プレスリリース
 
14年8月27日
生産局生産資材課
 
無登録農薬の販売等に関する農薬取締法に基づく立入検査の実施等について 
 
1 背景
 7月30日に山形県において無登録農薬(ダイホルタン及びプリクトラン)を販売していた2業者が農薬取締法違反及び毒物及び劇物取締法違反の容疑で逮捕され、8月9日には、更に山形の業者に販売していた東京の業者が、農薬取締法違反の容疑で逮捕された。(山形県警及び上山(かみのやま)署)

2 農林水産省の対応
 <立入検査等の実施>
@ 7月30日に山形の業者が逮捕されて以降、全都道府県にこの問題に関する情報を随時提供するとともに、
A 8月12日に東京の業者が山形県以外の業者にも販売していたとの情報を入手したので、翌8月13日には、都府県に対し、情報の収集、販売業者等への農薬取締法に基づく立入検査を早急に実施するよう指導したところである。
 これを受け、現在、30都県において、県が農林水産省、独立行政法人農薬検査所と協力して立ち入り検査を実施しているところである。

 <無登録農薬の処分、農産物の安全確保>
 今回の件は、無登録農薬であることを知りつつ、販売、使用した者によって起こされた事件であり、農林水産省は各都府県に対し、
@ 販売業者及び購入農家に立ち入り、無登録農薬が流通・使用されないように、封かん、廃棄処分等の措置
A 販売業者のリストから購入農家が分かるので、衛生部局との連携を取りつつ、出荷自粛、残留農薬分析等による農産物の安全性の確保措置
 を図るよう指導しているところである

3 今後の対応
@ 今回の無登録農薬の販売実態を徹底的に解明し、販売業者の処分を行う。
A 違法な農薬を使用しないよう、販売業者・生産者等に対する指導を強化し、再発防止を図る。
B 無登録農薬に関しては、使用、流通の規制等、幅広く制度の見直しを検討する。

 なお、今後とも立入検査を徹底するとともに、茨城県で発見されたナフサクを含め他の無登録農薬の流通についても注意するよう全都道府県に通知した。
 
 
(連絡先)農林水産省生産局生産資材課
     農薬対策室 澤田、安藤
          TEL:03-3502-0124
 
無登録農薬(ダイホルタン、プリクトラン)に関する各都県の取組状況
(8月26日現在)

<立入検査中の県については判明次第公表>
県名 内 容
岩手県  県内1業者がダイホルタンを県内の1農家に販売していたことが判明。ダイホルタンを購入した農家はリンゴ農家1戸。当該農家は今年のリンゴはまだ出荷しておらず、農家に対して使用したりんごについて出荷自粛を要請。
宮城県  山形の1業者(武田容疑者)がダイホルタンを県内の合計10農家に販売したことが情報提供されたが,立入検査の結果,9戸が購入し,8戸が使用したことが判明した。購入した農家の内訳は,蔵王町の購入農家は4戸で,りんご(2戸),日本なし(1戸),きゅうり(2戸),自家用野菜(1戸)に使用(農家戸数は延べ個数)。山元町の購入農家は4戸でりんご(4戸)に使用。プリクトランは情報提供にはあったが,立入調査の結果,購入した農家はいなかった。各農家に対して,平成14年の使用はないものの立入検査対象農家全員に対し,残留農薬分析結果が判明するまで,仙南農協を通じて出荷見合わせを要請した。
 分析はきゅうり・日本なし・りんご・いちごで行う予定で,8月24,26日に蔵王町のきゅうり,日本なし,りんごの結果が判明し,蔵王町の農産物についてはすべて残留が認められなかった。その他の町の農産物については,分析中である。
 県内1業者がダイホルタンを県内の21農家に販売したことが判明,うち立入検査の結果,亘理町の18戸が購入し,17戸が平成14年は使用していないものの過去に使用したことを認めた。全員いちご農家であった。
 立入検査対象者全員に対し,いちご苗の残留農薬分析を要請し,結果が判明するまで出荷見合わせを要請した。残留分析調査は,近日中に判明する。
秋田県  県内7業者がダイホルタンを県内の38戸に、また、そのうちの1業者が県内の4戸にプリクトランを販売していたことが判明。現時点で本年は、ダイホルタンが鹿角市及び湯沢市の農家13戸において、りんご、西洋なし、果樹苗木、ユリに使用されたこと、プリクトランについては、流通・使用していないことを確認。本年産果実については、まだ出荷されていないことを確認。無登録農薬の使用が確認された農産物については、市町村、農業団体と連携の上で、販売自粛を指導する。直ちに全果樹栽培農家(6,300戸)の使用実態を調査する。
山形県


 県内複数の業者がダイホルタンとプリクトランを県内合計257農家に販売していたことが判明。うち今年使用した農家は、村山地方の農家36戸、置賜地方の農家4戸で、おもに洋なし、りんご、もも等の果樹に使用。
 このうち、既に出荷が終了した農家5戸を除く、洋なし農家25戸、りんご農家14戸、もも農家4戸合計35戸に対して、これらの農産物の出荷停止を要請。
このほか、無登録農薬の回収と県内リンゴ農家7千戸、洋なし農家4千戸を対象に残留検査を実施。
福島県  県外2業者がダイホルタンとプリクトランを県内合計4農家に販売していたことが判明。購入した農家の内訳は、ダイホルタンが伊達町の洋なし農家2戸、北会津村の野菜農家1戸。プリクトランが保原町のサクランボ農家1戸。今年使用したのは、サクランボだけであるが、収穫後であり、使用後出荷された農作物はない。
 現在購入した4農家に対し、出荷停止を要請し、残留分析等によって当該農薬が使用されていないことを確認し、安全を確認してから出荷する。
茨城県  県内22業者がダイホルタン、プリクトラン及びナフサクを県内の農家、118戸に販売していたことが判明。購入した農家の内訳は、なし4戸。かき3戸、イチゴ苗41戸、かき等の苗木19戸、自家用ぶどう4戸、家庭菜園2戸、なす3戸、モロッコマメ7戸、春メロン11戸、抑制メロン1戸、はくさい1戸、サニーレタス1戸、自家用うめ1戸、シクラメン1戸、未使用4戸、未購入12戸、確認中3戸。
 ダイホルタンの使用が確認された新治村のなしについては、出荷された800ケース中90ケースを回収し、引き続き回収中である。また、ナフサクの使用が確認された抑制メロンについては出荷自粛を要請している。今後とも、使用された農作物については、出荷自粛・回収を要請する。
栃木県  県内6業者に立入検査を実施した。この結果、県北の販売業者から販売されたダイホルタンを本年使用した梨生産農家1軒が確認されたため、21日夕刻速やかに全農栃木を通じて出荷自粛を要請した。
 県外の販売業者から無登録農薬を購入した1軒のりんご農家が、本年ダイホルタンを使用していたことが判明。りんご生産農家及び全農栃木に対し、生産物及び加工品の出荷自粛を要請した。
群馬県  県内9業者がダイホルタンとプリクトランを県内の合計160農家に販売していたことが判明。購入した農家の内訳は、ダイホルタンが前橋市の植木農家1戸、館林市のイチゴ農家2戸、藤岡市のイチゴ農家1戸、吾妻町の花き農家2戸、吾妻町の苗木農家1戸、利根村のアスパラガス農家2戸、プリクトランが前橋市のナシ農家2戸、伊勢崎市のヤマトイモ農家1戸、太田市のヤマトイモ農家2戸、赤堀町のイチゴ農家1戸、境町のヤマトイモ農家2戸、尾島町のヤマトイモ農家131戸、千代田町の苗木農家1戸、両方の農薬が榛名町のナシ農家11戸(うち1戸はリンゴにも使用)。各農家に対しては、問題の農薬を使用した農作物について、ヤマトイモについては新田郡農協、ナシについてははぐくみ農協を通じて出荷自粛を要請。出荷されたものについては回収を指示。
千葉県  県内3業者がダイホルタンとプリクトランを県内4者、県外3者に販売していたことが判明。
県内購入者の内訳は、ダイホルタンが造園業者1、ゴルフ場1、プリクトランが植木使用の農家2であり、農産物への使用は認められなかった。
埼玉県  県内3業者に立入検査を実施し、2業者がダイホルタンとプリクトランを県内の合計22農家(イチゴ19、ナシ1,鉢物2)に販売していたことが判明。
 また、1業者は、全量を県外の営業所で扱っており、県内には、販売されていないことを確認。
 購入農家に対しては、その使用状況の確認と散布されたイチゴ苗の廃棄を要請した。
 また、群馬県から、群馬県内の農薬販売業者が、本県の農家に無登録農薬「プリクトラン」を販売していたとの情報が入り、購入農家に対して、その使用状況の確認するとともに、事実関係が確認されるまで、出荷停止及び出回っているものについての自主回収を要請した。
東京都  都内1業者について立入検査を実施した。供述によると、当該業者の関係者が自家使用目的で、当該業者を通じ、プリクトランを入手し、出荷予定のないウメ、カキ及び垣根等に使用したとのこと。
神奈川県  県内1業者がダイホルタンとプリクトランを県内・県外の農家、約130戸に販売していたことが判明。県内ではプリクトランを湘南地域の花き栽培農家4戸が購入。販売した農薬について、販売業者に回収を指導している。
静岡県  県内2業者に立入検査した結果、1業者からダイホルタンを3農家へ販売したことを確認。ダイホルタンはイチゴ苗の親株に使用した。親株から採取したイチゴ苗については処分を指導している。他の業者等については調査中。
岐阜県  県内1業者がダイホルタンを県内の1業者、県外の2業者に販売していたことが判明。また、その販売を受けた県内1業者が、県内の3農家及び県外1業者に販売。購入した農家は巣南町の花卉農家3戸。在庫がないことを確認。
愛知県  県内2業者がダイホルタンを県内30農家に販売。購入した農家は30戸(豊川市、豊橋市、一宮町、小坂井町、立田村)で主にイチゴ苗の炭そ病防除に使用されていた(本年使用した農家は7戸)。これとは別に県内1業者が県外2業者にダイホルタンを販売していたことが判明。
 使用した農家に対しては、立入検査時に、現在、無登録農薬を保有している場合は使用を中止し、適正に廃棄すること。使用した農産物の扱いは、「安全が確認されるまで出荷を自粛」等、県の指導に従うことを指導した。
 また、今後の対応として、県民の安全を第一に、関係団体と協力して違反農薬の回収・適正処理、農産物の安全確認、再発防止策を講ずるとともに、今後とも調査を継続し、流通ルートの解明及び使用状況の把握に努める等を県及び関係団体で合意。
  更に、例年開催している農薬安全使用講習会において、再発防止の指導徹底を図る。各地域においても、農薬の適正使用に関する講習会を開催する予定である。
 なお、農業団体としては、本年度に無登録農薬を使用したイチゴ苗は全て廃棄することを指導。 
新潟県  2業者に立入検査し、過去3年間でダイホルタン(商品名:ホールエース)を東京の業者から仕入れていたことが判明。
 また、県内の他の販売業者及び県内農業者に販売していた事実が確認できたが、更に調査を実施中。平成14年に購入した農家の生産したナシを出荷停止し、自主廃棄を指導するとともに、平成12年度及び平成13年度に購入した農家についても同様の措置を取るよう指導。
富山県  1業者に立入検査し販売を確認。柿栽培農家3戸で、本年5月から6月に使用が判明。購入した農家(なし)の出荷自粛を要請。出荷組合は該当農家の出荷停止を決定。なし栽培農家の生産物についての残留農薬検査を実施。近日中に、判明予定。
石川県  県内2業者がダイホルタンとプリクトランを県内の合計92農家に販売していたことが判明。購入した農家の内訳は、ダイホルタンが金沢市のスイカ農家78戸、志賀町のスイカ農家5戸、羽咋市のスイカ農家2戸。プリクトランが金沢市のナシ農家4戸、金沢市の花き農家2戸、松任市の花き農家1戸。平成14年度に使用が確認されたのはスイカとナシ。金沢市農協は8月20日以降、無登録農薬を使用した農家の圃場のナシを出荷停止。19日以前については共選のため、無登録農薬を使用したナシを特定できないため、全量回収を指示。現在(8月26日)40t回収済み。スイカについては、出荷終了のため回収不能。
徳島県  県下の全農薬販売店約600店の立ち入り調査を実施中。
JAグループは、全農家を対象に無登録農薬の使用調査を実施中。
鳥取県  県内1販売業者がダイホルタンを県内の合計15人に対し販売。購入者の内訳は、芝生産農家13戸、果樹生産農家(なし)1戸、不明1戸となっている。当該農薬が散布された樹園地(30a)の果実は出荷せず、農家が自主廃棄。
福岡県  2業者に立入検査し、関係農家52戸について販売を確認した。本年産に使用した農家は20戸,内訳は野菜苗9戸、果樹6戸、花木5戸。本年使用した作物は、出荷自粛を要請。今後農業団体と一体となり廃棄を徹底。立入調査時に把握した未使用農薬については、全量回収。
佐賀県  無登録農薬を購入した県内の者(1名)は業者ではなく、農家であることを確認した。当該農家は平成9年から12年までにダイホルタン176kgを購入し、露地みかんに対して、平成13年までに全量を使用していた。今年は使用していないとこのことであったが、安全確認のため、出荷を開始する前までに残留農薬の有無を検査するよう指導した。
長崎県
 
 県外の農薬販売業者が、本県農業者へ販売したという情報を受け、7戸の農家へ立入検査を実施した。
熊本県  販売業者情報に基づき、3業者を立入検査し、県内外の農家へダイホルタン及びプリクトランを販売していた事実が判明。現在引き続き農家の購入・使用実態等について調査中。
 これとは別に8月初めから普及センターや関係団体を通じ啓発活動と情報収集を行っていたが、使用が確認された農家への調査と農産物のサンプリングを行った。その結果、ナシ10戸(球磨郡7戸、八代郡2戸、下益城郡1戸)・ショウガ1戸(八代郡)でダイホルタンの使用が確認され、出荷自粛の要請を行った。
大分県  みかん農家2戸、なし農家5戸に立入検査。聞き取り調査の結果、ダイホルタンの購入を確認。使用時期は平成11年から13年。本年の使用なし。
宮崎県  県内1業者がダイホルタンとプリクトランを購入していたが、販売は無かった。県内の別の1業者がダイホルタンを県内7農家・業者に販売していた。ダイホルタンを購入した農家は、県外の業者から購入した農家を含めると計11戸(温州みかん8、梨1、いちご1、茶1)であり、そのうち出荷時期が迫っている9戸については、県が緊急に残留分析を実施する。無登録農薬の使用を認めている農家には、出荷自粛を要請予定。
鹿児島県  県内4業者及び他県の業者が、ダイホルタンとプリクトランを県内の合計9農家に販売していたことが判明。9農家に立入検査をして、8農家(スイカ2、メロン3、イチゴ1、みかん2)がダイホルタンを使用したことを確認。当該農家の指導を徹底するとともに、これから収穫するみかんの残留農薬検査を実施予定。
 
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