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東北農政局

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宮城地域からの便り(平成30年度)

宮城の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

国内最北のオリーブ 一大産地を目指して -宮城県・石巻市- (2019年3月20日掲載)

石巻市(いしのまきし)は、比較的温暖な気候と豊かな水資源を活かし、水稲生産を中心に、施設野菜や花き等の園芸作物のほか、肉用牛生産等の畜産を組み合わせた複合経営の農業が展開されています。また、古くから世界三大漁場に数えられる金華山沖漁場に面した漁業の街としても有名です。

2年前、市役所や宮城県東部地方振興事務所、市内の4つの農業法人等が中心となって「石巻市北限オリーブ研究会」を立ち上げ、オリーブを復興のシンボルとして新たな特産品にするためのプロジェクトが始まりました。

復興庁職員からの紹介で、日本におけるオリーブ栽培の先駆けでもある香川県小豆島の農業生産法人から、苗の調達から技術指導まで全面的な協力を受けてのスタートでした。

現在、北上川の河口に位置する北上地区を中心に、雄勝(おがつ)地区、河北(かほく)地区のほか、牡鹿(おしか)半島の南に浮かぶ網地島(あじしま)で、およそ1,700本のオリーブの苗木を育てています。

オリーブは、古代ギリシャの時代から栽培され、果実は油を搾るほか、食用としても塩漬けやピクルスなどに加工されています。石巻市でも、果実はオリーブオイルや塩漬けにするほか、葉は粉末状にして菓子や茶の原材料に、枝は燻製のスモークウッドに、オイルの搾り糟は魚のエサにするなど、その生産物は余すところなく活用する予定です。また、平成27年から毎年開催されている「いしのまき復興マラソン」では、優勝者に冠するオリーブ冠としても提供されています。

果実の収穫時期は11月初旬。昨年は84kgの収穫があり、初めてオリーブオイルに加工しました。まだ十分な収量でないため市場には出回りませんが、市では、今年は500kg、来年は1トンの収穫を目標に栽培を計画しています。本年の10月頃までに市内にオリーブオイル等の加工施設を建設する予定もあり、早ければ本年中には「石巻産オリーブ」の商品化が実現できるかもしれません。

市の担当職員は、「石巻の特産品として、6次産業化などによる高付加価値化も考えながら、各生産者の新たな収益に繋がるよう地域全体で盛り上げて行きたい。」と話していました。

オリーブの花言葉は「平和」。東日本大震災の復興のシンボルとして生産された「石巻産オリーブ」のフレッシュな味わいに、今から期待が膨らみます。

(情報収集)宮城県拠点  電話:022-221-6404

国内最北のオリーブ一大産地を目指して
石巻オリーブの1500本定植記念植樹

石巻オリーブの1500本定植記念植樹(平成30年6月2日)

昨年秋に収穫されたオリーブの果実

昨年秋に収穫されたオリーブの果実

いしのまき復興マラソンでのオリーブ戴冠(平成30年6月23・24日)

いしのまき復興マラソンでのオリーブ戴冠(平成30年6月23・24日)

三陸の日差しが眩しいオリーブ畑

三陸の日差しが眩しいオリーブ畑

( 写真提供:石巻市役所提供 )

GI登録「岩出山の凍り豆腐」 -宮城県・大崎市- (2018年12月20日掲載)

大崎市岩出山(いわでやま)地域で生産されている「岩出山の凍り豆腐」は、今年GI(地理的表示保護制度)に登録されました。宮城県内では「みやぎサーモン」に続き2番目の登録で、加工食品の登録としては東北初となります。

岩出山の凍り豆腐は、江戸末期(1842年)に斎藤庄五郎という方が奈良県小倉山の凍り豆腐の製造法を学び岩出山に持ち帰ったのが始まりです。岩出山地域の冬はマイナス15度を下回る厳しい寒気にさらされますが、それが湿気や強風を嫌う凍り豆腐作りに適した環境であったことから、当地で凍り豆腐の生産が盛んとなり、その後、独自の改良を重ね現在の製法が定着しました。

他産地の凍り豆腐との大きな違いは、凍らせて熟成した豆腐を一旦水につけて解凍し、水を絞り、また凍らせることで、灰汁等の雑味が取り除かれ豆腐本来の味が際立つところにあります。更に、膨軟剤等を一切使用していないため、素朴な味と弾力に富んだ歯触りが特徴です。GI登録に際し原料大豆は宮城県産とされており、現在は、大崎市岩出山地域で生産された大豆(ミヤギシロメ)100%で製造されています。

岩出山凍豆腐生産協同組合代表の小松さんは、「岩出山の凍り豆腐は明治28年に「第四回内国勧業博覧会」において表彰されたが、この度のGI登録により、2回も国からのお墨付きをもらったと感じている。」と話されていました。また、テレビ番組で「現在の健康志向にマッチした食品」と紹介されたこともあり、GI登録と併せ、今後のPRへの好影響をもたらすことが期待されています。

凍り豆腐は、冬場の寒気にさらすことにより乾燥・熟成します。通常は豆腐を藁(わら)で編み、野外に吊す方法が一般的ですが、岩出山の凍り豆腐は、その独特なサイズからミゴ(稲穂の芯材)を使用していました。現在は、水田の機械化に伴い稲穂の確保が困難になったためイグサを使って編み上げています。その風景は岩出山地域の冬の風物詩となっており、11月末~翌年2月中旬の間の気温の寒い日に見られます。

11月12日に開催された「岩出山凍り豆腐地理的表示(GI)登録お披露目会」では、JAいわでやまの鈴木組合長から「このGI登録で多くの方々に興味を持ってもらい、食べてもらうことが生産者の励みになり、伝承を継続していく力になる。」とのお話もありました。

大崎市岩出山地区にお越しの際は、凍り豆腐の乾燥風景を見て、凍り豆腐をお土産にしてはいかがですか。

  • お問い合わせ先:いわでやま農業協同組合
  • 電話:0229-72-1160
  • FAX:0229-72-0059
  • URL:http://www.ja-iwadeyama.or.jp/[外部リンク]

(情報収集)宮城県拠点  電話:022-263-1111(内線4606)

GI登録「岩出山の凍り豆腐」

凍り豆腐の乾燥風景


イグサへの編込み


凍り豆腐(製品)


GIお披露目会

( 写真提供:「凍り豆腐(製品)」はいわでやま農業協同組合、そのほかの3枚は宮城県拠点職員撮影 )

宮城蔵王産「梨」香港へ渡る -宮城県・蔵王町- (2018年9月20日掲載)

宮城県内有数の果樹産地である蔵王町では、日本なし、りんご、桃、ブルーベリー等多くのフルーツが生産されています。特に日本なしは、平成28年の産出額(推計)が3億7千万円で県内一となっているほか、平成25年には、町の「蔵王ブランド推進協議会」において、定められた栽培基準や品質基準を満たした「蔵王梨」を、蔵王ブランドとして認定することとなりました。このため、JAみやぎ仙南蔵王地区梨部会(会員数70名、栽培面積約70ha)では、今後の「蔵王梨」ブランドの展開に意欲を高めています。

また、その栽培の歴史は古く、大正2(1913)年以来続いており、蔵王梨栽培100年目を記念して平成25年から始まった「みやぎ蔵王梨まつり」は、今年で第6回を数えました。

JAみやぎ仙南では、国外にも蔵王産の梨をPRするため、8月下旬から香港向けの梨輸出を始めました。この輸出の取組は昨年に続き2年目となります。

昨年は、近年経済成長が著しいベトナム向けに5tを輸出しました。ベトナムでは、甘くてジューシーなどと評判が良かったものの、事前のほ場登録や害虫防除などの検疫対策等、クリアすべき条件が多く、採算が合わないという課題がありました。

2年目の今年は、前年の課題を踏まえ、今後も継続して輸出に取り組めるよう、ベトナムにかえて、現在の施設や設備などで検疫対策などの輸出条件への対応が可能な香港向けの輸出に取り組むこととなりました。

今年は春先から高温で経過したため、例年に比べ1週間ほど生育が進んでいる中、8月27日から早生品種の「幸水」を皮切りに香港向け輸出が始まり、9月13日から店頭に並びました。

香港では中秋節の贈答用として、日本産の甘いフルーツは大変人気があります。輸出する蔵王梨は、JAみやぎ仙南蔵王梨選果場で選果され、光センサーで糖度を測定するなど味・品質の統一が図られており、今年は、好天に恵まれたため糖度が高く品質は良好です。

今後、「豊水」、「新高」と品種リレーをしながら輸出は続き、10月中旬まで現地のスーパーなど2社の店舗で約2tが販売される予定です。

この輸出の取組が、継続性のあるビジネスとなるよう、JA全農インターナショナルの協力の下、10月上旬には蔵王町、みやぎ仙南農業協同組合それぞれの代表が香港を訪れ関係者一丸となったトップセールスが行われます。

JAみやぎ仙南生産販売部長は、「この「蔵王梨」は、生産者が丹精込めて栽培した自信を持ってお届けできるもの。更なるPRに努め、生産者の意欲を高め、輸出拡大につなげたい。」と話されています。

蔵王梨輸出の取組は、昨年から始まったばかりで、まだ試行錯誤のところもありますが、今後は「蔵王梨」ブランドを更に確立し、輸出量の拡大が期待されます。

  • お問い合わせ先:みやぎ仙南農業協同組合生産販売部
  • 住所:宮城県柴田郡柴田町西船迫一丁目10-3
  • 電話: 0224-55-1870
  • FAX:0224-58-3181
  • URL:http://www.ja-miyagisennan.jp [外部リンク]

(情報収集)宮城県拠点  電話:022-263-1111(内線4608)

宮城蔵王産「梨」香港へ渡る

収穫を待つ宮城蔵王産「梨」


宮城蔵王産「梨」香港向け輸出開始の様子


2018年産初出荷の「幸水」梨


第6回みやぎ蔵王梨まつり

( 画像提供:「宮城蔵王産「梨」香港向け輸出開始の様子」及び「2018年産初出荷の「幸水」梨」はJAみやぎ仙南、「第6回みやぎ蔵王梨まつり」は蔵王町、「収獲を待つ宮城蔵王産「梨」」は宮城県拠点職員撮影 )

ワイナリーを核として中山間地域を元気に -宮城県・大和町- (2018年6月20日掲載)

宮城県大和町(たいわちょう)にあるワイナリー、了美(りょうみ)ヴィンヤード・アンド・ワイナリーは、「ワイナリーには何故か人が集まる。ワイナリーで地域の活性化が出来るのではないか」との発想から、平成29年に設立された県内3番目のワイナリーで、本年4月に直営ショップをオープンしました。

約500平方メートルある醸造所内には28基のタンクが並び、一度に約30,000本のワインを製造することが出来ます。現在は平成28年10月から植樹した約2,400本のぶどうの苗木が育成中のため、青森県産、山梨県産のぶどうを原料としたワインを醸造・販売しているほか、シードルの醸造・販売をりんご栽培農家(山形県と仙台市根白石地区)と契約して行っています。

本年中には地元の新鮮な野菜を使ったメニューを提供するレストランをオープンする予定であり、敷地内のぶどうが収穫できるようになる平成32~33年にはぶどう約10種類10,000本を使ったワインの生産を見込んでいます。

代表者は、「ワイナリーを中心に、ぶどう栽培からワインの醸造・販売、隣接する富谷市の特産であるブルーベリーを原料としたワイン製造の請負、レストランを併設することによる地産地消への取組のほか、将来的には宿泊施設を整備して、農泊に取り組むことも考えています。中山間地域の豊かな自然と、大和町にある七ツ森を望む標高330mからのすばらしい眺望を観光資源として活かして、近隣にある松島などの観光地をめぐる既存の地域観光のツアーに組み込んでもらうなど、農と食から人の交流と地域の活性化を目指していきたい。」と話されています。

皆さんも、ワイナリー敷地内の小高い丘から見下ろすすばらしい眺望とおいしいワインを味わいに、了美ヴィンヤード・アンド・ワイナリーを訪れてみてはいかがでしょうか。

  • お問い合わせ先:了美ヴィンヤード・アンド・ワイナリー
  • 住所:宮城県黒川郡大和町吉田字旦ノ原36-15
  • 電話: 022-725-8370
  • FAX:022-725-8371
  • URL:http://ryomi-wine.jp [外部リンク]

(情報収集)宮城県拠点  電話:022-263-1111(内線4607)

ワイナリーを核として中山間地域を元気に

ワイナリーの敷地内にある育成中のぶどう畑


了美ヴィンヤード・アンド・ワイナリーの全景


ワイナリーの醸造用タンク


直売所の様子