4.河川吉野川――流域面積3,750平方キロメートル、総延長194キロメートル、途中で集める支流の数124本。言うまでもなく四国最大の一級河川です。水源地の高知、最長の支流・ 銅山川(どうざんがわ)を持つ愛媛、そして総延長の半分以上が流れる徳島と四国三県にまたがり、流域でみれば香川をも含んでいます。四国の象徴といっても言いすぎにはならないでしょう。 吉野川は、「四国三郎」の異名を持ちます。関東一の大河・利根川を指す「板東太郎」、九州一の大河・筑後(ちくご)川を指す「筑紫次郎」、これに続く三男坊を意味するものと考えられます。3つの川に共通するのが、洪水の多い「暴れ川」としての性格でした。 衛星画像で四国を見ると、東西に走る横縞(よこしま)のような山脈群に、無数の“しわ”が刻まれていることが分かります。ほぼ中央に見える溝は御荷鉾構造線(みかぶこうぞうせん)。これとほぼ並行に上部を走る鋭い溝は中央構造線という断層です。吉野川は、上流はこの御荷鉾構造線に沿って流れ、途中で北に向きを変え、今度は中央構造線に沿って 紀伊水道(きいすいどう)へと流れていきます。大雨が降れば、山脈群に刻まれた“しわ”のほとんどは、川や沢となり吉野川へ水を集めます。この水が一挙に細長い徳島平野へ流れ込んだら・・・洪水の歴史は、地形的な必然でした。 なお、奈良県にも吉野川という同じ名前の一級河川が流れていますが、2つの吉野川には共通点が多く、いずれも同じような洪水の歴史をたどっています。 【写真】吉野川下流航部 【図】四国の衛星画像 |
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