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東北農政局

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宮城地域からの便り(平成31年度・令和元年度)

宮城の「農山漁村の季節の風物詩」、「農産物直売所、農漁家民宿等の取組」、「村おこしイベント」、「農山漁村の行事、お祭り」、「郷土料理」など東北各地域の取組や様子などを紹介します。

町をあげて取り組む健康食  ~えごまで健康と活力を~   -宮城県・色麻町- (2019年12月5日掲載)

近年、健康志向の高まりとともに、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)と呼ばれる栄養素を含んだ食用油が注目されています。オメガ3脂肪酸は、中性脂肪の合成を抑える効果や、代謝を上げる効果も期待できると研究が進められており、これを多く含んでいるのがえごま油です。えごま油の原料となるえごまは、名前はゴマに似ていますが、実はシソの仲間の一年草です。

宮城県のほぼ中央北西部に位置し、西に奥羽山系に属する秀峰・船形山を望む色麻町(しかまちょう)は、町をあげてえごまの栽培に取り組んでいます。往古からの歴史もあり、町内には前方後円墳や円墳など学術的に貴重な遺跡が数多く現存するほか、奈良時代の「続日本紀」(しょくにほんぎ)にその地名が登場しています。

色麻町では古くからえごまを自家用として栽培してきました。そこで、この伝統あるえごま文化を継承しつつ、地域農業の振興の一翼を担うため、平成12年に色麻町えごま栽培推進協議会を立上げ、本格的な栽培が始まりました。協議会では、農業改良普及センターと共に独自の栽培マニュアルを作成したり、研修会を開催したりする等、生産力向上や担い手の育成等に取り組んでいます。また、コンバインや定植機、乾燥機などを導入し、栽培の機械化一貫体系を確立することで作業効率の向上と軽労化、品質向上を図っています。

さらに、町、地元JA、色麻町産業開発公社が協力して、加工や販売等を行っています。えごま油のほか、ドレッシングなどの調味料や菓子類、焼酎など数多くの商品を開発し町の特産品としてPRするとともに、これらを活用した雇用の創出や交流人口の拡大につなげようとするなど、まさに三位一体の取組です。この取組をひと目見ようと、全国からも多くの視察が訪れます。

生産者の一人、鶴谷亨さんは「今年は夏の猛暑の影響(効果)かもしれないが、いつもの年と比べて、草丈も粒の入り具合も倍近いので収量が期待できそうだ。」と言います。また、色麻町役場産業振興課主事(取材当時)の板垣柊介さんは「えごまの栽培は成果が出ている。年間を通して原料となるえごまが不足しないように、作付面積を現在の30haからさらに拡大していきたい。」と話してくれました。

地域の活性化と、町民の健康を支えるえごまのチカラ。皆さんも色麻町のえごま油を日々の食生活にちょいかけしてみませんか。

 

  • お問合せ先:色麻町役場産業振興課
  • 住所:宮城県加美郡色麻町四竃字北谷地41番地
  • 電話:0229-65-2128
  • ホームページ:http://www.town.shikama.miyagi.jp/1.html [外部リンク]

(情報収集)宮城県拠点  電話:022-266-8778

町をあげて取り組む健康食  ~えごまで健康と活力を~
コンバインで一気に刈り取ります
コンバインで
一気に刈り取ります
収穫したばかりのえごまの実
収穫したばかりの
えごまの実
町を一望できる高台にあるえごまの調製施設
町を一望できる高台にある
えごまの調製施設
えごまを原材料とした加工品

えごまを原材料とした
加工品

( 写真撮影:宮城県拠点職員 )

凛とした佇まいの輪菊に魅せられて ~南三陸町復興組合『華』~ -宮城県・南三陸町- (2019年9月5日掲載)

宮城県の北東部に位置し、志津川湾に面する南三陸町(みなみさんりくちょう)は、リアス式海岸特有の優れた景観を持ち、カキ(牡蠣)、ホヤ、ワカメなどの海面養殖業が盛んに行われていますが、宮城県における菊の主要な産地でもあるほか、農漁業体験を含む滞在・体験型の観光にも力を入れています。

南三陸町で栽培される菊は、主に「輪菊(りんぎく)」と言って、一本の茎に一輪の花を咲かせるタイプで、奈良時代に中国から渡来し、当時は薬用とされていましたが、清楚で気品のある美しさから貴族の観賞用として栽培されました。その後、各地で様々な品種改良が進められ、現在ではお供え等に飾られる切花の代表格です。

組合長の佐藤 隆雄(さとう たかお)さん以外は全員40代という輪菊生産者4名で構成された南三陸町復興組合『華』は、東日本大震災で被災した農地・ハウスを復旧し、いち早く営農を再開したことより、出荷量が震災前を越えて順調に増え、最近ではハウスが20棟を超えるほどとなりました。8月から9月のこの時期は、菊出荷の最盛期を迎え、朝も暗いうちから収穫された菊は、東京や仙台の市場へと旅立ちます。

佐藤さんのハウスで栽培しているのは、金扇立花(きんせんりっか)という鮮やかな黄色の輪菊。栽培は、菊の日長時間に反応する性質(光周性)を利用し、シェードで日の光を遮ることにより開花を早めたり、夜間に電灯を点けて暗い時間を短くし開花を遅らせたりしながら、需要の高まる時期にタイミングを合わせます。また、輪菊に仕立てるために、脇から出る芽をひとつひとつ手で摘み取る工程は、慎重さと根気を必要とする大変な作業です。

また、組合「華」では、毎年地元志津川小学校の2年生に菊栽培の体験授業も行っています。今年も6月に組合が育成した苗を一緒に植え、10月に児童たちが丹精込めて育てた菊の花を地元の皆さんも交えて楽しむ予定です。佐藤さんは、「子どもたちに南三陸町で菊を栽培しているということを知ってもらい、育てることで興味を持ち、将来「自分たちも菊で営農してみたい!」という子が出てくるといいなと思っています。」と、期待を寄せていました。

古くから日本人に親しまれてきた菊の花。南三陸の輪菊は、令和新時代も未来に向けて咲き続けます。

  • 取材先:南三陸町復興組合『華』
  • 住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川(田尻沢地区)
  • お問合せは、東北農政局宮城県拠点(022-266-8778)までお願い致します。

(情報収集)宮城県拠点  電話:022-266-8778

凛とした佇まいの輪菊に魅せられて ~南三陸町復興組合『華』~
組合長の佐藤隆雄さんご夫妻

組合長の佐藤隆雄さん
ご夫妻
東日本大震災農業生産対策交付金を活用して再建された組合のハウス

東日本大震災農業生産対策
交付金を活用して再建された
組合のハウス
お盆とお彼岸に向け光を使って開花時期を調整中

お盆とお彼岸に向け光を
使って開花時期を調整中
わき芽を取る作業は、一本一本手作業によるもの

わき芽を取る作業は、
一本一本手作業によるもの

( 写真撮影:宮城県拠点職員 )

多賀城市の歴史を目と舌で ~古代米グルメブランド『しろのむらさき』~ -宮城県・多賀城市- (2019年6月5日掲載)

食の多様化が進み、米の消費が減少する中、多賀城市(たがじょうし)では、いわゆる古代米を活用した新たな米の需要拡大と水田の有効活用を目指しています。

多賀城市は、奈良時代の724年、鎮守府として陸奥国府(むつこくふ)が置かれ、古くは東北の政治の中心でした。2024年に国府設置1300年を迎えることを記念し、多賀城南門の復元事業を行うとともに、当時の食生活にも注目し、古代米を活かした新たな「米の加工品」等を開発し、観光資源としてPRを進めています。

8年前に父親の跡を引き継いで就農した加藤真崇(かとう まさたか)さんは、市内で水稲を約9ha、古代米を1.3ha栽培しています。加藤さんは、古代米が食品や観光資源としての価値を大いに秘めていると考え、4年前に、多賀城市の新たな名物として、市役所や市の観光協会とともに、古代米ブランド『しろのむらさき』を立ち上げました。今では、20以上の地元業者が60種以上の古代米商品を開発し、「多賀城グルメ」としてその名が浸透しています。そして、年内には宮城県の流通・消費の要である仙台市にも、販路を広げる取組を計画しています。

加藤さんは、「古代米は、一般的な米と比べて収穫量が少ないなど栽培は難しいが、多賀城市の『誇り』のひとつとして認知してほしい」という熱い想いを持っています。当初は10aの作付けでしたが、需要の拡大に合わせて、1.3haまで面積を広げ、黒や赤や緑の古代米も生産しています。今年も地元小学生による「古代米田植え体験」を開催しており、「子どもたちに多賀城産の古代米を自慢に思ってもらうためにも、継続的な食育活動にしていきたい」と話されていました。

もちもちの食感を活かした古代米グルメブランド『しろのむらさき』の商品は、市内の飲食店やパン屋などで販売されています。今後は古代米の「色」に注目し、古代米をカラフルな色つき米粉として活用したスイーツ作りも計画されています。

多賀城市を訪れた際は、古(いにしえ)の歴史ロマンと情趣ある味わいを目と舌で楽しんでみてはいかがでしょうか。

  • お問合せ先:多賀城市観光協会
  • 住所:宮城県多賀城市中央2-7-1
  • 電話:022-364-5901
  • ホームページ:http://www.tagakan.jp/[外部リンク]    「多賀城市観光協会  日本三大史跡、歌枕(家持・西行・芭蕉)の地を巡る ~いにしえの人々が行き交うまち多賀城~」

(情報収集)宮城県拠点  電話:022-221-6404

多賀城市の歴史を目と舌で ~古代米グルメブランド『しろのむらさき』~
地元小学校の児童による「古代米田植え体験」
地元小学校の児童による
「古代米田植え体験」
生産者の加藤真崇さん
生産者の加藤真崇さん
古代米の稲穂が美しく実る様子
古代米の稲穂が
美しく実る様子
地元企業が『しろのむらさき』に参画し開発された商品

地元企業が『しろのむらさき』に
参画し開発された商品

( 写真提供:「生産者の加藤さん」「稲穂の様子」及び「開発された商品」は、多賀城市観光協会、
「田植え体験」は、宮城県拠点職員撮影 )