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会見する森局長 |
東海農政局長に着任し、様々な課題がありますが、その取組について、話をさせて頂きます。
まず、東日本大震災への対応についてです。
本年3月11日に発生した東日本大震災についてですが、未曾有の災害となり、国民生活や農林漁業に大きな被害をもたらしました。被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。被災地の復旧・復興に向け、農林水産省におきましても省をあげて取り組んでいるところですが、東海農政局においても、被災地への技術職員の派遣や放射性物質に係る食の安全確保と風評被害防止に向けた消費者の方々、関係機関等への情報提供など、引き続き取り組みを行っていきます。
台風12号・15号への対応についてです。
台風12号、15号では、特に、三重県南部で大きな被害を受けるなど、東海地方にも大きな爪あとを残しました。被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。東海農政局として一刻も早い復旧のため、被災地への技術職員の派遣や迅速な災害査定など、対応を行っていきます。
災害への備えについてです。
特に、東海地域では、東海地震、東南海・南海地震が発生する懸念があり、防災・減災の観点から農業用施設の耐震化により、震災に強い農業インフラを構築するとともに東日本大震災の際に、湛水した農地の排水対策で役立った災害応急用ポンプの準備など、日頃から、災害への備えをしっかりととっておくことが重要と考えています。
食料自給率向上についてです。
平成32年度に食料自給率を50%に引き上げるという目的を掲げ、「戸別所得補償制度」、「農山漁村の6次産業化」、「食の安全と消費者の信頼確保」を柱とする施策を進めています。この食料自給率向上のためには、農業生産面の強化とともに、「国民全体で農業・農村を支える社会」を構築することが不可欠だと思っています。このため、大消費地である東海地域の消費者の方々や地域の食品事業者など、多くの方々が一体となって国産農産物の消費拡大に取り組んでいただけるよう働きかけていきたいと考えています。
戸別所得補償制度の推進についてです。
本年度より本格実施となった農業者戸別所得補償制度については、東海地域においても着実に申請件数が増加しています。今後については、交付金の迅速かつ正確な支払いに努めるとともに、来年度に向けた更なる加入促進の取組を図っていきたいと考えています。また、現場での状況を踏まえつつ、水田を有効活用した麦・大豆・米粉用米・飼料用米等の新規需要米の生産拡大を一層図ることが重要です。特に、麦・大豆については単収・品質の向上や二毛作による作付面積の拡大、新規需要米については、耕種農家と実需者側とのマッチングのための情報提供に努め、作付拡大の推進を図っていきたいと考えています。
担い手の確保についてです。
東海地域の農業・農村を将来にわたり維持していくためには、集落営農の組織化・法人化、新規就農や一般企業等の農業参入の推進等により意欲ある多様な担い手を育成・確保するとともに、これら担い手への農地集積を進めることにより、持続可能で競争力のある担い手を育てていくことが重要であると考えています。
6次産業化の推進についてです。
農林水産物の加工・販売など、農林漁業者が主体的に経営を多角化・高度化する取組や海外市場開拓に対し、各県に「6次産業化サポートセンター」や、このサポートセンターに商品開発あるいはマーケティング等のアドバイスをして頂ける「6次産業化プランナー」を置きまして、これらと連携しつつ、様々な施策を活用して支援していきたいと考えています。特に、東海地域は、「ものづくり」が盛んであり、農林漁業者と他産業とが連携し、地域の資源を使った加工などが行われています。また、大消費地名古屋を抱える立地条件や、農産物はもとより、林産物、水産物など、特色ある地域資源が豊富にあることから、これら販売ルートやこれらの各種資源を活かしていくことで、より効果的に6次産業化を推進していくことができると考えています。
園芸、畜産の生産振興についてです。
東海地域は、野菜や花などの園芸のシェアが大きいことが特徴です。このため、野菜の安定供給と価格の安定化や施設園芸における省エネ対策を推進するとともに、生産者の経営安定や加工・業務用野菜への対応、契約取引等への支援を強化していきたいと考えています。果樹については、優良品種への転換等を推進します。また、畜産経営の安定強化のための繁殖牛の増強等に取り組んでいきたいと考えています。
食の安全の確保についてです。
食の安全に対する消費者の関心が高まっている中で、農薬、肥料、飼料等の適正使用を推進するとともに、食の安全に係る緊急事態や鳥インフルエンザ等の発生に対し、迅速・的確に対応していくことが重要であると考えています。本年1月には残念なことに、東海地域でも鳥インフルエンザが発生しました。冬を前に、飼養の衛生管理と早期発見・通報を改めて徹底するとともに、万が一確認された場合には、直ちに初動対応が行えるよう、県や関係機関と日頃から連携体制を構築していきたいと考えています。また食品事故の発生につきましては、食品のトレーサビリティが大きな役割を果たすと考えています。昨年10月に米トレーサビリティ法が施行され、本年7月から産地情報の伝達が義務化されました。事業者が本法の義務を遵守するとともに、消費者の方々に制度の趣旨を理解していただけるよう、引き続き普及啓発を行うとともに、産地情報の伝達状況を確認していきたいと考えています。
環境政策の推進についてです。
昨年10月に名古屋市でCOP10が開催されたことから、東海地域では生物多様性に限らず、環境問題全般について意識が高まっているように感じています。今回の原子力発電所事故の発生を契機として、農山漁村に豊富に存在する小水力、太陽光、バイオマス等の地域資源を活用した再生可能なエネルギーに注目が集まっています。東海農政局としても、環境に配慮した農業を推進するとともに、社会の持続的発展や農山漁村の活性化に寄与するため、再生可能エネルギー生産の取り組みを支援することが重要と考えています。
農業生産基盤の整備についてです。
今年はちょうど愛知用水通水50周年にあたります。愛知用水をはじめ明治用水、豊川用水等に代表される農業用水は、東海の農業の発展に大きく寄与してきており、農業生産の原動力といっても過言ではないと考えています。我が国の食料の安定供給のためには、担い手の育成や麦・大豆の生産拡大などが必要ですが、そのために必要な基盤整備を進めるとともに、水利施設等について計画的な補修・補強による農業用水の安定確保に努めたいと考えています。また、当地域は、大規模地震の発生確率の高い地域であるということ、また、海抜0メートル地域である濃尾平野を抱えています。そのため、災害に強い農村づくりの観点から、災害の未然防止のための耐震化対策や洪水に対する農地の排水対策など農地・農業水利施設等の防災・減災対策の強化を進め、安心・安全な農村づくりに努めていきたい考えています。
農山漁村の活性化についてです。
東海地域は、名古屋という大都市を抱える一方で、中山間地等の農山漁村もあります。今、農山漁村は全国と同様、鳥獣被害や過疎・高齢化など深刻な問題を抱えています。このため、中山間地の農業生産を様々な施策で支えるとともに、観光等の新たな交流需要も踏まえ、豊かな地域資源を活かした多様な都市と農村交流を推進していきたいと考えています。
東海農政局の使命についてです。
ご承知のとおり、農林水産省は、本年9月1日に組織再編を行い、東海地域においても、2カ所の農政事務所と20カ所の出先事務所等を総合的なワンストップ窓口として4つの地域センターに集約し、設置しました。この組織再編によりまして、農政局、地域センターが農業者、消費者の方々を始めとした国民の皆様にとって、ますます身近な存在となれるよう、鹿野大臣からも強くご指示頂いているとおり「現場主義」を徹底し、積極的に現地に足を運んで現地の声に耳を傾け、国民の皆様と信頼関係を築くとともに、本省にもしっかり現場の情報を伝達していきたいと考えています。加えて、職員一人一人が「国民の皆様のために仕事をしていく」という考え方をしっかりと持ち、国民の視点に立って業務に当たるよう、局長として日々、指揮を執っていきたいと考えています。
最後になりましたけれど、適時適切な情報発信に努めて参りますので、報道関係者の皆様方におかれましても、今度とも農政へのご理解とご協力を切にお願いいたしまして就任のご挨拶とさせていただきます。
【記者】APECの首脳会合にむけて、TPPの交渉参加の動きが出てきています。ネックになるのは農業の補償をどうするか、その支援策だと思うのですが、それに対する局長のお考えをお伺いします。農業団体は直前に全国集会を行ったり、反対運動の機運が高まってきているので、当然そういう気持ちもあると思うのですが、一部に工業製品の関税の自由化ということで、交渉に参加すべきだという声の方が大きくなってきている、そういう状況も踏まえながら、ご感想とご意見を聞きたいと思います。
【局長】TPPにつきましては、農業問題だけでなく、さまざまな交渉分野があると承知しております。また新聞等でも、閣僚会議が開催されて情報伝達を行うとともに、しっかりと議論をして早期に意志決定をすると、総理からもご発言があったと認識しています。我々といたしましては、このTPPに対して管内でも様々な議論があると承知してございます。
東海農政局としては、こういう様々な意見、議論につきまして、これを本省に伝達することが、TPPに関して東海農政局の役割ではないかと考えています。
【記者】具体的に管内の意見というのは、農業団体であったり、生産者の声であったり、ということだと思うのですが、着任して未だ10日ですが、具体的に一言でどのような感じでしょうか。
【局長】やはり農業団体の方々は、このTPPについて、非常に農業に大きな、あるいは壊滅的な影響を与えるということについて非常に反対の意見が強いのではと、この10日間ですが、管内を回って感じています。
【記者】米の関税、778%。そういうことに対してやはり、かなり米農家の不安というのも大きいということでしょうか。
【局長】米だけに限らず、畜産にしてもその他、様々な農業作物に影響を与えるということであろうと思います。
【記者】伝達はその都度ということですか
【局長】はい。
【記者】APECの直前には当然本省に伝えていくという理解でよろしいでしょうか。
【局長】はい。その都度、東海管内の3県農業団体、あるいは、その他の色々な団体の動きを、こういう実情であるということを本省に伝達して参りたいと考えております。
【記者】おかげ横町の構想が名古屋市議会で出ていると思うのですが、何かお話がありましたか。
【局長】いえ。市長がおかげ横町みたいなものを作りたいということは、こちらに参りましてお聞きしました。ただ、そのためには、この農政局を出て行かなければならないのですが、一方で新たに庁舎を建てるという計画が、なかなか無いということです。一応この敷地内の建物は農林水産省の財産になっていますが、やはり財務省、それから庁舎を担当する国土交通省と、色々と協議あるいは情報交換しながら対応していくということであろうと思います。
【記者】具体的な話が進展することは今、まだ無いということですか。
【局長】はい。まだ、進展するというようなことは聞いておりません。
【記者】局長の冒頭の話にもありましたように、台風だけに限らず、東海・東南海含めて地震が予想される地域であり、これまでも行われていると思うのですが、先ほどの排水ポンプの状況の話もありましたが、防災・減災の対策について、東日本大震災を機に改めて農山村の防災計画を東海3県で見直していくとか、あるいは既に見直しに入っているとか、そういうご計画があれば教えて下さい。
【局長】これは基盤整備全体的に言えることですが、非常に基盤整備の予算が制約されている中で、いかに既存の施設を長寿命化するか、壊れる前に手当てして、いかに長持ちさせるかということが全国的な大きな課題です。その中で、東海管内は非常に早くから農業用水等々について整備に取り組んで参りましたので、改修時期に来ているものも多々あります。そういう中で、限られた予算で、いかに知恵を絞って施設を長持ちさせるかということが東海管内でも大きな課題になろうかと思います。それに加えて地震の懸念があるということから、地震対策というものも加味しないといけないというのが、この東海の基盤整備の大きな課題ではなかろうかということです。そういう意味で、現在色々と施設の機能診断等々をやっていますが、それに大規模地震対策を考慮し、今後の更新・改修を行っていくということであろうかと思います。
また一方で、東海管内では海抜0メートルの濃尾平野が広がっていますので、洪水対策にも十分留意して、排水対策ということも考えなければいけないというのが、他の地域にはない特徴ではないかと思っております。
【記者】限られた予算の中で、これまで以上に力を入れていく、優先順位を上げていく、そういうことですか。
【局長】はい。
【記者】施設を長持ちさせるというのは、要するに愛知用水が50年経ってくると、そういう意味では耐震性だとかで補強が必要だということですか。
【局長】はい、そういうことです。
【記者】そういう計画というものは、何カ年計画だとかがあるのでしょうか。
【局長】緊急度に応じて行っていきたいと考えております。なお、施設の長寿命化や地震対策のため、来年度の工事や実施設計などの費用を概算要求しています。
【記者】震災関係で風評被害の防止に向け情報提供に努めていると話がありましたが、流通レベルで私的に放射能物質の検査も行われているが、東海農政局では、情報提供について具体的にどのようなことを行っているのですか。
【局長】関係機関から出された情報は全て集めまして、関係県・関係団体へ全てFAXその他で、その都度送信して情報提供としております。
【記者】水資源機構にみえた時、仕事で東海地方に来られたということですが、具体的にはどういう仕事で来られたのですか。
【局長】水資源機構の仕事では、財務と用地担当理事をしていて、より良い仕事を行っていくため、本社の役員と現場の職員と意見交換を行い、ちょうど徳山ダムができる時でしたが、中部支社、豊川用水、愛知用水、三重用水、阿木川ダム、牧尾ダム等に伺い、そこの職員と意見交換をしました。
【記者】現在、徳山ダムに関して導水路の問題があると思いますが、導水路の問題はどのようにお考えですか。
【局長】水資源機構と国土交通省との話であり、所管外ですが、こちらに来て導水路に関しては、色々と意見があるということを聞きました。関係機関、関係自治体で十分に議論していただいて結論を出すということ以外に無かろうかということです。直接、木曽導水と農業用水は関係ありませんが、それに関連して農業用水にも色々と議論があるということは承知しています。
以上
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