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東海農政局

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農林漁業体験を通じて生まれるもの~平成27年度教育ファームスタディ~の開催概要について

第2次食育推進基本計画では、食育の推進に関する基本的な取組方針の一つとして、食に関する体験活動の実践などが定められており、現在、農林漁業者、教育関係者、食品関連事業者などにより農林漁業体験が運営されています。

このたび、東海農政局は、平成27年8月28日(金曜日)ウインクあいち(名古屋市中村区)において、NPO法人えがおつなげての曽根原氏の基調講演のほか、事例発表、ポスターセッション及び参加者も交えたフリーディスカッションなどを行い、「教育」、「企業の社会貢献」、「地域振興」などの観点から、その効果を検証し、農林漁業体験が持つ可能性について考えるイベントを開催しました。

概要

主催 東海農政局(消費・安全部消費生活課)

日時 平成27年8月28日(金曜日)13時00分~16時30分

場所 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)

本郷局次長あいさつ

開催内容

開会あいさつ

東海農政局局次長 本郷 秀毅

本郷局次長の開会あいさつ

農林水産省では、食料の安定供給、農林水産業の発展、農山漁村の振興を担う立場から、食生活の改善や食文化の継承、生産者と消費者との交流、農林漁業体験活動の促進など、関係者の皆さまと連携して食育の推進に取り組んでいます。

本年3月には、「食育推進施策に関する有識者会議」において、わかりやすく実効性の高い「日本型食生活」の推進と子どもからシニアまでの体験活動の推進を取組の柱とした、今後の食育推進施策が取りまとめられました。

本日は、取組の柱の1つである「農林漁業体験」をテーマに、様々な効果を検証し、より一層の推進につなげることを目的として、農林水産省からの情報提供とともに基調講演として、NPO法人えがおつなげての曽根原代表理事に地域振興につながるご自身の取組を講演いただくこととしており、事例発表として、学校教育のお立場から稲沢市立坂田小学校の則武先生、地方自治体のお立場から三重県地域支援課の松本主幹、企業のお立場からアグリパーク南陽の坂野様に、日頃の農林漁業体験の取組と効果について事例発表いただくこととしています。

あわせて、東海地域を代表する農林漁業体験の実践者にお願いして、第二会場においてポスターセッションも行うこととしており、農林漁業体験にご関心をお持ちの皆様は、ぜひ、実践者の皆さんと情報交換を行っていただきたいと考えております。

本日のスタディを通じまして、一人でも多くの皆様が農林漁業体験に興味をお持ちいただき、東海地域における食育がより一層発展することを祈念申し上げます。

情報提供

「農林水産省における食育の取組」

農林水産省消費・安全局消費者情報官情報官補佐 嶋崎泰一

情報提供消費者情報官嶋崎情報官補佐

私たちの食生活をめぐる状況といたしまして、食の外部化・簡便化の進展がありまして、その背景といたしましては、単身世帯の増加、女性の社会進出などによるライフスタイルの変化から食に関しては、外部化、簡便化が進んでいます。食料消費構造の変化としましては、バランスの取れた食生活(主食、主菜、副菜が揃った食事)の実践について、若い世代(20代など)で栄養バランスへの気遣いや食材の多様性が低下していることがわかります。

こういったことから、食育施策を推進していくにあたり、平成17年に設立した食育基本法の中で「様々な経験を通して食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践すること」と定められており、これを受けまして第2次食育推進計画では、「周知」から「実践」へということで推進してまいりました。

今年の3月31日に閣議決定されました「食料・農業・農村基本計画」の中にも幅広い世代に対する農林漁業体験の機会の提供により、消費拡大の前提となる食や農林水産業への理解増進を図ることとしております。また、食育推進施策に関する有識者会議の取りまとめにおいても子どもからシニアまで体験活動を通じた食や農林水産業の理解を増進することとし、食育を国民運動として展開していくことで国産農産物の需要の増大にもつなげていくとという取組を進めていくところです。

農林水産省における食育の推進につきましては、二つ柱がありまして、一つ目は、「日本型食生活」、「食事バランスガイド」の普及促進としまして、健全な食生活を進めるものであります。日本型食生活というと主菜、副菜などを自分で作って食べるといった進め方でございましたが、今後、外部サービス、中食、外食などの利用も可能としながら日本型食生活を進めていくといった、皆さんがわかりやすく、実効性が高い内容のものとして進めていきます。二つ目は、今回のテーマである農林漁業体験(教育ファーム)を通じた食育の推進についてですが、教育ファームとは、食に関する関心、理解増進していくことと自然の恩恵や食にかかわる様々な人たちの理解を深めていただくというのが趣旨でして、例えば1回だけの体験より、やはり種をまいて収穫。それを加工して食べるところまで経験すると農業が『食』を支えている意識の醸成を図る、体験を行うとなるべく日本産を選ぶ、なるべく食事を残さず食べるといった高い効果があると分かってきています。今後、農林漁業体験を経験された方々が食や農林水産業への重要性を理解していただき、国産農林水産物のサポーターを増やしていくことを進めております。

そういった中で私どもとしては、今後、消費者のライフスタイルの特性、ニーズに応じた食育を推進していくなかで教育ファームについて、補助事業や各種ツールにより皆さんを支援させていただくところであります。引き続き今後ともよろしくお願いいたします。

講演

「日本の田舎は宝の山~都市と農村の交流でみんな元気モリモリ!~」

NPO法人えがおつなげて代表理事 曽根原久司氏

講演NPO法人えがおつなげて曽根原代表

私は、山梨県の北杜市の増富という、かつて限界集落といわれていた地域に拠点をおいて「都市と農村は、交流しながらみんな元気にモリモリ」という活動をしています。北杜市増富は、13年前、高齢化率62%、7割が耕作放棄地で、ススキや木が生えていました。現在では、それがほとんど蘇って新しい形の農業がはじまっています。

また、私は、過疎高齢化により担い手が不足し、耕作放棄地の課題を何とかしたいと考える地域をサポートするため、全国を回っています。その中で感じたことは、日本の田舎は宝の山だということです。

5年前に書いた「日本の田舎は宝の山」でも紹介していますが、使われていない農村資源をフルに有効活用した場合、10兆円くらいの産業の可能性があると思います。

農村は、過疎・高齢化により、耕作放棄地の発生、荒廃森林の増大、地域コミュニティ弱体化などの課題を抱えています。他方、都会でも、食や環境に対する不安のほか、メンタル面でも、ストレスや孤独感などの課題を抱えていると思います。我々の活動は、農村にあるマイナス10の課題と都会にあるマイナス10の課題を掛け合わせたらプラス100になるという発想で行っています。

農村には、いっぱい課題はありますが、都市側の視点からみると再生の利が十分にあると思います。それに農林漁業体験などをうまくかみ合わせれば、交流も進み農村の課題は解決し都会の課題も解決するのではないかと考えています。

我々は「開墾」と称して、農地に復元する活動を15年ほど取り組んで来ました。耕作できる農地に復元した達成感を「開墾、モリモリ!」という合言葉とともに表現しています。これが我々の儀式となっています。皆さんもご一緒にどうぞ。「日本の田舎を掘り起こせ、開墾!モリモリ!!

開墾 モリモリ!開墾 モリモリ!2
儀式「開墾モリモリ!」を会場の皆さんと取り組んでいる様子

事例発表

アグリパーク南陽株式会社 坂野嘉紀氏

事例発表1アグリパーク南陽坂野氏

アグリパーク南陽株式会社は、名古屋市港区で2㏊の温室栽培トマトと野菜の露地栽培をしている会社です。

平成21年9月に名古屋市で体験農園を開設しました。
当初は、50区画から体験農園を始めましたが、参加者も徐々に増え、子ども連れの参加も増加しています。
農業体験では、作業の説明をして、作業を黙々とするだけでなく、なるべく会話ができる時間を設け、参加者の世代間の交流を図っています。また、年4回の収穫祭も開催しています。

体験農園を運営する時に考えた成果は、とりあえず達成できていますが、今後は、農園を中心に交流の深まる場を作りたいと考えています。
保育園など団体の収穫体験の受け入れの拡大や、ステップアップした参加者が野菜を販売する仕組みの構築、障害者の活躍できる場所作りなど、この取組を通じて、厚みや奥行きのある体験農園にしたいと考えており、何よりも、遊休農地を解消して安定経営を続けなければと考えています。

三重県地域連携部地域支援課主幹 松本哲哉氏

事例発表2三重県松本氏

三重県では、地域づくりを目的として、三重のふるさと応援カンパニー推進事業と子ども農山漁村ふるさと体験推進事業のふるさと応援事業を展開しています。

三重のふるさと応援カンパニー推進事業は、農山漁村が持つ豊富な資源や課題と企業が持つ資源と課題を、県が仲介役となって、結びつけることで、双方の課題が解消し共有価値を創出しようというものです。
また、子ども農山漁村ふるさと体験推進事業は、農林漁業体験を通じて、子どもと地元双方へのメリットの創出を目的としています。
体験活動は、人と人との交流が大切と考えています。農山漁村で体験を共有することで、強いつながりが生まれると考えています。
体験に期待する効果は、農林水産業や農山漁村への理解が進むことで、移住、就業も期待できます。また、農山漁村が変わることで、地域に自信や誇りが持てるようになるとともに、経済も動くようになり、新しいビジネスも生まれる可能性があります。双方に良い影響を与え、農山漁村の活性化に向けた効果が高いといえます。

この取組を通じて、農山漁村集落を活動組織化し、企業との協同活動を行うことで、地域経済を活性化し、雇用、移住にもつなげていくような取組にしていきたいと考えています。

稲沢市立坂田小学校栄養教諭 則武和美氏

事例発表3稲沢市立坂田小学校則武氏

平成22年度に坂田小学校に赴任し、全校の食の実態を把握するため、朝ご飯を中心とした調査の結果、全体に朝ご飯は食べてきているものの、ご飯やパンなどの単品が多く、朝ご飯に野菜や果物を食べてきている児童は、とても少ないことがわかりました。また、朝ご飯に主食、主菜、副菜を食べてきている児童は、45%と半数も満たしていませんでした。

もっと野菜を食べて欲しいとの思いで、平成23年度に、野菜を植えて育て食べる栽培活動を始め、平成24年度には、食に関する指導を3~5年生の総合的な学習の時間で8時間ずつ位置付け、野菜の栽培活動に取り組みました。
特に大豆は教科と連携を図る取組で、体験だけではなく、自己の生活に生かしていけるように取り組んできました。

栽培活動を始めて、野菜を作る苦労や難しさを実際に体験することで、食べ物を大切にする気持ちや野菜を食べようとする意欲が、「食生活振り返りカード」の調査や給食の様子、残滓から見られ、児童は食に対する意識が確実に高まり食行動の変容があったと考えられます。今後も継続的に栽培活動と食に関する指導を関連させながら、計画的に進め、学校、家庭、地域と連携しながら児童がよりよい食習慣を身につけられるよう支援していきたいと思います。

教育ファーム実践団体によるポスターセッション

東海地域で農林漁業体験に取り組む実践団体からパネルやパンフレットなどを活用して、日頃の特徴的な農林漁業体験の取組を情報発信していただきました。
来場された方々は、各団体の取組について積極的に質問されるなど、関心を持ってご覧になっていました。

アグリパーク南陽株式会社

名古屋市港区で平成21年から市民参加型の体験農園を開設。ファミリー、中高年層を対象に体験プログラムを実施しています。

アグリパーク南陽株式会社

NPO法人日進野菜塾

平成17年から生産者、市民団体、企業、学校、行政などの団体と連携・協働し、日進市、名古屋市を中心に活動中。
幅広い世代を対象に都市近郊の農地を活用した農体験プログラムの取組を行っています。

NPO法人日進野菜塾

西村自然農園

1978年に開園した西村自然農園は、種まきや苗植え、野草摘みや果実狩り、収穫した食材を使って手作り味噌やジャム、豆腐など加工食品作り、さらには植物の実などを使った小物、染め物など工芸品作り等、楽しく体験しながら学べるプログラムを実施しています。

西村自然農園

NPO法人だいずきっず

2006年におとうふ工房いしかわのボランティアサークル「だいずきっず倶楽部」を設立し、地域の子どもたちを中心に、大豆を題材にした青空教室をスタート。その後、同倶楽部の活動をベースに、全ての子どもたちの健全育成に寄与し、生きる力を育み続けていくために、2011年4月「特定非営利活動法人だいずきっず」を設立し、地域と連携した消費者(家族向け)体験プログラムを推進しています。

NPO法人だいずきっず

株式会社山田組

土木工事、環境景観工事など「まちづくり」に取り組む同社がアグリ事業を展開し、農地の利用権設定(農地の賃借契約)を申請し、平成24年10月に「東谷山・天空のアグリパーク」を開園。ブルーベリー、梅、柑橘を中心に生産する農園で障害福祉施設、児童養護施設、中学校等の職場体験、就農体験を受け入れるほか、一般の方々も参加できる農業体験の取組を開催しています。

株式会社山田組

楽酪隊

愛される酪農を目指し、「酪農にはもっと色々な可能性があるんだぞ!」と、ポジティブに考える酪農家と関係者(愛知県、愛知県酪農農業協同組合など)で「楽酪隊」を結成。酪農についてもっと知っていただくために様々なイベントや小学校、幼稚園、保育園等で模擬搾乳資材による搾乳やバター作りといった体験を通じて酪農についていただく取組を行っています。

楽酪隊

会場とのフリーディスカッション

コーディネーター

東海農政局消費・安全部長 和田 務

パネリスト

NPO法人えがおつなげて 曽根原久司氏

アグリパーク南陽株式会社 坂野 嘉紀氏

三重県地域連携部地域支援課主幹 松本哲哉氏

稲沢市立坂田小学校栄養教諭 則武和美氏

会場とのフリーディスカッション(コーディネーターとパネリスト)
コーディネーター、パネリストの皆さん

はじめに、コーディネーターから、会場参加者の皆さんに「yes」、「no」カードを使用して、「あなたは農林漁業体験に参加したことがありますか?」「農林漁業体験で得られたものや感じたことは何ですか?」について質問を行いました。
その後、パネリストの皆さんから、「農林漁業体験を主催、企画する場合で重視していること」回答をいただきましたまた、会場のポスターセッションの出展者(東海地域の農林漁業体験実践者)に対して、「農業体験で重視していることや農業体験にどのようなことを求めているか。あるいはその中での悩み」等について、発言いただきました。

会場とのフリーディスカッション(会場の様子)
Yes、Noカードを使って会場の皆さんが回答している様子

アンケート概要

アンケートの結果概要をご紹介します。

お問合せ先

経営・事業支援部地域食品課

担当者:食育推進班
代表:052-201-7271(内線2732)
ダイヤルイン:052-223-4602
FAX番号:052-219-2670

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