルケア食のお惣菜

(写真:秋田県拠点職員撮影)

果樹農業を支える果樹栽培サポーターの取り組み -秋田県・鹿角地域(鹿角市・小坂町)- (2019年12月20日掲載)

鹿角地域(鹿角市・小坂町)は、北東北三県(秋田・青森・岩手)のほぼ中央、秋田県北東部の鹿角盆地に位置し、十和田八幡平国立公園を有する自然豊かな地域です。

基幹産業である農業は、水稲と野菜、果樹、葉たばこ、花き、畜産を組み合わせた複合経営を主体としており、特に果樹では「鹿角りんご」の産地として地域農業を支えてきました。

また、近年では「かづの北限の桃」(商標登録済)が価格やニーズの面で一定の市場性を確保しており、果樹産地としての期待が高まっています。

しかし、果樹を取り巻く環境は、国内消費量や価格の低迷などに加え、生産者の高齢化や後継者不足に伴う労働力不足が懸念されています。

現在、鹿角地域では産地及びブランド力の維持・向上につなげていくため、「鹿角地域果樹産地協議会(事務局:鹿角市)」が、平成30年度から令和3年度までの間、果樹農業を支える人材として果樹栽培サポーターを募集し、講習会を開催しながら育成を行っており、今年度まで2年間の応募者は25名で、その構成は20代から60代と幅広い年齢となっております。

この講習会は、平日コースと土日コースを併設し(同一内容)、1年目に園地での基本的な作業を学び、2年目に進んだ方は、受入農家での実技研修(試行的マッチング)を行います。講習を修了した3年目以降は農家との本格的なマッチングを行う予定です。

また、鹿角地域果樹産地協議会では、講習会による人材育成のほかにも、果樹栽培の基本的な栽培の作業を確認できるよう動画の撮影や、果樹栽培サポーターを受入れる側の果樹農家を対象とした研修等も行い、農家と果樹栽培サポーターが気持ちよく果樹作業に取り組めるような体制の構築を目指しています。

 

  • お問合せ先:鹿角市役所  産業部農林課  担当  齊藤・石川
  • 住所:秋田県鹿角市花輪字荒田4番地1
  • 電話:0186-30-0243
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


果樹農業を支える果樹栽培サポーターの取り組み
秋田県果樹試験場かづの果樹センターでリンゴの摘果作業を受講する様子

秋田県果樹試験場
かづの果樹センターで
リンゴの摘果作業を
受講する様子
摘果前のリンゴの様子

摘果前のリンゴの様子
モモの選果作業を見学する受講生

モモの選果作業を
見学する受講生
受入農家での実技研修の様子

受入農家での
実技研修の様子

(写真:秋田県拠点職員撮影)

地域の活性化をみんなでホップ・ステップ・ジャンプ -秋田県・横手市- (2019年9月20日掲載)

横手市は秋田県の内陸南部に位置し、その中でも大雄(たいゆう)地区は気象や土壌、安定した水資源がビールの香りと苦みの原料となる「ホップ」の栽培に適しており、国内屈指の「ホップ」の産地となっています。

5メートルの棚を使用して栽培される「ホップ」は、収穫間近になると無数の毬花(まりばな)からさわやかなフローラルの香りが漂い、田園風景に点在するホップ畑のグリーンカーテンと収穫風景は、大雄地区の夏の風物詩です。

この大雄地区において、40名のホップ生産者を束ねている大雄ホップ農業協同組合の皆川組合長は「作業機械や収穫乾燥施設は老朽化が進んでいるが、部品等をメンテナンスしながら使用している。一番の問題は、労働力不足だ。当地区では、5つの収穫乾燥施設単位で収穫作業を行っているが、1施設当たり、1日30人前後の人手が必要である。また、高所での作業があることから、パートなどの労働力確保が難しく、生産者自体も高齢化が進み、収穫作業が難しくなってきている。」と話して下さいました。

横手市の2017年度ホップ生産量は全国一(市町村別)となっていますが、生産量は最盛期の3分の1ほどとなっています。

このような状況から産地を守るため、横手市では、ホップ生産者の後継者育成に特化した「ホップ栽培技術研修」制度を創設し、現在、この制度を活用して2名がホップ農家の下で学んでいるほか、横手市実験農場に新設された「ホップコース」で1名が学んでいます。

また、地元民間団体、横手市、ビールメーカー、大雄ホップ農業協同組合が一体となって設立した官民連携組織「よこてホッププロジェクト」を中心に、ビアツーリズムや街のあちらこちらでホップをプランターで栽培するグリーンカーテンづくりなど、様々な活動が展開されています。

横手市では、みんなの思いを一つにして、横手産ホップを守るための活動や横手産ホップを通じた地域の活性化に取り組んでおり、ホップのほかにも様々な横手産農産物を味わうことのできるツーリズムも開催されています。みなさんも足を運んでみてはいかがでしょうか。

  • お問合せ先:大雄ホップ農業協同組合  担当  佐々木
  • 住所:秋田県横手市大雄字三村東18番地
  • 電話:0182-52-2631
  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


地域の活性化をみんなでホップ・ステップ・ジャンプ
高さ5メートルにもなるホップ畑

高さ5メートルにもなる
ホップ畑
さわやかな香り漂うホップの毬花

さわやかな香り漂う
ホップの毬花
横手市役所のホップのグリーンカーテン

横手市役所のホップの
グリーンカーテン
刈り取ったホップの摘果作業の様子

刈り取ったホップの
摘果作業の様子

(写真:秋田県拠点職員撮影)

新たなyuwaブランドの構築 ~ 「yuwa MILK STAND」 ~ 「農家のパーティ」プロジェクト -秋田県・秋田市- (2019年6月20日掲載)

県庁所在地である秋田市の玄関口、秋田駅に、平成30年9月「yuwa MILK STAND」(ユーワミルクスタンド)がオープンしました。

秋田市では、平成29年3月に「秋田市農業ブランド確立総合戦略」を策定し、ブランドネーム「農家のパーティ」を旗印に、地元農産品の価値向上を図るため、様々な事業を展開しています。その事業の一つに、地元農産品を活用し、農家と事業者等が連携して行う事業アイデアを秋田市が支援する「農家のパーティ」プロジェクトという取組があります。

「yuwa MILK STAND」は、ノリット・ジャポン株式会社(秋田市)が秋田市から「農家のパーティ」プロジェクトの認定を受け開設した店です。

店内では、ソフトクリームや、フレッシュチーズのスイーツ等を販売しています。お店で使用するソフトクリームミックスやフレッシュチーズは、プロジェクト名「yuwa」の起源となる秋田市雄和(ゆうわ)地区にあるノリット・ジャポン株式会社雄和工場で、近隣の農家が朝絞った生乳から製造されています。

雄和工場は元々、30年ほど前に地域の酪農家で立ち上げた「雄和トールケーゼ組合」のチーズ工房でしたが、平成26年に継続稼働が危ぶまれていたところ、平成27年、ノリット・ジャポンが事業継承に名乗り出て、工房を再稼働させるに至りました。

ノリット・ジャポン株式会社「yuwa」ブランドリーダーの西村さんは、「『yuwa MILK STAND』は、『秋田の乳製品』を全国に知ってもらい、「yuwa」ブランドを構築することを目的にしたコンセプト店舗。商品が広く認知されるとともに、雄和や秋田の人たちに愛される商品となるようにという願いを込めました。」と話されました。

また、「小さな取組ではあるが、この取組の拡大で生乳出荷量が増加することにより、秋田市はもとより秋田県の酪農家の一助になれば」とも話され、今後は、チーズ製造にも本格的に取り組んでいきたいとのことです。

秋田市においては、「yuwa」事業のみならず、今後も続々と展開される「農家のパーティ」の活動についても期待されています。

  • お問合せ先:ノリット・ジャポン株式会社
  • 住所:秋田市大町三丁目5-8 ウイング・グラン4F
  • 電話:018-874-7547
  • ホームページ:https://www.norit.jp/
          ※秋田市「農家のパーティ」関連サイト:https://farmers-party.jp/
          ※yuwa MILK STAND:https://yuwa-akita.jp/

 

  (情報収集)秋田県拠点  電話:018-862-5611


新たなyuwaブランドの構築 ~「yuwa MILK STAND」 ~「農家のパーティ」プロジェクト
秋田空港に近い秋田市雄和地区にある雄和工場

秋田空港に近い
秋田市雄和地区にある雄和工場
濾過した生乳をソフトクリームミックスにします。

濾過した生乳を
ソフトクリームミックスにします。
yuwa MILK STANDの店内。フレッシュチーズを使ったスイーツ等が並びます。

yuwa MILK STANDの店内。
フレッシュチーズを使った
スイーツ等が並びます。
雪国ミルクソフトです!秋田駅にお立ち寄りの際、いかがですか?(商品開発もされるスタッフさん)

雪国ミルクソフトです!
秋田駅にお立ち寄りの際、いかがですか?(商品開発もされるスタッフさん)

(写真:秋田県拠点職員撮影)