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【取組の背景】
青森市の夏季冷涼な気候に適した農作物として、同地域では昭和50年頃からカシス栽培(加工向け)が行われている。
昭和60年にはカシス栽培を行っている農家女性を中心に「あおもりカシスの会」が設立され、ジャムやジュースに加工・販売するなどの活動を展開し、現在では日本を代表する産地となった。
近年、カシスにはポリフェノールやビタミン、ミネラルなどの栄養素に加え、カシス特有のカシスアントシアニンが含まれていることや、様々な健康効果が報告されるようになり、カシスの需要が高まったものの、熟練した生産者でも1時間に1kgしか収穫できないことと、果実の買取単価が低いために雇用を入れることが難しいことなどにより、出荷量が増えない状況にある。
こうしたことから、青森県や財団法人むつ小川原地域・産業振興財団の支援を受け、出荷量の増加を図るとともに、高付加価値化などによる高収益確保対策を行うことによって、カシス産業基盤全体を底上げする「あおもりカシスグレードアップ事業」を実施することとした。
【取組の具体的内容】
原料となるカシス生産は、当初同会(会員80数名)が中心となり、会員一人1本の栽培運動からスタートした。栽培面積を増やすために苗木を提供し、生産会員を募集することなどで、現在は約300名で活動を展開している。
平成23年度は、財団法人むつ小川原地域・産業振興財団の支援を受けてあおもりカシスの会が実施する「あおもりカシスグレードアップ事業」により収穫方法と選別方法の検討、成分分析、加工特性の調査を行い効率的な作業パターンの普及や出荷規格の確立に向けて取り組んでいる。
また、青森県が実施する「あおもりカシスブランドパワーアップ支援事業」により、会員の栽培技術の向上のため剪定技術講習会を実施し会員の栽培技術の向上を図った。
【取組によって得られた効果】
生産会員が増えて栽培面積が増加したことなどで、出荷量は、平成22年は4.4tであったものが平成23年は約6.9tとなった。
販売価格が低迷していたが、販路拡大などにより本年産の買い取り単価(kg)は、前年産を大きく上回ると見込まれている。さらに加工・販売業者における新たな商品開発がカシス需要拡大につながり、「カシスなまちあおもり」の定着が少しずつ図られてきている。
【取組に関する課題・問題点】
収穫が手作業で行われているため熟練した生産者でも1時間に1kgしか収穫できないほか、房内でも熟期の異なる特性があり、数回に分けて収穫しなければならない。
収穫作業時間を短縮する工夫を図る。
栽培講習会の充実による栽培技術の向上を図る。
【今後の展開方向】
生産基盤の強化や販路拡大を図り、年々増加する需要に応えていき、将来はカシスを青森県において、青森りんごに次ぐ特産品となるよう発展・定着させたい。
地元加工業者と連携しながら、健康志向などにも配慮した高付加価値の商品開発に取り組み持続可能なカシス産業の発展を目指していきたい。
(平成23年7月の情報)
連絡先:青森地域センター 電話:017-734-5514