クローズアップ北陸農政局長賞
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菅池(すがいけ)集落協定(石川県羽咋市)
【表彰目的】北陸農政局では、日本型直接支払のうち、多面的機能支払及び中山間地域等直接支払に係る取組等を対象に優良な活動を表彰し、関係者の意欲の向上を図るとともに取組の推進に資することを目的として、北陸農政局長賞を授与しています。 |
1.受賞概要

菅池集落協定代表の山口氏(左)と
会計の屋後氏(右)
過疎化が進み、農家の高齢化に伴う耕作放棄地の増加が懸念される中、平成12年度から中山間地域等直接支払制度に取り組み、近年は市外から移住してきた若い認定農業者等を中心とした集落ぐるみの共同取組活動による営農体制を確立しています。
また、加工・販売の取組として、くわい、かぼちゃ等の地域農産物や当該地域農産物を使った加工品を直売所で販売するほか、無農薬・無肥料の自然栽培による高付加価値の棚田米生産に取り組んでいます。
2.受賞に対する思いや反響をお聞かせ下さい。
平成12年度から中山間地域等直接支払交付金が交付されていますが、このような賞を頂くことは考えていませんでした。役員の皆さんの励みにもなりますので大変有難いことと感じております。
地元のスーパーに野菜を卸していますが、お客さんから「菅池集落が北陸農政局長賞を受賞したね。」と声を掛けられることもあり、集落のイメージアップに繋がりました。
3.活動の内容などを教えて下さい。
中山間地域等直接支払交付金の協定農用地全てが急傾斜(うち3分の2が超急傾斜)の小さな集落協定ですが、4期対策(平成27年度~平成31年度)から始まった超急傾斜農地保全管理加算措置にも取り組み、農道の舗装、ため池やポンプの補修等を行っています。
当集落には、若い移住者が3名おり、それぞれ13年前、11年前、10年前に移住してこられました。
1人目はカフェを経営しており、集落協定には参加していませんが、現在は地域農産物等直売所も経営して地元農業者が作る農産物や加工品を販売しています。
2人目と3人目の若い農業者は、自然栽培の野菜や米など付加価値を付けた農産物を生産・販売しています。
自然栽培は収量が少なく、特に野菜は水田で栽培しているため水はけが悪く、自分で暗渠を入れるなど試行錯誤しながら農業を行っています。
また、集落の祭り、運動会等への参加をはじめ、今では集落の役員等も担ってもらい、とても助かっていますし期待しています。
![]() 野菜の自然栽培に取り組んでいる屋後氏は 集落の役員やわな猟も担う |
![]() 自然栽培の羽咋米 |
4.現在の状況や今後の目標をお聞かせ下さい。
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![]() 菅池集落の風景(上)と棚田(下) |
現在は、60代、70代の人が主体となり米等を作付けしていますが、今後5年、10年経過すると農業をする人がいなくなり、この集落の農地を守っていけなくなるのではないかと不安に思っています。
そのため、地域外から若い移住者がもっと多く入ってきてほしいと願っています。
また、10年前はイノシシ等の獣害はありませんでしたが、最近は、冬でもイノシシが集落内に来て水田の法面等を壊してしまったりしています。
電気柵の設置のほか、移住してきた若い農業者にわな猟の狩猟免許を取ってもらい、「わな」を設置してもらっていますが効果は少なく、一年中獣害に遭っており対策が追いつかない状況です。更なる獣害対策が必要だと思っています。
また、今後は老朽化した用水の補修にも費用が掛かると思われ、計画的に対応していきたいと思っています。
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