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中国四国農政局

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    四国東部農地防災事務所

    コラム―鳴門市ドイツ館

    鳴門市大麻町のドイツ館は、第一次世界大戦中、日本軍の捕虜として大麻山麓(おおあささんろく)の収容所に送られたドイツ兵たちと、地元の人々の間で芽生えた交流を顕彰するために建てられたものです。現在のドイツ館には、この時のドイツ兵達が作成した図書や写真、日用品など、当時の貴重な資料が数多く保存されています。

    大正6年(1917)からの約3年間、この地には日本軍の捕虜となったドイツ兵のうちの約1,000人が収容されていました。当時、所長であった松江豊寿(まつえとよひさ)氏をはじめ収容所のスタッフたちは、捕虜の人権を尊重し、最大限、自主的な活動を認めたといいます。

    捕虜たちは、所内に商店街やレストラン、印刷所など、80箇所以上にも及ぶ施設を作ったほか、スポーツや音楽、演劇などの文化活動も盛んに行いました。ベートーヴェンの「交響曲第九番」を日本で初めて公演したのも彼らです。また、地域の住民との交流も盛んで、キャベツ、トマトといった当時はまだ珍しかった野菜の栽培方法を農家に伝えています。

    当時の収容所の様子は、2006年に公開された映画「バルトの楽園」でも描かれています。ロケ地となった鳴門市大麻町板東字広塚には、捕虜の兵舎(バラッケ)や大浴場、パン工場などのセットが作られました。当時のままに再現されたセットは、観光資源として残され、2006年3月から2年間限定で一般にも公開されていました。

    【写真】鳴門市ドイツ館

    【写真】鳴門市ドイツ館

    写真提供:(財)徳島県観光協会

    お問合せ先

    四国東部農地防災事務所

    〒779-0105
    徳島県板野郡板野町大寺字王子72-2
    TEL:088-672-5252