このページの本文へ移動

東北農政局

メニュー

福島地域からの便り(平成31年度・令和元年度)

福島の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

「はな」=ダリア、そして人の「わ」で町おこし! -福島県・塙町-  (2020年1月21日掲載)

福島県の南端に位置し、比較的温暖な気候に恵まれている塙町(はなわまち)では、町の花にもなっているダリアで町おこしに取り組んでいます。

平成10年に町の第3セクターによる温泉施設「湯遊ランドはなわ」がオープンした際、長期間見て楽しめる花としてダリアを植栽したのがきっかけで取組が広がり、平成13年に開催された地方博覧会の「うつくしま未来博」では、町でダリア園を出展し、町民の力を合わせた取組が評価され、「優秀賞」を受賞しました。

平成21年に塙町ダリア切花生産等推進協議会を立ち上げ、切花生産の振興に力を入れ、現在18戸でダリア生産が行われています。

花きの国内需要が減少し、価格も低迷していることから、ダリアの海外市場を意識して、持続可能で環境に優しい花づくりの証である「MPS」(花き産業総合認証)を平成29年に取得し、大田市場(東京都)への出荷や産地直送のほか、平成30年7月から中国への輸出を始めました(平成30年実績:ダリア総出荷量75,327本のうち、5,400本を輸出)。

塙町では、平成28年度から地域おこし協力隊を募集し、現在1名の隊員が町保有のほ場で町のオリジナル品種の「メダリスト」等を栽培しているほか、都市交流で町のPRや地域・農家との交流などを行っています。

また、「はなわダリア祭」(毎年8~10月開催)とそれに併せた「ダリア写真コンテスト」、「ダリアゼミナール」等のイベントを開催したり、東京都内で開催される各種イベントへの参加、出展等県外へのPRにも積極的に取り組んでいます。

塙町の担当者は、「今年度中に、民間企業との共同出資により花きの生産から流通までを一貫して行う農業法人を立ち上げる予定で、輸出にも取り組むことにしている。経営が早く軌道に乗り、高齢化や担い手不足の課題の解決に繋がればと期待している。」と語ってくれました。

町名の「はな」=花、そして人の「わ」=和・輪で町おこしをしようという想いをのせたダリアが咲く塙町を、一度訪れてみませんか。

 

  • お問合せ先:塙町役場まち振興課
  • 住所:福島県東白川郡塙町大字塙字大町三丁目21番地
  • 電話:0247‐43‐2118
  • ホームページ:http://www.town.hanawa.fukushima.jp/

(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

「はな」=ダリア、そして人の「わ」で町おこし!
地域おこし協力隊員の岩見さん
地域おこし協力隊員の
岩見さん
湯遊ランドはなわのダリア園の風景
湯遊ランドはなわの
ダリア園の風景
東京都墨田区でのイベント風景
東京都墨田区での
イベント風景
塙町オリジナルダリア「メダリスト」
塙町オリジナルダリア
「メダリスト」
(写真提供:「湯遊ランドはなわのダリア園の風景」「東京都墨田区のイベント風景」及び
「塙町オリジナルダリア「メダリスト」」は塙町まち振興課、その他は福島県拠点職員撮影)

 

地域の未来を醸したい  ~新鶴ワイナリー~ -福島県・会津美里町-  (2019年10月23日掲載)

会津美里町(あいづみさとまち)新鶴(にいつる)地区は、会津盆地の丘陵地に位置し、日当たりがよく日較差も大きいため、果樹の栽培に適しており、大手ワイン会社のぶどうの契約栽培地として40年以上の歴史があります。

この地域は古くは「オタネニンジン」(高麗人参とも呼ばれます)の生産が盛んに行われていましたが、「オタネニンジン」は一度栽培するとその後数年間作付けが出来なくなることから次々と開墾され、跡地利用が課題になっていました。そうした時に、ワイン会社から、このような土地にはぶどうの栽培が適しているとの話があり、ぶどうの栽培が盛んになったそうです。

しかしながら、近年はぶどう生産者の高齢化が進み、耕作放棄地も年々増えてきたことから、これ以上耕作放棄地を増やさないため、町では醸造用ぶどう生産の振興を進めようとして、ワイン醸造事業を行う合同会社を設立し、新鶴ワイナリーを開設しました。

現在は約1.1haの圃場でツヴァイゲルトレーベ、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロー等を栽培しています。

今年は7月に雨が多かったため、栽培管理が大変だったとのことですが、その後は好天に恵まれ、9月中旬から品質の良いぶどうを収穫中です。ワイナリーでは他にも地元産のりんごを使ったシードルの醸造を併せて行っており、これから忙しい季節を迎えます。

今年の春、会津ワインを全国に広げたいとの想いから、会津地域に本社を置くワイン会社2社と共に「会津ワイン研究会」を立ち上げました。活動は始まったばかりですが、今後情報発信を進めていくとのことです。

ワイナリーには、レストランも併設されており、この夏は多くの観光客が訪れました。また、地元の小学生を招いてのぶどうジュース作り体験等のイベントも開催されています。県外の飲食店関係者や一般のワイン愛好家からの、評判も上々とのことです。

また、近隣には温泉入浴施設もあり、新たな観光名所としての発展も期待されています。是非一度ワインを味わいに会津美里町へおいで下さい。

 

  • お問合せ先:合同会社会津コシェル(新鶴ワイナリー)
  • 住所:福島県大沼郡会津美里町鶴野辺字下長尾2398
  • 電話:0242-23-9899

(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

地域の未来を醸したい  ~新鶴ワイナリー~
新鶴ワイナリー
新鶴ワイナリー
スチューベンの圃場
スチューベンの圃場
メルローの圃場(垣根栽培)
メルローの圃場(垣根栽培)
ワイン貯蔵タンク
ワイン貯蔵タンク
(写真撮影:福島県拠点職員撮影)

 

野菜づくりにチャレンジ!「くにみ農業ビジネス訓練所」 -福島県・国見町-  (2019年7月19日掲載)

国見町(くにみまち)は福島県の北部に位置し、桃やあんぽ柿など、果樹栽培が盛んな町です。一方、農業経営体数は減少傾向にあり、農業の担い手育成が喫緊の課題となっています。

国見町は、町の主要農産物である桃等の果樹、水稲に次ぐものとして、野菜によって「稼げる農業」を目指す農業者を育成するため、平成30年4月に『くにみ農業ビジネス訓練所』を開設しました。

同訓練所は国見町によって運営され、研修室、出荷作業場等の研修・管理施設や養液栽培用の鉄骨ハウス(約1,000m2)、野菜栽培用のパイプハウス(4棟・約650m2)と露地栽培ほ場(約900m2)を備え、随時、県職員OBの方々等を講師として1年を通して野菜栽培の研修が行われています。

研修には、(1)国見町在住の方若しくは国見町内の土地を活用して新規就農する意欲がある方を対象とした『長期研修』、(2)国見町在住の方または国見町内に農産物を出荷販売する方で、野菜栽培技術の習得を目指す方を対象とした『短期研修』、(3)国見町在住の中学生以下の子どもとその保護者を対象とした『体験研修』の3種類があり、研修の項目内容(カリキュラム)の豊富さと、対象が約15品目という品目の多さも特徴のひとつとなっています。

平成30年度は、野菜栽培の実践など5つのコースの『短期研修』で延べ146名、サツマイモの栽培など3つのコースの『体験研修』で延べ39家族・110名が参加され、好評を得たとのことです。

今年度は、短期研修、体験研修とも新たなコースを新設するなどの充実を図りながら継続して取り組まれています。また、平成30年度は応募が無かった長期研修では、待望の長期研修生を4月から2名受入れることができ、座学と実習を通した研修が行われています。

同訓練所が、担い手の育成、生産者の栽培技術向上の拠点としての役割を果たし、地域農業の振興と農業者の所得向上が図られることが期待されます。


(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

野菜づくりにチャレンジ!「くにみ農業ビジネス訓練所」
『くにみ農業ビジネス訓練所』の研修・管理施設
『くにみ農業ビジネス
訓練所』の研修・
管理施設
養液栽培用鉄骨ハウス
養液栽培用
鉄骨ハウス
ミニトマトの養液栽培の様子
ミニトマトの
養液栽培の様子
トマト栽培の研修に取り組む研修生のお二人
トマト栽培の
研修に取り組む
長期研修生のお二人
(写真提供:「くにみ農業ビジネス訓練所の研修・管理施設」及び「養液栽培用鉄骨ハウス」は
国見町産業振興課、その他は福島県拠点職員撮影)

 

7年ぶりの出荷再開から1年経過  ~「畑ワサビの里」再生への歩み~  -福島県・伊達市-  (2019年4月19日掲載)

福島県伊達市の月舘地区及び霊山地区で生産された畑ワサビは、平成30年4月、7年ぶりに出荷を再開しました。

同地区の畑ワサビは、40年ほど前に生産が始まり、最盛期には1億円を売り上げた地域の特産品です。しかしながら、平成23年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により当地の畑ワサビも出荷が制限されました。

地元JAと生産者は県や市、東京農業大学と連携し、ほ場の放射性物質の自主検査、放射性物質の影響を受けない栽培技術の確立のための試験、放射性物質の影響のないほ場の調査とそれに基づく現地調査などに取り組んできました。出荷制限が長引くにつれて生産意欲が低下し再出荷を諦める者も少なくありませんでしたが、「地域を支えてきた畑ワサビを絶やすわけにはいかない」と、地域に残されたわずかな苗を株分けして管理が続けられました。

こうした生産者の努力と関係機関の取組が実を結び、平成30年3月に出荷制限が解除(県の定める管理計画に基づき管理される畑ワサビについて)され、畑ワサビの里の再生に向けて一歩を踏み出しました。平成30年は、9戸の生産者が花ワサビと葉ワサビを合計260kg出荷しました。

平成31年4月、出荷再開から1年が経過しましたが、出荷可能な生産者は14戸にとどまり、苗の供給体制も十分整っていないことから、出荷量を大きく増やすことは難しい状況ですが、JAの担当者は「少しずつでも出荷できるほ場を増やし、『畑ワサビの里』の再生に向けて歩んでいきたい」と語ってくれました。

復興への強い思いが込められた畑ワサビは、今後も地域の支えとなっていくことが期待されます。

  • お問合せ先:JAふくしま未来月舘営農センター
  • 住所:福島県伊達市月舘町布川字新屋敷18-1
  • 電話:024-572-2444
  • ホームページ:https://www.ja-f-mirai.or.jp/

(情報収集)福島県拠点    電話:024-534-4142

7年ぶりの出荷再開から1年経過  ~「畑ワサビの里」再生への歩み~
7年ぶりの出荷を果たした畑ワサビ
7年ぶりの出荷を果たした
畑ワサビ
(平成30年4月16日)
「伊達市産畑ワサビ出荷再開式」の様子
「伊達市産畑ワサビ
出荷再開式」の様子
(平成30年4月16日)
収穫の時期を迎えた畑ワサビ
収穫の時期を迎えた
畑ワサビ
(平成31年3月)
平成30年に出荷再開を果たした生産者の斎藤さん夫妻
平成30年に出荷再開を
果たした生産者の
斎藤さん夫妻
(写真提供:「7年ぶりの出荷を果たした畑ワサビ」及び「伊達市産畑ワサビ出荷再開式の様子」は
福島県県北農林事務所伊達農業普及所、その他は福島県拠点職員撮影)