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東北農政局

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福島地域からの便り(平成30年度)

福島の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

鯉(こい)に恋(こい)する郡山プロジェクト -福島県・郡山市- (2018年11月5日掲載)

郡山市は食用鯉の生産量日本一の街です。

以前は地元でも鯉が慶事・仏事などの行事食や大切なお客様へのおもてなし料理として、特に正月のおせち料理には欠かせない食材として食べられてきましたが、近年の食生活の変化などから消費量が減り、郡山市で生産された鯉のほとんどは他県へ出荷されています。さらに原発事故の風評もあって生産量が減り価格も下がった状況が続いていました。

郡山市では、こうした状況を打開しようと市役所に全国唯一の「鯉係」を新設し、鯉を食文化として定着させ、生産を回復させるために様々な普及活動を行っています。そのひとつが地元での鯉の消費拡大を目的として平成27年から実施している「鯉に恋する郡山プロジェクト」です。

プロジェクトでは、鯉の調理経験のない料理人のための「鯉のさばき方」講習会や試食会を開催し、特に鯉がおいしくなる冬場には鯉食キャンペーンを実施しているほか、県外のPRイベント開催などに取り組んでいます。その結果、市内で鯉料理を提供する店は46店舗まで増え、従来の鯉料理にとらわれない新しい鯉料理が次々と生み出されています。料理以外にも水産加工会社による加工品製造、窯元による鯉料理のための器制作などの取り組みに広がっています。また、郡山市とハンガリーは鯉を食べる同じ食文化を持つことからプロジェクトの始まった平成27年から交流を行っており、ハンガリーの水泳ナショナルチームが東京五輪にむけたトレーニングキャンプに来るきっかけになりました。

さらに原発事故以来中止していた学校給食への食材提供が平成29年から復活し、子供達が地元特産品である鯉のおいしさを知り、身近なものとして感じる機会となっています。

市役所鯉係の若穂囲(わかほい)さんは、「市民や料理人が鯉のおいしさに気づいたことがプロジェクトの広がりに繋がっています。仙台の牛タンや宇都宮の餃子のように、郡山といえば鯉と連想されるようになればと思います。」と話していました。

これから鯉がおいしくなる季節です。郡山市を訪れ、鯉を味わい、そのおいしさに触れてみてはいかがでしょうか。


(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

鯉(こい)に恋(こい)する郡山プロジェクト

洋食にアレンジした鯉料理

うま煮、洗い、鯉こくなど
伝統的な鯉料理

学校給食に提供

鯉係の若穂囲さん

(画像提供:郡山市)

「ホープホワイト」に希望をのせて -福島県・葛尾村- (2018年8月6日掲載)

葛尾村(かつらおむら)は、平成28年6月に帰還困難区域以外の避難指示が解除されたものの、これまでに帰還した住民は原発事故前の2割に届かない状況にあります。

震災前は、水稲を中心に葉たばこの生産や畜産業などが行われていましたが、原発事故の風評が残る現状では、これらを生産し再び市場で販売していくことは容易ではありません。

そこで、葛尾村の3軒の農家が、風評の影響を受けにくい胡蝶蘭の栽培に取り組むこととし、村の出身者が経営する(株)メディオテック(東京都)の協力を得て、今年1月に「かつらお胡蝶蘭合同会社」を設立しました。村でも、福島再生加速化交付金を活用しておよそ600坪の栽培施設を整備し、同社に貸与する等の支援を行っています。

お話を伺った業務執行役の杉下博澄(すぎしたひろすみ)さんは、元々民間企業に勤めていましたが、県の農業者大学校で花きについて学んだ経験もあり、葛尾村で新しい農業を模索する動きがあること、農業に取り組む仲間を探していることを両親から聞き、「村の復興のために何かできることがあるのではないか」と就農の決意をしたそうです。

同社のメンバーは、施設が完成するまでの間、千葉県や群馬県、山梨県で胡蝶蘭を栽培している事例の視察や実務研修に出向き、栽培に必要な知識や技術を習得しました。

胡蝶蘭の商品名は、葛尾の希望、花を贈られた方への希望となるよう「ホープホワイト」と名付け、今年1月上旬から苗を仕入れ、栽培を開始しました。現在は1万4千株を栽培しており、年間4万8千株の出荷を計画しています。4月中旬に開花が始まり、7月21日に最初の荷として東京の大田市場へ60鉢(3本および5本仕立て)出荷しました。「初めて花が咲いた時は、無事に開花に辿りつけたことへの嬉しさとともに、事業の安定化に向けて改めて意気込みを固めた」ということです。

杉下さんは「これから本格的に運営していかなければならないが、施設園芸は取り組める作目の幅が広いので、胡蝶蘭はもちろんのこと、施設園芸を村の基幹産業に育てていきたい」と、地域の農業振興への寄与により復興大臣から授与された表彰状を前に決意を語ってくださいました。

  • お問い合わせ先:かつらお胡蝶蘭合同会社
  • 住所:福島県双葉郡葛尾村大字落合字菅ノ又148-2
  • 電話:0240-37-4380
  • FAX:0240-37-4381

(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

「ホープホワイト」に希望をのせて
胡蝶蘭栽培施設の外観 ホープホワイト(胡蝶蘭)
かつらお胡蝶蘭合同会社
業務執行役 杉下博澄氏

出発式の様子

(画像提供:出発式の様子はかつらお胡蝶蘭合同会社、その他は東北農政局福島県拠点職員撮影)

復興・再生の先駆けとして~南相馬地酒生産推進協議会~  -福島県南相馬市- (2018年5月7日掲載)

人馬一体となって勇壮な戦国絵巻を繰り広げる「相馬野馬追」。大勢の武者達を率いる総大将の陣所を「御本陣(ごほんじん)」と言います。これにちなんで名付けられた純米酒「御本陣」は、南相馬市で生産された酒造好適米「夢の香(ゆめのかおり)」(福島県育成品種)を原料に平成28年から製造・販売されています。パッケージの文字は、相馬野馬追で総大将を務める相馬家の御当主が揮毫(きごう)されたそうです。

南相馬市は、7年前の東日本大震災・原発事故で、農産物の出荷制限や風評被害、これらに伴う農家の生産意欲の低下等、大きな打撃を受けました。

こうした中、米生産者の方々と、地元の酒販売業者や飲食業者、南相馬市が、地元産米を使った地酒の生産を通じ、農業の復興・再生や南相馬市の魅力の発信、消費者との交流による地域活性化を目指して28年8月に「南相馬地酒生産推進協議会」を組織しました。

震災後、農地の復興が進み、28年から「夢の香」の栽培を開始し、生産意欲も向上した29年度の作付面積は約1.3haとなりました。協議会を中心に生産者と販売業者が一体となって「御本陣」の開発に取り組み、28年度は四合瓶約5,000本を製造しました。29年度は四合瓶約5,900本、一升瓶約1,570本の「御本陣」を製造し、協議会会員の22店舗(平成30年4月20日現在)で販売されています。

協議会の方は、「南相馬市における農業の復興・再生のためにも、引き続き酒米の生産と「御本陣」の販売を拡大していくことが重要です。同協議会では、震災以降支援を受けた交流自治体等での販売を検討する等、「御本陣」が南相馬市農業の復興・再生の先駆けとなるよう頑張っています。」とこれからの意気込みを話されました。

是非、南相馬市へお出かけいただき、地元産の農産物と「御本陣」を味わってみてください。

  • お問い合わせ先:南相馬地酒生産推進協議会
  • 住所:福島県南相馬市原町区本町二丁目27(北庁舎1階)
            (南相馬市役所経済部農政課内)
  • 電話:0244-24-5261

(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

復興・再生の先駆けとして ~ 南相馬地酒生産推進協議会 ~

南相馬地酒推進協議会の
皆様

酒造好適米「夢の香」

純米酒「御本陣」

相馬野馬追の様子

(画像提供:南相馬地酒生産推進協議会)