4.河川那賀川(なかがわ)の源流は、2,000メートル級の剣山(つるぎさん)山系から東に向かって平野部へと流れています。河床勾配(かしょうこうばい)は、上流部で1 /300~1 /500、下流部で1/900。左下の図を見てもあきらかなように、わずか数十キロのあいだに、2,000メートルの山を下るため、日本でも有数の急峻(きゅうしゅん)な川となっています。 上流に降った雨は、短時間で下流へと到達するため、山間部が豪雨に見舞われると、下流部の水位が急激に増加します。 那賀川の南を流れる、長さ31キロメートル、流域面積100平方キロメートルの桑野川(くわのがわ)(下流部は派川那賀川)も一級河川で、徳島県阿南(あなん)市の中心部を流れ、紀伊水道(きいすいどう)へと注いでいます。 両河川とも、普段は農業用水として流域の人々に恵みをもたらしてきました。しかし、一方で、記録的な大雨が集中的に降る地域でもあり、ひとたび河川が氾濫すると、田に水を引き入れるために築造した堰は跡形も無く崩壊し、また、家屋・水田は水浸しになってしまうなど、地域に甚大な被害をもたらしてきました。 暴れ川那賀川との格闘の歴史を物語るように、下流部の川岸には、「岩脇(いわわき)の水神社」や「柳島(やなぎじま)の水神社」、「野神(のがみ)神社」など、水神と名の付く社がいくつも見られます。 【図】那賀川と桑野川の位置 【グラフ】那賀川の河底勾配を全国主要河川と比較 |
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