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【取組の背景と具体的内容】
米沢市にある県立米沢工業高校と川西町の県立置賜農業高校では、地元米沢生まれの先端技術である白色発光の有機ELを使った野菜工場(栽培)の共同研究を開始した。
工業高校と農業高校で学ぶ生徒がそれぞれの専門分野を活かし、米沢工業高は実験装置の製作、置賜農業高が栽培を担当して、両校が連携を取りながら平成21年8月下旬より予備実験に取り組み、10月15日には、プロジェクトのスタートと「有機EL野菜研究会」の発足に合わせ発表会を開催した。
植物は太陽光を取り込み光合成により栄養分を作り出し成長することから、太陽光と光の波長が似ている白色の有機ELの光が植物の成長に有効ではないかとの推測のもと、より自然に近い形での栽培が可能ではないかとの考え、今まで実験装置のなかった有機EL照明を使用した研究を開始することになった。
これまで開発された電灯や蛍光灯等の人工光を使った野菜栽培では、(ア)消費電力が多く電気代もかかり栽培コストが高くなること、(イ)電球が熱を発し対策が必要であることなどの課題があったが、有機EL照明を使った場合、発光効率が上がり消費電力を減らすことが可能となり、発熱も少なくなることから、省エネ・省コストとなって従来抱えていた課題の克服が期待でき、また、紫外線も発生しないことから(ア)虫が寄りつかない、(イ)水銀などの有害物質を含まず環境に優しい(エコ)などのメリットもある。
8月の予備実験では、無機EL照明、2種類のLED照明、蛍光灯の各光を同時に照射できる装置を作成し、植物の栽培実験を行い、照射量など課題を整理しながら進めてきた。
今回のプロジェクトでは、(ア)実験結果が短期間で得られること、(イ)根菜類は光がないと成長しないことから検証に適していること、(ウ)葉物は調査が容易であることとの観点から、二十日だいこん、こまつな、チンゲンサイの3種類を選定し、有機ELと他の照明を当てた場合など、条件を変えて成長を比較検討していくこととし、インターネットを活用して、両校が栽培データ等の情報を共有化しながら進めていくこととした。
【取組の効果、課題と今後の展開方向】
高校生の新たな発想によるプロジェクトはスタートしたばかりであり、有機ELも実用化や市販化が待たれる状況ではあるが、今後の両校の研究により従来の蛍光灯やLED等をしのぐ成果が検証されれば実用化の第一歩となる。
また、将来的に屋内での野菜栽培や日照不足時の露地栽培で、補助光への利用など、天候に左右されない安定的な野菜栽培が可能になるなど多方面での活用が期待できる。
農業県である山形の新たな産業と期待される有機ELが、農業と工業という異なる分野が手を結ぶことにより、新たな事業の創出と地域産業の発展につながる可能性を秘めた今回の取組に今後とも注目していきたいとしている。
(平成21年12月の情報)
連絡先:南陽統計・情報センター 0238-43-6123