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【取組の背景と具体的内容】

公立大学法人会津大学短期大学部の森文雄教授は、福島県柳津町久保田地区の棚田の風景と手入れの行き届いた(注)久保田三十三観音に感銘を受けて、平成19年10月、同町役場に久保田地区での「中山間地域における棚田を利用したグリーン・ツーリズム事業」を提案した。
同地区は、高齢化率が50パーセントと急速に高齢化が進み、活気が感じられなくなってきていたことから、交流人口を増やし地域の活性化につなげようと同提案を受けて、グリーン・ツーリズムに取り組むことにした。
19年冬に地区住民へ事業説明会を行うとともに、先進地の視察を行いグリーン・ツーリズム推進協議会の設立に向け具体的な話し合いを進め、20年4月に同地区の17戸で「久保田グリーン・ツーリズム推進協議会(井関光義会長)」を設立した。また、同学部と同町役場が指導機関として、同地区の婦人会、青年クラブ、老人会が協力会員として参加することになった。
20年度は、同地区に同学部の学生とともに「久保田観音たっしゃ村」と愛称をつけ、実験事業として毎回参加者を募集し田植えや稲刈りなど7回開催したが、地区の祭り等の事業と併せた受入れや、町が都市交流している横須賀市の市民の受入れなどにとどまり、思うように一般の参加者が集まらなかった。
このようなことから、21年度の計画策定の中で、首都圏へのPRと福島県内では初の棚田オーナー制度に取り組むことを決定した。
棚田オーナー制度は、年会費1組(1組最大5名)30,000円(イベント費・各種資材費・管理費込み)で、棚田での米作り体験のほか、山菜採り、ジャガイモ掘り、そば蒔きなど季節ごとの田舎体験が企画されており、1年間の最後に収穫祭を行い収穫した米(1組30kg程度)を持ち帰ることができるという内容になっている。
21年2月に首都圏向けに新聞を活用して棚田オーナー募集の記事を掲載し、参加者を募ったところ、神奈川・東京・千葉等6都県から19組、67名の応募があり、4月から11月まで田植え体験や草刈り体験、収穫祭など7回の行事を実施した。
(注)江戸時代から安産と健康を願い33体の観音像を作り信仰してきたもので、現在も地区住民により大切に保存されている。
【取組の効果、課題と今後の展開方向】
グリーン・ツーリズムを始めるに当たり、不安もあったが相談をしながら進めたことで会員が前向きになるとともに、都会の人と接することで集落がまとまり、活気が戻ってきた。
また、毎回提供される地元の素材を使った昼食も好評で、おいしいお米が食べたいと直接会員から購入したり、料理の作り方を教えて欲しいという声も聞かれるようになった。
更に、イベント以外にも季節ごとに地区を訪れ、田の様子をみたり散策を楽しんでいるオーナーが現れたり住民との交流も深まってきている。
22年度も継続してオーナー制度を実施することが決定しており、21年度からの継続申込みが12組あるため、新規に8組を募集することになっている。
現在は、宿泊を希望するオーナーには、町内外の宿泊施設を斡旋しているが、地区に宿泊施設や農家民宿などの整備も考え、滞在型のグリーン・ツーリズムの強化につなげていきたいとしている。
(平成22年2月の情報)
連絡先:会津若松統計・情報センター 電話:0242-28-2700