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東海農政局

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第9回 株式会社壱番屋における取組

東海地域で展開している食品関連企業を訪問して、企業活動の中で食品の安全・安心/消費者の信頼確保に取り組んでいる状況を取材しています。
第9回は、カレー専門店「カレーハウス CoCo壱番屋」などの店舗運営及びフランチャイズ事業を行っている「株式会社壱番屋」にお話を伺いました。(取材日:令和元年6月7日)

株式会社壱番屋
株式会社壱番屋
壱番屋お客様サービスセンター長壱番屋生産管理部長
壱番屋品質保証部長壱番屋店舗品質保証1課長
 
東海農政局消費・安全部長
(聞き手)東海農政局 消費・安全部長 八百屋市男 

ニコニコ・キビキビ・ハキハキ

(東海農政局)
本日はよろしくお願いいたします。
まず、会社の概要などを教えてください。

(壱番屋)
創業は1978年1月、設立は1982年7月です。当社はカレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」の店舗運営及びフランチャイズ展開がメインの事業で、その他にも「あんかけスパゲッティ」や「ハンバーグ&とんかつのお店」などの飲食事業を行っています。店舗は2019年5月末現在で国内に直営店・加盟店合わせて1,302店、海外にも179店あります。
「カレーハウスCoCo壱番屋」の特徴はカレーソースが選べる、辛さ・甘さが選べる、ライスの量が選べる、トッピングが選べるところにあると思います。組み合わせは自由自在です。自分好みの一皿にカスタマイズすることができます。
2013年1月には、「世界で最も大きいカレーレストランのチェーン店」として、ギネス世界記録TMに認定されました。
企業理念としては、「社是」「ミッション」「経営目的」の三つを掲げています。
「社是」は「いつもニコニコ笑顔で、キビキビと動き、ハキハキと受け答えする」、略して「ニコ・キビ・ハキ」。私たちがこだわり続ける、日々の実践の基本です。感謝の気持ち、前向きな意欲、最善を尽くす努力などをしっかり身につけ、常に当たり前のこととして実践するよう心がけています。
「経営を通じ人々に感動を与え続け、地域・社会に必要とされる存在となること」、これが「ミッション」です。
そして「経営目的」は「会社に関わるすべての人々と幸福感を共有すること」、お客様の空腹を満たすだけでなく、笑顔、満足、感動とともに幸福感を感じていただくこと。当社に関わるすべての人々と共有し、国境を越えて世界中に幸せの輪を広げていきたいと考えています。

食の安全・安心、キーワードは「予防」と「お客様の声」

(東海農政局)
食の安全・安心の取組について、教えてください。

(壱番屋)
食の安全・安心の取組については、キーワードが2つあり、「予防」と「お客様の声」です。
当社では問題が発生する前に手を打つ「予防」を第一に考え取り組んでいます。それにはアンケートはがきやメールで寄せられる「お客様の声」が大きな役割を果たしています。
店舗のテーブルの上に設置しているアンケートはがきによるお客様のご意見の収集は、30年以上前から取り組んでいます。月間約3万5千通のはがきが寄せられます。以前はもっと多く、7万~8万通のはがきが寄せられたこともありましたが、現在はメールなどでもご意見を受け付けておりますので少なくなりました。それを会社のトップまで読んでいます。
はがきをくださった方の中から月間600名の方に、3,000円の商品券をお送りしています。人件費等も含めると大きな経費がかかっておりますが、これからも続けていくつもりです。
はがきではいろいろな声が寄せられます。お褒めをいただくことが多いですが、接客態度への苦情などをいただくこともあります。自筆の字には魂がこもっていますから、パソコンの字を読むよりも疲れます。やはり、苦情のお言葉は字が怒っていますから。
 
対談の様子
対談の様子

アンケートはがきでメニュー復活

(東海農政局)
アンケートはがきの声がメニューに反映されることもあるのですか。

(壱番屋)
アンケートはがきを参考にメニューを考案したこともありますし、復活したメニューもあります。
復活したメニューの最たるものが「納豆カレー」です。納豆は好き嫌いがあり、隣で食べているのが嫌だというお客様の声があり、メニューから一旦外したのですが、その後復活させてほしいと多数のはがきをいただきまして、2ヶ月後に復活しました。もう20年ぐらい前の事になりますが、それからは外せないメニューとなっています。
また、最近の健康志向を受けて、ライスの代わりにカリフラワーを使った「低糖質カレー」にも大きな反響があります。今月(2019年6月)から全てのトッピングを可能としました。糖質の摂取が気になる方からは、とてもありがたいというお声をいただいていますので、これも外せないメニューとなりそうです。手前味噌ですが、予想以上においしいと思います。


納豆カレー・低糖質カレー 

店舗の衛生管理は接客サービスと一体で

(東海農政局)
店舗の衛生管理などについて、教えてください。

(壱番屋)
店舗の衛生管理については、接客サービスなどと一緒に取り組む仕組みを作っています。
手洗いの徹底、粘着ローラ掛けの徹底により、細菌や髪の毛などの異物の混入を防いでいます。
また、お客様が何を注文されるか予測ができない中、食材の仕込みや解凍が非常に重要になります。多く準備し過ぎると食材が傷みますので、期限管理を大事にしています。各食材には使用期限を設定し、その期限内での使用を徹底しています。


手洗いを徹底冷蔵庫や冷凍庫は毎日温度チェック

店舗で学んでから独立

(壱番屋)
当社にはブルームシステムと名付けた、のれん分け制度があります。オーナーになる前に必ず店舗で修行して、接客や衛生管理について学んでいただきます。衛生管理が徹底できないと独立できない仕組みとなっています。
独立してからも、衛生管理などは継続しないと意味がありませんので、年1回程度、チェックを行います。衛生管理だけでなく、店舗運営や接客についての確認を実施し、独立後も店舗運営のバックアップを行っています。 

国内全店舗へ巡回点検

(壱番屋)
品質保証部では全国にある全店舗へ、衛生巡回点検に回っています。店員の身だしなみや、店舗の清掃、器具の管理、食材の期限管理など100項目以上になるチェック表を用いて、しっかり確認します。営業停止指示という大きな権限も持っていますので、店舗の方にも緊張感を持っていただいていると思います。衛生巡回を行う担当者には必要なスキルがあり、店舗の店員同様のスキルが必要になります。店舗研修を必ず受けて、店舗のことを知っておく必要があります。
それ以外にも、工場などの店舗以外の知識も必要ですが、一番大事なのはコミュニケーションのスキルです。私たちがお話をする時に上から目線では店舗の方に動いていただけないので、店舗に寄り添っていくという考えを持って巡回を行っています。指導だけではなく、より良くなるようにアドバイスや提案も行っています。

巡回点検の様子
店舗の巡回点検の様子 

ココスペシャリストとは

(壱番屋)
ココスペシャリストという認定制度があり、その資格には5等級あります。筆記試験や実技試験があり、その中にも必ず衛生関係の項目を設けています。この等級の制度により、衛生管理の意識を高めていくことになります。
特に1級は難問もあり、「各食材の加熱時の温度は中心部まで何度の温度で」といった問題もあります。この認定制度はオーナーはもちろん、アルバイトも受験します。
ココスペシャリスト2級以上の人がいないとお店が開けられないので、継続的に人材を育てていく必要があります。

COCO壱番屋

安全管理はハードとソフト両面から

(東海農政局)
工場での取組について、教えてください。

(壱番屋)
当社には3つの工場がありますが、2006年にISO9001(※1)を取得し、2018年8月にFSSC22000(※2)の認証を佐賀工場が取得しました。残り2つの工場は今年取得予定です。
工場には当然カメラも設置しています。指紋認証や顔認証などの最新の設備も導入し、セキュリティには力を入れています。従業員が工場の中には何も持ち込めないように、制服にはポケットも付いておりません。
予防にはハード面の充実とともに、従業員との信頼関係が大事です。必ず年1回、直接の上司である部長や課長ではなく、生産本部長が従業員と面談を行っています。問題点や人間関係などを直接聞き取り、改善を行ったり、不満解消につなげています。
安全管理はハード面だけではなく、ソフト面と両方から良好な生産体制の形成に向けて取り組むことが重要だと思っています。

 (※1)ISO9001
国際標準化機構 (ISO) による品質マネジメントシステム
一貫した製品・サービスを提供し、顧客満足を向上させるための要求事項を盛り込んだものです。

 (※2)FSSC22000
オランダに本部を置く食品安全認証財団(FSSC22000財団)が運営する食品安全管理システム
食品安全マネジメントシステム(ISO22000)に、フードディフェンスを含む衛生管理の要求事項を盛り込んだものです。

粘着ローラ掛け粘着ローラ掛け
製造工場の従事者の衛生管理

システムを導入し迅速にトレース

(東海農政局)
トレーサビリティへの取組はいかがですか。

(壱番屋)
2017年から生産システムというバーコードで管理するシステムを取り入れました。元々は原材料の誤配合が起こらないようにという目的で導入を計画したのですが、そのシステムにより全ての原材料をトレースできるようになりました。もし問題が発生しても、どのロットでどの材料を使用したのかが迅速に分かります。
問題発生時には、いち早く情報を伝える必要があります。情報が遅かったり、間違った情報を発信すれば、会社への信頼がなくなってしまいます。
アナログだと非常に時間がかかるので、そこを重要視して、システムを導入しました。迅速に正しい情報を伝えることが、とても重要であると考えます。

日本の「カレー」を海外へ

(東海農政局)
海外展開もされていますが、海外で日本のカレーの評判はいかがですか。

(壱番屋)
1994年に初の海外店舗をハワイ、オアフ島にオープンして以来、アジア各国やアメリカ本土に店舗を広げていて、日本のカレーはどこの国でも十分に受け入れられると思います。
ミラノ万博(2015年)に出展した際には、豚肉を日本から輸出して「とんかつ」を販売しました。日本からEUへの豚肉輸出は通常禁止されていますが、万博期間中の特例措置として認められました。値段が高かったのですが、とても好評でした。日本の食品に対する信頼感は、こちらが思う以上に高いと感じています。
当社ではカレーソースなどの輸出をしていますが、輸出をするためには、数多くの確認事項のクリアが必要になります。ようやくクリアと思ったら、確認事項が追加になることがあります。この結果、一から段取りをやり直すことも。今でも、海外の情報は、何が正しいのかよく分からないところに苦慮しています。

カレーに合うお米を契約栽培

(東海農政局)
行政への要望などがあればお聞かせください。

(壱番屋)
もちもちしたお米は当社のカレーには合わないので、カレーに合うように何種類かのお米をブレンドしていますが、業務用のお米が品薄になっています。以前は北海道産を使用していましたが、価格が上昇してしまい、仕入れに苦慮しています。当社では岐阜県のほ場で契約栽培も行っていますが、業務用に使いやすいお米の流通が増えてほしいと思います。
また、大手企業は食品衛生管理の取組としてHACCPなど第三者認証の取組が進んでいますが、中・小企業はまだまだと感じています。そういうサプライヤーには、認証取得を呼びかけるなど、底上げをお願いしたいと思います。

壱番屋本社
株式会社壱番屋本社

取材場所 株式会社壱番屋 本社(愛知県一宮市三ツ井六丁目12番23号)

株式会社壱番屋 Webサイトはこちら
https://www.ichibanya.co.jp/comp/(株式会社壱番屋)(外部リンク)

PDF版

第9回 株式会社壱番屋(PDF : 773KB)

お問合せ先

消費・安全部消費生活課

担当者:消費者対応班
代表:052-201-7271(内線2807)
ダイヤルイン:052-223-4651
FAX番号:052-220-1362

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