浦臼町の「ジビエ処理加工センター」を取材しました
空知管内では、エゾシカの鳥獣被害(農作物被害等)が年々増加し、捕獲頭数も増加傾向にありました。
浦臼町では、捕獲されたエゾシカを、地域ブランドの推進に活用できないかと考え、令和元年10月に、町営のエゾシカ解体処理専用施設「浦臼町ジビエ処理加工センター」を設立しました。当センターは、北海道及び国の両方から食肉処理施設の認定を受けた、国内で2箇所しかない施設の1つで、x線装置等の異物検出器を導入し、日々安全な食肉生産に努めています。
センターには、空知管内で捕獲したエゾシカが、移動処理車(ジビエカー)も活用し、捕獲後2時間以内に搬入されます。その数は、令和2年度1,450頭、令和3年度(R4.2月末時点)1,380頭と、当初計画の年間800頭を大きく上回り、今では、空知管外の札幌市周辺からの利用もあります。
当センターの稼働で、捕獲したエゾシカを適切に処理できるようになり、狩猟者からの評判が高く、捕獲意欲向上に繋がっています。相乗効果で浦臼町周辺のエゾシカによる農業被害の減少が期待されます。
センター稼働後まもなく、コロナ禍の影響から、食肉処理された加工品やブロック肉等の飲食店での消費やインバウンド消費等が減り、ジビエ業界全体に暗雲が立ち込めました。そこで、浦臼町は令和3年4月から町内小売店や飲食店向けに「エゾシカ肉等購入助成事業」を開始し、また、鶴沼公園キャンプ場で、空知総合振興局と町がコラボし浦臼工場産エゾシカ肉と空知産野菜を使ったキャンプ飯を無料提供する「キャンプ de ジビエ in そらち」を開催するなど、町民を巻き込みエゾシカ肉全体の販路拡大に向け動いています。
工場長、町役場の担当者は、「コロナ禍で苦しい面もあるが、厳格な衛生基準のもと管理された安心安全なエゾシカ肉を、一人でも多くの方々に賞味いただきたい。」と熱い想いを語ってくれました。
撮影データ
◯撮影年月日:令和4年3月15日(火曜日)◯撮影場所:「浦臼町ジビエ処理加工センター」(浦臼町)

【加工センター外観】

【一次処理室(解体等)】

【二次処理室(枝肉処理)】

【ジビエカーの中】

【X線装置(異物混入を防ぐ))

【枝肉を切り分け真空パックにする】

【エゾシカジンギスカン】( 臭みが無く美味しいお肉です。)
お問合せ先
北海道農政事務所 旭川地域拠点
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FAX番号:0166-30-9305