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東北農政局

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青森地域からの便り(平成30年度)

青森の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

青森県の冬の味覚「ホッキ貝」~三沢市漁業協同組合~ - 青森県・三沢市 - (2019年2月20日掲載)

青森県三沢市沖では、日本海を北上して津軽海峡を通り沖合いまで広がる対馬海流と千島列島を南下する親潮がぶつかり合い、スルメイカ、サケ、カレイ、ヒラメ、そしてホッキ貝の好漁場となっています。

三沢市漁業協同組合では、年間を通じて季節ごとに回遊してくる魚を漁獲し水揚げしています。特にホッキ貝は、12月~3月が旬で青森県の冬を代表する味覚です。同漁協を含む北浜海域の4漁協で組織する「北浜ほっき貝資源対策協議会」では、ホッキ貝の資源保護のため、全長24kmの海岸沿いを4区画に分け計画的に休漁するとともに、漁業者1人1日当たりの漁獲量を100kg以下とするほか、漁期や操業時間も制限しています。また、毎年9トン前後の稚貝放流を行っています。

ホッキ貝は、標準和名を姥貝(ウバガイ)と言い、この名称は長生きする貝に由来するそうですが、北東北から北海道で多く採れることから、一般的には「北寄貝」と書きます。漁獲方法は、噴流式マンガンと呼ばれるポンプ式の機械を使って海水を噴射しながら、海底の砂の中に生息する貝を採取するもので、貝に傷が付きません。三沢沖のホッキ貝は、きれいな砂地に生息しているため、肉厚で調理時に熱を加えると淡いピンク色になり甘みが引き出されます。

同組合からは、「三沢市と連携して、本年中頃には、衛生機能を強化するため、現在露天となっているホッキ貝やスルメイカの荷揚げ場への屋根掛けなどの施設整備を行う予定で、水産物の高付加価値化や販路拡大につながることを期待しています。」とのお話しがありました。

また、同組合の直売所では、新鮮なホッキ貝や「ほっき丼弁当」等が売られていますが、さらなる販路拡大、知名度アップや地元飲食店の活性化のため、「三沢ほっき丼」と銘打って同組合の直売所を含む三沢市内の飲食店28店舗で提供しています。

このほっき丼の定義は、「三沢産のホッキ貝を使用した丼ぶり」というもので、ホッキ貝の12月の漁獲解禁日から3月まで、各店独自の調理方法や味付けで色々な食感を楽しむことができます。

ぜひ一度、青森県の冬の味覚、ホッキ貝をご賞味ください。

  • お問い合わせ先:三沢市漁業協同組合
  • 住所:〒033-0142  青森県三沢市三川目4丁目内町145番地552号
  • 電話:0176-54-2202
  • ホームページ:https://www.jf-misawa.net/

(情報収集)青森県拠点      電話:017-775-2151

青森県の冬の味覚「ホッキ貝」~三沢市漁業協同組合~
三沢市漁業協同組合の全景   青森県の冬の味覚「ホッキ貝」   三沢市漁業協同組合に併設される
直売所
  ホッキ貝の入札の様子

(画像提供:青森県拠点職員撮影)

本州最北端のワイン醸造会社とぶどう農園 - 青森県・むつ市 - (2018年11月21日掲載)

青森県むつ市川内町は、まさかりのような形に突き出た下北半島の中央下部に位置し、陸奥湾や釜臥(かまぶせ)山に囲まれ、気候は比較的穏やかです。その国道沿いには、本州最北端のワイン醸造会社「有限会社 サンマモルワイナリー」(以下「サンマモル社」という。)があり、そこから2km離れた丘陵地帯の農園でグループ会社の「有限会社エムケイヴィンヤード」(以下「エムケイ社」という。)がサンマモル社専用のぶどうを栽培しています。

エムケイ社の前身となる法人は、ワイン専用ぶどうの試験栽培に平成10年から取り組みました。当時、スキー場等のリゾート開発がバブル崩壊で白紙となったことがきっかけとなり、下北半島で展開できる産業を検討した結果、この地域がフランスのブルゴーニュ地方と類似した気候であることから、遊休地の一部を利用してぶどう栽培を始めることとしました。

当初は、ヤマセ(冷たい東風)をともなう日照不足や野生動物による食害などから何度もぶどう栽培をあきらめかけました。そんな中、志村葡萄研究所(山梨県)の栽培指導を受けることができ、水はけや土作りといった栽培環境の改善などに努めた結果、平成13年に1.6tのワイン専用ぶどうを収穫することができました。その後、生産量は年々増加し、また、同19年にワイナリーが完成して、ぶどう栽培からワイン醸造まで一貫して行う「下北ワイン」が誕生しました。

ワイン用ブドウの品種については、12種類に及ぶ試験栽培の結果、下北の気候に適した品種として5品種(赤ワイン用:ピノ・ノワール、メルロ、白ワイン用:ライヒェンシュタイナー、シュロンブルガー、ケルナー)が選定されました。特にピノ・ノワールは、冷涼な気候に合い品質の良いものができます。

現在は、11haの畑で約3.3万本のぶどうを化学肥料や除草剤の使用を抑えて栽培しており、今年の収穫量は約29tでした。また、ワイン用ぶどうでの「グローバルGAP」(農業生産工程管理の国際基準)の認証取得を目指し、既にグローバルGAPを取得している五所川原農林高校(菊池健一校長)の生徒からアドバイスを得て取り組んでいます。

サンマモル社の主力商品の原料であるピノ・ノワールからできる赤ワイン「Ryo」は、平成28年日本ワインコンクールで「下北ワイン Ryo Classic」が金賞を受賞するなど、国産ワインコンクールにおいて入賞の常連です。

このほか、サンマモル社は、下北ワイン増産や販売促進を通じた地域経済活性化を目指し、本年むつ市と協定を結び、市民向けにぶどうの苗木を無料で貸し出し、栽培・収穫したぶどうをサンマモル社が買い取ってワインに加工する取組を始めています。

サンマモル社とエムケイ社は、「下北に産業を、下北に雇用の場を」を合言葉に、最高のぶどう作りと最高のワイン造りを目指しています。本州最北端のワイナリーを訪問やネット販売で、是非一度「下北ワイン」を味わってみてはいかがでしょうか。

  • お問い合わせ先:有限会社サンマモルワイナリー、有限会社エムケイヴィンヤード
  • 住所:〒039-5201 青森県むつ市川内町川代1番地6(両社共通)
  • 電話:0175-42-3870 (両社共通)
  • ホームページ:http://www.sunmamoru.com(両社共通)

(情報収集)青森県拠点      電話:017-775-2151

本州最北端のワイン醸造会社とぶどう農園

エムケイヴィンヤード社のぶとう農園、右上はピノ・ノワール種
 
サンマモルワイナリーの全景
 
サンマモルワイナリーの
醸造用タンク
 
サンマモルワイナリーの中にある売店(中央上部のガラス越しにビン詰め工程が見学できる)

(画像提供:ぶどう農園の写真はエムケイヴィンヤード提供、それ以外の写真は青森県拠点職員撮影)

りんご農家が作る「津軽の桃」(JA津軽みらい) - 青森県・平川市 - (2018年8月20日掲載)

青森県の代表的果物と言えば「りんご」が頭に浮かびますが、今回紹介するのは、JA津軽みらいの「津軽の桃」です。同JAの地区は、青森県の南西(平川市に本店を置くほか2市2町1村)に位置し、西に岩木山、東に八甲田連峰、平野部は南北に広がる主に稲作地帯で、周辺の緩傾斜地には昼夜の寒暖の差が大きい気候を利用して、りんご園が広がっています。

桃栽培の始まりは、早生品種のりんごの収穫期が9月のため台風被害のリスクがあること、近年の温暖化で桃が栽培できるようになったこと、桃にりんご栽培の技術が応用できること、りんごの木の根が腐る「紫紋羽(もんぱ)病」に桃が強いこと等から、早生品種のりんごを桃へ改植する取組が平成16年頃に始まりました。同年に、会員12名で同JA「平賀桃生産組合」が発足し、平成22年に「津軽もも生産部会」と改称し、現在会員50名、桃栽培面積が10haと拡大してきています。

特に「津軽の桃」の栽培方法にはりんご農家のこだわりがあり、りんご栽培の技術を生かし摘花・摘果作業を1つ1つ丁寧に行い、着色用の反射シートを園地に敷き詰め、果実のお尻の方まで着色させる等の色付の良い桃に仕上げています。このように愛情をこめて育てた桃は、果肉がしまって甘みがあり日持ちの良さも魅力となっています。

また、収穫された桃は、同JAの選果施設に集められ、「光糖度センサー」に通し、サイズ、糖度、色付き等について独自の基準により選別の上、出荷されています。

例年、「津軽の桃」は、早生の「あかつき」から始まり、主力の「川中島白桃」、晩生の「伊達白桃」等の品種の出荷リレーによって、8月上旬から10月上旬頃まで県内外の市場等に出荷されるため、他県の主産地の出荷が終了した時期に出荷ができることと併せ、同JAの選果施設による品質管理が評価され、市場からの引き合いが強い桃となっています。

ブランド化の取組としては、平成28年7月に地域団体商標(津軽の桃)を取得しています。このブランドの知名度向上のため、昨年9月に県内の消費者を招き、収穫体験バスツアーを開催し、桃の収穫体験と料理研究家のスイーツ作りなどを通して商品を知ってもらい、イメージアップにつなげています。

また、生食用の桃の食味向上や栽培面積の拡大化、さらには、同JAの直売所で人気商品のレトルトカレーやスイーツ等の加工品の商品化などに取り組んでいます。

同JA「津軽もも生産部会」の今井会長は、「今年の桃の生育は順調で、主産地の収穫が一段落した8月中旬から9月中旬頃まで収穫予定であり、甘く美味しい桃になるよう栽培管理している。」とのことでした。

ぜひ「津軽の桃」を皆さんも一度味わってみてはいかがでしょうか。


(情報収集)青森県拠点      電話:017-775-2151

りんご農家が作る「津軽の桃」(JA津軽みらい)

りんご農家による桃の摘花
作業の様子
 
「津軽もも生産部会」の今井会長(右側)と三浦氏による桃の生育状況の説明の様子
 
人気商品のレトルトカレー
 
収穫前の「津軽の桃」の様子

(画像提供:「収穫前の「津軽の桃」の様子」はJA津軽みらい、その他3枚の写真は青森県拠点職員)

消費者から信頼される大和しじみ ~ 小川原湖漁業協同組合 ~ - 青森県・東北町 - (2018年5月21日掲載)


青森県東北町にある小川原湖は、県東部に位置し、淡水と海水が入り混じる国内11番目の大きさの湖で、高瀬川によって太平洋とつながっています。地元では宝湖(たからぬま)と呼ばれ、シラウオ、ワカサギ、モクズガニ、ウナギ、そして、黒い宝石と言われる大和しじみ等が生息しています。

小川原湖漁業協同組合では、積極的に資源管理を行いながら、漁業を行っています。特に、全国有数の漁獲量を誇る大和しじみについて、生産者1人1日当たりの漁獲量を35kg以下とし、操業は週5日間で、年間操業日は約240日前後と定め、毎年、夏場の産卵時期に稚貝を放流(昨年は約350億個)しています。

また、4年程度の歳月をかけて成長させてから漁獲するため、殻長が最低でも15mm以上と大粒のしじみです。漁獲方法もエンジン動力により漁船を動かす方法ではなく、船上でジョレン(しじみ漁獲道具)を曳(ひ)く船曳漁(ふなひきりょう)等で行うことから、漁獲時にしじみに与える衝撃は小さく、貝殻を傷つけたり弱らせたりしないために外見が良く鮮度の良い状態で出荷され、取引先から高い評価を得ています。

さらに、全国的に漁獲量が減少する冬場は、身が引き締まり旨味が凝縮する旬の「寒しじみ」として出荷するなど、1年を通して安定的に供給する体制を構築しています。

同組合では、平成5年9月に大和しじみ専用の小川原湖地区卸売魚市場を全国に先駆けて開設し、漁獲されたしじみについて、一元的出荷体制を整備しました。

平成19年頃には各地でしじみの産地偽装が問題となったため、この防止対策として、農林水産省の補助事業を活用し、大和しじみにQRコードを利用したトレーサビリティシステムを導入することにより、消費者が生産者情報(生産者、漁協、買受人)を確認できるようにしました。

昨年12月に「小川原湖産大和しじみ」が地理的表示保護制度(GI)に登録されたことから、今後は、ブランドの保護とともに、産地の価値の高まりによる販路拡大が期待されています。

同組合では海外輸出にも目を向けており、香港に向け、平成28年の冷凍シラウオ50kgの初輸出を皮切りに、昨年は冷凍シラウオ300kg、モクズガニ300kgを輸出し、大和しじみの輸出にも意欲を見せています。

宝湖から漁獲される「小川原湖産大和しじみ」は、1年を通して濃厚な出汁がでるだけでなく身もしっかりしており、食材としての利用の幅も広いという特徴があります。

皆さんも是非一度、味わってみてはいかがですか。


  • お問い合わせ先:小川原湖漁業協同組合
  • 住所:青森県上北郡東北町旭北4丁目31番662
  • 電話:0176-56-2104
  • ホームページ:http://www.jf-ogawarako.com/

(情報収集)青森県拠点      電話:017-775-2151

消費者から信頼される大和しじみ ~ 小川原湖漁業協同組合 ~

ジョレン(しじみ漁獲道具)をひく生産者(右側)
 
黒い宝石と言われる大和しじみ、トレーサビリティシステムを導入し、GIの登録も
  大和しじみは、軽トラックで市場に搬入される
 
大和しじみの入札の様子

(画像提供:漁としじみの写真は小川原湖漁業協同組合、市場の写真は青森県拠点職員)