3.特産物鳴門金時(なるときんとき)鳴門金時は、吉野川河口、紀伊水道(きいすいどう)に沿った徳島北東部の砂地で作られるサツマイモの総称で、主に、鳴門市、松茂(まつしげ)町、北島(きたじま)町、徳島市川内町などで栽培されています。「金時」とは、紅あずま、紅赤(べにあか) などと並ぶサツマイモの品種、高系14号を系統選抜したものですが、表皮が赤く、中身が 黄金色であることから名付けられたといわれています。 サツマイモは繁殖能力が高く、やせた土地でも育つ作物ですが、鳴門金時は、徳島県の温暖で降雨量の少ない気候と海のミネラルをたっぷり含んだ砂地で育てられるため、糖度などの品質基準が高く設定され、全国でもトップクラスの知名度と味を誇るまでになりました。 鳴門金時の収穫は、7月中旬から始まり、8月から10月にかけて最盛期を迎えます。収穫はじめの7月は糖度が低いといわれますが、他の品種に比べ十分に甘いのが特徴です。サツマイモは、野菜などと違い貯蔵後に熟成され、水分が飛び、より甘くなる作物です。鳴門金時も貯蔵してから2~3ヵ月後が最も甘くなるため、一般に“旬”とはいわれないものの、10~1月頃が最もおいしい時期といえるのかもしれません。 【写真】鳴門金時 れんこん徳島県のれんこんは、茨城県に次ぐ全国2位の出荷量を誇っており、その大半は鳴門市や徳島市、松茂町、板野(いたの)町など吉野川流域で栽培されています。「備中種」と呼ばれる品種が主に栽培されており、独特な香りや色の白さ、シャキシャキ、ホクホクとした歯ざわりの良さが特徴です。 れんこんの収穫は、9月頃から始まり、正月のおせち料理で最も需要が多い冬に最盛期を迎えますが、ほぼ通年出荷されます。徳島県でも、露地栽培やトンネル栽培、ハウス栽培を組み合わせることで、周年出荷体制が確立されています。 春夏にんじんにんじんの栽培は、夏に種をまき、秋から冬にかけて収穫する方法が最も簡単で、本来の旬は9月から12月頃といわれています。現在は、ハウス栽培などにより、一年を通して各地で生産されているため、出荷の時期に応じて大きく春夏にんじん、秋にんじん、冬にんじんに区分されています。 徳島県の春夏にんじんは、昭和35年(1970)頃から栽培が始まったといわれ、生産地の大半は 藍住(あいずみ)町や 板野町、上板(かみいた)町など吉野川流域が占めています。吉野川がもたらした肥沃な土壌に加え、「トンネル栽培」を取り入れたことで産地化が進みました。トンネル栽培は、ミニハウスを使うことで土の中の温度を上げ、収穫時期を早める栽培方法です。 10月から12月に種がまかれ、ミニハウス(トンネル)で栽培された徳島のにんじんは、甘くやわらかいことが特徴といわれています。昭和62年(1987)以降は、4月から5月にかけての出荷量は20年以上連続で全国1位を記録しています。 【写真】春夏にんじん スジアオノリ一般に、川の水が海に注ぎ込む河口部などでは、淡水と海水が混じり合い、海よりは塩分濃度の薄い汽水域が形成されます。吉野川の下流には、この汽水域が河口部から10キロメートル以上にもわたって広がっています。その適度な塩分濃度がスジアオノリの生育環境に適していることから、昭和60年(1985)頃から養殖が行われるようになりました。現在では、生産量日本一、各地の市場でも高い評価を得ています。 アオノリには、スジアオノリの他にも、ウスバアオノリ、ヒラアオノリ、ボウアオノリなどの種類があります。なかでもスジアオノリは、その風味と香りから「高級品」として扱われてきました。お好み焼きやたこ焼きなどのふりかけ、また味噌汁やお吸い物の具など様々な料理に「磯の香り」を付け加えてくれるスジアオノリには、ミネラルや各種ビタミンもバランスよく含まれています。 【写真】スジアオノリ 写真提供:とくしまブランド戦略推進協議会 |
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