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東海農政局

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三重県四日市市 「かぶせ茶」

平成18年度作成

四日市市は三重県の北部に位置し、西は鈴鹿山系、東は伊勢湾に面した温暖な地域です。鈴鹿山麓の黒ボク地帯には、約800ヘクタールの茶園が広がっています。当地域で主に生産されている茶はかぶせ茶です。その生産は800トンあまりで全国の生産量の20パーセント近くを占めています。

三重県四日市市 「かぶせ茶」

茶の歴史

四日市市のある北勢地域一帯の茶の栽培のはじまりは、延喜年間(西暦900年代初頭)に飯盛山浄林寺の玄庵住職が唐から伝来した茶の種を、この地の「山の坊冠山」に播いたのが始まりであると伝えられています。当時は、鈴鹿山脈越しに都との文化・経済面の交流があったと見られ、仏教と共に茶の栽培が伝わったものといわれています。その後、天保年間初めには四郷村の伊藤小左衛門が茶栽培を始めました。江戸時代後期弘化元年(1844年)、水沢(すいざわ)町常願寺の中川教宏(なかがわきょうこう)住職が山林を開墾して茶園を造成し、茶の栽培を奨励しました。これを機に当地域での茶生産は発展を遂げ、江戸時代末期に始まった海外貿易では茶の輸出が盛んに行われ、外貨獲得に大きく貢献していたそうです。近年では、茶の生産管理、荒茶加工施設の整備も進み、高品質な茶が生産されています。

かぶせ茶

かぶせ茶とは、茶の新芽を寒冷紗等で覆い、直射日光が当たらないように栽培した茶のことです。遮光(しゃこう)栽培は16世紀末に宇治で開発された技術で、玉露やてん茶栽培でも行われています。かぶせ茶の場合は、茶葉を摘み取る前に1~2週間ほど被覆します(遮光率約85パーセント)。これによって、茶葉は鮮やかで艶のある深緑色になり、「かぶせ香」と呼ばれる独特で上品な甘い香りを発し、渋味が少なく、甘味とまろやかさのあるお茶となります。

遮光(しゃこう)栽培

安全・安心なお茶づくりをめざして「農事組合法人水沢(すいざわ)かぶせ会製茶共同組合」

当組合は施設の共同利用、農業経営、農産物の販売等を目的に平成2年に設立し、平成12年度には国の補助事業で大型の荒茶加工施設を設置するなど、茶づくりの近代化に取り組んでいます。組合員数は7戸ですが、生葉を供給する生産者が30戸ほどいます。茶品質を向上するため、これら傘下の生産者に対し、資材の共同購入や、組合員による栽培の指導をしています。

近年の農薬や食品に対する消費者や流通関係者の関心が高まる中、三重県茶業会議所が中心となって平成15年度から取り組んだ「環境に優しい安全安心な伊勢茶づくり運動」において生産履歴記帳運動を開始しました。当組合も率先して取り組んでいます。製茶工場で生場の生産履歴を事前に入力し、生葉の受け入れ時には使用した農薬の摘採前日数が適正か照合できるシステムを導入しています。

また、生産現場での農産物安全・安心確保のため、平成16年度に、ISO9001(注1)による品質マネジメントシステム及びHACCP(注2)システムの考え方で三重県が策定した「三重県版農産物品質・衛生管理マニュアル(適正農業規範)」を基に、当組合でも「HACCP手法を用いた緑茶製造マニュアル」の構築と実践に取り組んでいます。

具体的には、HACCPチームの編成及び各工程毎の責任者を設置し、各工程に関する作業手順と管理基準と監視方法を定めて、記録を管理しています。重要管理点(CCP)として、生葉受け入れ時における農薬残留を危害として、栽培時の農薬使用に管理基準を設定しており、荒茶加工施設内に搬入される全ての生葉の栽培管理記録を基に、事前に農薬適正使用状況をチェックする(原則、施設搬入1週間前)と同時に、入力ミス等を防止しています。

苦情処理及び回収、従業員の教育訓練、機械機器の保守点検等についても、マニュアル化し、実践しています。施設内ではチェックリストを用い、モニタリングを実施しています。施設整備面においても、衛生管理の徹底のため、昆虫などの侵入防止策を実施しています。

これらの取組によって、組合員等の意識が向上し、三重県食品衛生協会における「平成17年度食品衛生管理アドバイザー派遣事業(ミニHACCPの導入)事業所」として平成18年3月に認証されました。

健康危害防止のための農薬管理については、チェックシートを活用した適正な在庫管理をおこなうなど十分に意識された上での取組となっています。荒茶の加工工程における衛生管理については、一般的にどのレベルまでを目指すのかといった意識の統一は通常難しいのですが、解決策として、衛生管理に必要な取組における一定の到達点を設定(当該部会の場合はミニHACCP認証)したことにより、取組が進んでいます。

当組合では、今後も継続的な改善を繰り返しながら、将来においてISO22000(注3)取得を念頭においた取組へと発展していきたいとしております。

注1:ISO9001とは、ISO(国際標準化機構。工業標準の策定を目的とする国際機関。)が制定した、品質管理及び品質保証のための国際標準。
注2:HACCPとは、1960年代に米国で開発された食品の衛生管理の方式で、国際的に認められたもの。
注3:ISO22000とは、世界規模の安全な食品のサプライチェーンを保証するためにつくられた国際規格で、食品安全を目的とした初めてのマネジメント規格。

参考資料:三重県「三重県茶業の現状」、伊勢茶推進協議会「茶柱タツの本」

お問合せ先

生産部園芸特産課

代表:052-201-7271(内線2426)
ダイヤルイン:052-223-4624
FAX番号:052-218-2793

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