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東海農政局

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フードバンク活動の促進に向けた情報交換会

東海農政局では、平成30年10月31日(水曜日)、東海農政局第1会議室においてフードバンク活動団体と食品関連事業者とのマッチング、福祉関係団体及び地方公共団体等の関係者相互の連携体制の構築を目的に、「フードバンク活動の促進に向けた情報交換会」を開催しました。

情報交換会の様子
情報交換会の様子

日時

平成30年10月31日(水曜日)13時30分~17時05分

場所

東海農政局 第1会議室(名古屋市中区)

出席者

フードバンク活動団体

  • 認定NPO法人セカンドハーベスト名古屋
  • NPO法人たすけ愛おおがき(フードバンクぎふ)
  • NPOフードバンクかすがい

食品関連事業者

  • 生活協同組合連合会東海コープ事業連合
  • ユニー(株)
  • マックスバリュ中部(株)
  • (株)バローホールディングス
  • ダイセーエブリー二十四(株)
  • (株)平松食品
  • (株)坂角総本舗
  • 太田油脂(株)
  • トヨタ生活協同組合
  • 名城食品(株)
  • (株)ぎゅーとら

福祉関係団体

  • のわみ相談所
  • 社会福祉法人愛知県母子寡婦福祉連合会
  • コミュニティ食堂マルチャンゴー

官庁・自治体

  • 岐阜県農政部農産物流通課
  • 三重県環境生活部廃棄物対策局廃棄物・リサイクル課
  • 名古屋市環境局資源循環推進室
  • 農林水産省食料産業局バイオマス循環資源課食品産業環境対策室
  • 東海農政局経営・事業支援部担当地方参事官及び食品企業課

コーディネーター

  • 小林愛知工業大学経営学部教授

傍聴

  • 三重大学教授
  • 名古屋大学大学院生

報道関係

  • 中日新聞記者

(計39名)

概要

東海農政局より「食品ロスの削減に向けて」(25分)の説明を行った後、愛知工業大学教授の講演(60分)、フードバンクを活用する食品関連事業者(東海コープ事業連合)から取組事例紹介(25分)、フードバンク活動団体(セカンドハーベスト名古屋)による活動事例報告(15分)が行われました。

愛知工業大学教授をコーディネーターとして、情報交換会(70分)を行い、最後に農林水産本省よりフードバンク活動における食品の取扱い等に関する手引きの改正についての説明(5分)が行われました。

情報交換会での発言

フードバンク活動団体

  • マッチングについて、需要と供給のバランスを取らざるを得ないため、食のセーフティネットを作ることを目的にしている。生活困窮者は、栄養価の高い食品を必要としているため、お米、パスタ、乾麺、缶詰、冷蔵・冷凍食品などを積極的に集めたい。当団体は、有給職員2名、ボランティア40名程度で運営しているので、手を広げすぎても対応ができない。運営手段としては、行政の相談窓口に交通整理をしてもらい、福祉団体等に食品を取りに来てもらう問屋の機能に徹している。
  • 小規模なボランティア団体であるため、提供元は、ほとんどがフードドライブからの個人寄付となっており、缶詰、レトルト食品、調味料などが主な提供食品である。福祉団体等には、当団体へ出向いて引取をしてもらい、個人への提供については、その家庭で電気、ガスの使用が可能なことを確認し、非常食を提供している。子ども食堂や障害者施設には、おやつになるような食品を提供している。
  • 量販店より、土日に賞味期限当日のパンの提供を受けており、不足する食品については少量だが、月に1回程度フードバンクから提供を受けている。配付先はブラジル人、生活困窮者などで、約200世帯に巡回しながら提供している。
  • 賞味期限と消費期限を混同している消費者が多い状況なので、賞味期限切れの食品は扱わない方針である。
  • フードバンクの役割としては、食品を集めて保管して配ることだが、その中で重要なのはマッチングだと思っている。マッチングで一番重要なことは相手をよく知ることで、その食品の性質、渡す団体について把握しないといけない。配付先には、一度来てもらい、その後相手方を訪問し、食品を使用する場所、食材をどのような人にどのように提供するのかを確認し、その情報を紙ベースで提供させ、ボランティアと情報共有する。
  • 農事組合法人から、商品にならない小米(ふるい下米)を60kg単位でもらっている。
  • フードバンクと名のつく活動の範囲が広いが、「集める」「保管する」「配る」という3つの機能が揃ってフードバンクと呼べると思っている。自治体から賞味期限切れの災害対策の備蓄食料の提供を受けた団体は、フードバンクとしての意識が低かったのではないか。集めること、保管することを念頭に置けば契約書が必要との考えになるはずである。

福祉関係団体

  • 週6日、子ども食堂を運営しており、子どもが来たら、いつでも受け入れる態勢を取っている。子どもたちには無償でおやつを提供するのではなく、お手伝いをさせ、併せて食のルート等の事情を説明し、フードバンクから提供されたお菓子を提供している。
  • 食品の提供元は、主にフードバンクで、平成29年度約40トンの提供があり、独自に約30トン集荷し、合計約70トンの提供を受けた。利用先としては、子ども食堂、無料塾に週1~2回提供、食堂を毎日運営し、生活困窮者に食事を昼と夜に無償提供している。シェルターも運営しており、緊急的な入居者(常時50人程度)に食品を提供している。平成29年9月に2千万円以上をかけて食品倉庫を建設し、約1万5千食分(主にお米や冷凍食品)を扱ったが、栄養バランスを考慮するといろいろな種類の提供を受けたい。衛生管理、温湿度管理に注意し、期限切れの食品は配付しないことを徹底しており、今後もフードバンクと連携しながら、フードバンク活動を展開したい。
  • 母子生活支援施設を設置しており、各世帯の家賃負担はないが、各自が生活費を負担している。週に1回フードバンクから食料の提供があり、毎週火曜日に配付し、2、3日分の副食を賄えている。また、施設を退所すると支援対象から外れるため、退所者に対して、フードバンクから月に1度、段ボール1箱分の食材が提供されている。
  • 1年ほど前までは、トレーサビリティが十分ではなく、フードバンクから指摘を受けたため、食料支援カードを作成することとした。食料支援カードは住所、氏名、何を何kg出したのかを記載し、本人の受け取りサインを記入するものであり、全部チェックしているので、どこに渡したのかが分かる仕組みとなっている。
  • お米を集めることに苦労している。以前提供してくれた農家やフードバンクにも支援を依頼をしている。JAに支援してほしいところである。よい人づてはないか。  

食品関連事業者

  • 愛知県、岐阜県、三重県、滋賀県の4県に約120店舗のスーパーを営業しており、3、4年前から三重県津エリアの9店舗がフードバンクへ提供している。津エリアについては、あるボランティア団体が月に1度、店舗まで集荷に来ているが、他のエリアについては、物流、配送面がネックとなっている。配送の帰り便を使うにしても、大型車での収集となるので、少量を搭載するのは運送及び保管コストも悪い。配送をうまく担ってくれる企業があれば活用したい。
  • 食品リサイクルについては、積極的に取り組んでいるが、フードバンク活動は行っていない。お米、乾麺、缶詰については売り切るので提供できないが、弁当、総菜の廃棄物が毎日多く排出されるため、提供できる食品としての認識を持ってもらいたい。廃棄ロスの観点から品質の管理を行いながら提供できれば、食品ロス軽減につながる。
  • スーパーの立場だと意外と提供できるものがないが、食品サンプルなら、現状1か月に3、4箱廃棄しているので、提供できる。パンは賞味期限の関係で提供は難しいが、冷凍したもので受け取ってもらえるのなら提供できる可能性はある。
  • 物流に対して税制優遇措置はあるか。1回運送すると税制控除があるなど。

自治体

  • 賞味期限切れの災害対策の備蓄食料(ペットボトル2,000本と乾パン2,000食)をある団体に提供したところ、それがどこに配付されたのか、その団体に聞いても把握できていなかった。フードバンクでは、どう管理しているのかを教えてほしい。初めてのことで、その団体と契約書の締結をしなかった。
  • フードドライブ活動を定期的に行い、食品の回収を行っている。会場は環境学習センターを拠点として実施してきたが、平成30年11月より、なごや生物多様性センターでも実施することとした。また、名古屋環境デーなどのイベント時にもフードドライブ活動を実施しており、平成29年のフードドライブ活動の実績として、935kgを集めてフードバンクに持ち込んだ。フードドライブ活動の認知度はまだ低く、イベント、広報誌への掲載等の啓発活動に力を入れている。
  • フードドライブを定期開催(毎月8日から14日までの期間)して、フードバンクに提供された食品を持って行く。フードバンクの基準で生鮮食品・冷凍食品等は扱えないため、賞味期限が切れていない食品、開封していない食品を扱っている。

学識経験者

  • 福祉関係団体には、行政がタッチできないことをやってもらっている面があり、食料支援だけではなく、複合的な取組をしている実態が分かる。
  • 流通面について、イギリスでは、アプリを活用し、需要者が店舗まで受け取りに行くというシステムがある。アプリがないとしても、流通コストで、食品の提供を断念した食品関連事業者については、福祉関係団体が直接店舗に受け取りに行けばいいのでは。
    アメリカでは賞味期限切れの食品を専門に扱う業者がある。消費者庁は、賞味期限が切れても食べられることを推奨しているが、フードバンクでの取扱いについては、グレーゾーンだと思っている。
  • 食品廃棄物の選別も物流の一つといえば一つなので、輸送も含めネックになるのは共通認識としてあると思う。物流会社で、物流の寄付をしようという動きが若干ある。寄付控除が目的ではなくCSRによる会社のイメージアップが重要と捉えているようである。
  • 寄付をすれば何でもフードバンクということではなく、トレーサビリティ及び契約を含めたフードバンクのシステムにのることが大切である。
  • お米の提供について、JAには期待したいが、余剰品のルートはできてしまっているので難しいと思う。個人でライスセンターを経営している農家を探した方が実効性はあるのかもしれない。

まとめ

コーディネーター

量を求めすぎてもまずく、品質管理を含め、受益者のことも考えながら、バランスを取ることでマッチングを行っていくことが重要との共通理解が得られ、有意義だったと思う。食品ロスから一歩外に出て、純粋な寄付として、お米を出すなどのつながりになっていくことが、今後は十分にあり得ると思う。また、そのような取組が進展していけば良いと思う。

お問合せ先

経営・事業支援部食品企業課

担当者:食品産業環境指導官
代表:052-201-7271(内線2520)
ダイヤルイン:052-746-6430

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